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「刺青奇偶」と舞踊・八月納涼歌舞伎

2017-08-11 20:21:54 | 見る
8月10日、八月納涼歌舞伎第一部を見てきた。
幕見にすごい人が並んでた。最近の傾向なんでしょうか。
第三部の幕見は「貸し切り」だそうで。

「刺青奇偶」(いれずみちょうはん)
長谷川伸の原作だから、新・古典ですかね。だから、時代劇というくくりと思えば。
主役が中車の香川さん、相手役ヒロインが七之助。
堅気の家の息子なのに博打ぐるいで道をはずれた男、
売り飛ばされ、転落の一途の途中で身投げした女。
出会った二人が深く思い合う夫婦になって、でも、男は博打をやめられない、
女は病気になってもう明日をも知れない。
女のために金がほしい男は、最後の賭けに出る。

香川さん、うまくなったよねえ。
香川照之に対して、うまくなったっておかしいけど、
歌舞伎座の舞台の上にいるのが違和感ないの。
ラストシーンはほかの役者が引っ込んで、舞台に一人なんだけど、全然大丈夫なの。
やくざの親分(染五郎)が放ってよこした巾着を、
震える手で手繰り寄せたひょうしに口が開いて小判がこぼれ出る。
そういう段取りとかもスムーズだし、
花道七三でころぶ、歌舞伎役者ならお約束の動きもうまい。

七之助は、立ち方、歩き方、慌て方、声の出し方、玉三郎にそっくり!
あまりに似ているので、誰を見てるのかわからない(ほめているわけではないのです)

舞踊二題で、最初は勘太郎クンの「玉兎」
月からうさぎさんが飛び出てきて、臼と杵で踊る。
勘太郎クンは6歳、よくがんばりましたというところ。
たぶん、急激に背が伸びたんじゃないかな、ちょっと腰高で頼りないけど、
振りの意味をちゃんとわかって踊ってる。
よほど叩き込まれたのでしょう。
この演目のとき、1階の客席の後ろの席で、おばあちゃまと弟クンが見てた。
後見はいてうさん。今回はもうそんなにハラハラしてないんじゃないですか。

パパのほうは次の「団子売」
これも臼と杵でお餅つくから、今月は父子で餅つき月間。
勘九郎・猿之助の踊り上手コンビ!いいよねえ。
二人に踊り比べみたいなのやってほしいなぁと思ってるのよね。
以前、猿之助が座長でやった化け猫が出る芝居の中で、
次々いろんな人物が入れ替わる(扮装が変わるんじゃなくて、踊りで演じ分ける)のを見て、
こういうのを勘ちゃんと二人で「競って」踊ったらおもしろそうと思った。
今度、「三社祭」を二人でやってみてほしい。猿之助が少し華奢ではあるけど。
楽々と余裕でキビキビと楽しい団子売でした。
コメント
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