(獅子に頭を噛んでもらい厄除けをする)
松阪市美濃田町(辻修自治会長 約120戸)で2月19日恒例の「ススキ倒し神事」が行われました。かねがね見たいと思っていた行事ですがこの日初めて見せていただきました。この行事は毎年2月20日に近い日曜日に行われるもので、同町の敏太(びんた)神社(松本明徳宮司 西田憲人総代代表)を中心として行われ、地域の外からくる厄を祓うために行われる神事です。
この神事の役付けはネンギ、獅子123、天狗、ふご持ちなどで、獅子に扮する人はこの日の早朝5時前に冷たい三渡川で全裸になって身を清め、他の人に会わないように敏太神社に戻り、火を焚いて、自分で持参した弁当を食べながら8時頃に出てくる他の役員を待ちます。
それぞれの役付けは同町9つの地区が4つの班に分かれて交代で受け持ちます。8人の各役割はこよりによるくじ引きで決めます。
敏太神社を出発した獅子頭はまずベルファームの東駐車場端にある塚で祈祷します。その後四郷池、鬼ヶ窪池堤防で安全のお祓いをしてから町内を廻ります。各辻々では町内の人たちが、紙の花を付けた木の枝を持って待ちます。獅子頭が到着すると、まずネンギがお祓いをしたあと、獅子に頭を噛んでもらい厄払いをしてもらいます。そして人々はふご(藁で作った大きな籠のようなもの)の中に餅、みかん、パン、さい銭などを供えます。
町内を廻ったあと字堺の一本杉で天狗送り神事を行ったあと、敏太神社に戻り獅子頭納めをします。神事が終わったあとは、お供えのあったものを肴に関係者で酒を酌み交わすということです。
以前は実際に田んぼに立っていたススキ(藁を乾燥するために積み上げたもの)を倒すことをしたそうです。あらかじめ決めておいたススキを倒すのですが、勢い余って他のススキを倒して怒られたり、また田んぼで持ち主が番をしていて、うちのススキは倒さないでと頼まれることもあったそうです。
ベルファームができてから一時、ベルファームにススキを作って倒す神事もされていましたが、3年ほど前からそれも無くなっています。
この行事は岩内から送り出された厄を拾ってきて久米町の字境の獅子塚まで送り出す神事でが、同じこの日には、岩内町で「どこんのり」という行事が、また曲町では「ごきげんさん」という行事が行われます。この3つの行事は関連があり、上字から下字に厄を順送りし、最後は伊勢湾に送り出すということです。
いろいろ教えていただいた西田憲人神社総代代表さんを始め、地区の皆様ありがとうございました。
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