ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

母性

2017年07月10日 | 文学

 今日は出勤しても急ぎの仕事が無いことが分かっていたので、あらかじめ休暇を取っておきました。

 今日も引き続き暑いので、自宅冷房を効かせ、読書をして過ごしました。

 湊かなえの「母性」という小説を読みました。

母性 (新潮文庫)
湊 かなえ
新潮社

 母と娘をめぐる物語で、読みやすくて、グイグイと読めました。

 女子高生の娘が飛び降り自殺を図るところから物語は始まります。

 母と娘、それぞれの独白という形式で物語は進みますが、同じ物事でも母と娘の間で受け取り方が全く異なり、親子といえども他人じゃなぁ、という思いを強くしました。

 自分以外の人間という意味では、親子であろうと夫婦であろうと親友であろうと、全て他人です。

 親しき仲にも礼儀ありではないですが、親しい仲でも、人間関係の要諦は、赤の他人と接するのと同じことです。
 相手を尊重すること、自分の考えや意見を押し付けず、意見の違いを認めること。

 冷たいようですが、そうすれば親子喧嘩や夫婦喧嘩など起きないと思います。

 子供の頃は別として、私は親子喧嘩も兄弟喧嘩も夫婦喧嘩もしたことがありません。

 簡単なことです。

 相手は他人だということを肝に銘じれば良いのです。

 この物語に登場する母娘は、互いに愛情を求め過ぎるがゆえに、関係性がうまく行かないようです。

 母親は自分が親に褒められ、愛されて育ったがゆえ、娘に愛情をそそげば、いわゆる良い子になると信じているようですが、そこがボタンの掛け違いでしょうね。

 世の中には、結構夫婦や親子で喧嘩する人が多いようですね。

 私の義父母はもう80歳になりますが、喧嘩しかコミュニケーションの方法を知らないかのごとく、くだらないことでしょっちゅう言い合いをしています。

 私の実父は亡くなりましたが、私が高校生くらいまで、時折ではありますが、母と派手に喧嘩していましたっけ。

 私は同居人と出会って26年目、入籍してから20年目になりますが、喧嘩というのはしたことがありません。
 喧嘩する理由が無いと言いましょうか。
 
 よほど罵倒でもされない限り、私は喧嘩というのはしません。
 その代わり、喧嘩を売られれば当然買い、しかも徹底的に相手を責めます。
 容赦はしません。

 生涯に一度きりだと思いますが、職場の上司から罵倒された時は、直ちに弁護士を雇い、謝罪文と慰謝料100万円を分捕りました。
 お相手、日頃大人しい私がそんなことをするとは思っていなかったらしく、相当慌てていましたね。

 喧嘩をする以上、そのぐらいやらなければ意味がありません。

 話が逸れてしまいました。

 母と娘をめぐるこの物語、なかなかに読み応えがあります。
 ただし残念なのは、不倫の末に失踪してしまう父親の描き方がずいぶんとあっさりしている点です。
 思春期の娘であれば、父親の不倫及び失踪というのは大事件だと思うのですが。

 まぁ、あくまで母と娘の物語、ということなんでしょうけれど。


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