川口保 のブログ

1市民として市政を眺めつつ、社会のいろいろな出来事を取り上げています。

嫁入り神事行われる-松阪市立野町

2017-01-08 22:34:48 | 日記
 松阪市立野町下出地区(18戸)に古くから伝わる山の神の「嫁入り神事」が1月8日に行われました。この日は少し小雨が降る日でしたが、無事神事を行うことができました。
 この行事は地区の南側の八王子と呼ばれる山の上で行われます。地区の役員である「年番」の人は藁を準備し、広場の中央の大火に火をつけます。大火が燃え上がるころ、地区の人たちが集まってきます。

 この神事は男女一対の山の神碑を中心に行われ、男の神には雑木で作った男根を形どった三ツ股を、女の神には同じく雑木で作った女陰を形どった二股を供えます。また男の神には「米十分」女の神には「麦十分」と書かれた紙を供えます。

 
         (男の神には「米十分」女の神には「麦十分」と書かれた紙を供えます)
 
 地区の人たちは年長の人たちの指導により藁で松明と、男を形どった人形、女を形どった人形をつくります。また広場の大火には残った藁を燃やして「寝床」を作ります。
 神事のクライマックスは、別の場所で火をつけられた松明を先頭に「嫁入りや 嫁入りや」と唱えながら場を半周して、最後には大火の寝床に松明を投入し、女の藁人形を仰向けに、続いて男の藁人形を下向きに重ねるようにして大火に投入して燃やします。
 以前はおかゆを炊いて、その中に餅をいれ、その餅を神に供えましたが、今は大火で焼いた餅を神様に供えます。
 
 
           (地区の人たちが手分けして、男と女の藁人形を作ります)

 大火の周囲に地区の人達が輪になって餅を焼きます。先の尖った竹に餅を刺して火にかざして焼くのですが、黒く焦げたり、餅が竹からはずれ火の中に落ちたり、ワアワア言いながら焼いていました。私も餅をいただき焼きました。

 男の神に供える「米十分」、女の神には「麦十分」の意味はわからないのですが、米が十分取れるように、麦が十分取れるようにとの願いではないかと言われています。また男の藁人形と女の藁人形重ねるようにして大火に投入するのは、子孫繁栄を願ってのことではないかと言われています。

 
     (男女の藁人形重ねて燃やします)        (最後に餅を焼いて神さんに供えます)
 
 この神事は以前7日に行われていましたが、最近はこの日に近い日曜日に行われています。また現在は地区の南側の八王子という山で行われていますが、中部台公園ができるまでは現在の中部台公園の管理事務所付近で行われていました。中部台公園の建設で立ち退きにあい、現在の場所で行われるようになりました。
 この神事がいつ頃から始まったかは定かでありませんが、地区のお年寄りが子供のときにはすでに行われていたということで、かなり昔から行われていたことになります。このような昔からの伝承神事はいつまでも続けていただきたいと思います。
 嫁入り神事は私のブログ「松阪市内のまつり、祭り、祭100選」に記載してあります。
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