ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

オスカー・ピーターソン/ザ・サウンド・オヴ・ザ・トリオ

2017-07-25 13:16:09 | ジャズ(ピアノ)
最近は私生活でなかなか時間が取れず、ジャズ名盤探しもしばらく中断していましたが、先日梅田のタワーレコードで久々にまとめ買いしました。本日はそのうちの1枚で、オスカー・ピーターソンのトリオ作品をご紹介します。彼に関しては本ブログでもすっかり常連になりましたね。もともとは特にファンという訳でもなく、アルバムも数枚しか持ってない状態だったのですが、最近になってCD発売の機会が多いということもあって、よく聴くようになりました。本作は1961年の7月にシカゴのロンドン・ハウスというジャズクラブでの演奏を記録したライブ盤です。メンバーは後期のピーターソン・トリオ、すなわちピーターソン(ピアノ)、レイ・ブラウン(ベース)、エド・シグペン(ドラム)の3人です。実は同日のライブを録音したものはもう1枚あり、そちらは「ザ・トリオ~オスカー・ピーターソン・トリオの真髄 」のタイトルでこれまで繰り返し発売されており、例の「ジャズの100枚」シリーズにも選ばれるなどすっかり定番の作品となっています。本作はいわばその超有名作品の“裏盤”ですね。



おそらく、“表”ばかりが有名になったのは“Chicago”はじめスタンダード曲が揃っており、ジャズ入門者にピッタリの内容だったと言うのがあるでしょうね。一方の本作は全5曲中、2曲目“On Green Dolphin Street”と4曲目“Ill Wind”の2曲が有名スタンダードですが、残りの3曲はオスカー・ペティフォード作のバップ・チューン“Tricrotism”と後はピーターソンのオリジナルということもあって、やや趣が違います。冒頭“Tricrotism”は作曲者のペティフォードがベーシストということもあり、レイ・ブラウンのベースが最初に大きくフィーチャーされ、そこから縦横無尽のピアノ・ソロが繰り広げられます。3曲目の“Thag's Dance”は今度はエド・シグペンのドラムが大活躍。アルバムタイトル通りまさにトリオの三位一体となったアドリブが堪能できます。ラストの“Kadota's Blues”は門田?角田?と漢字が思い浮かびますが、ライナーノーツによるとピーターソンの友達のジョージ・カドタという人物(おそらく日系人でしょう)に捧げられた曲だそうです。これはタイトル通りコテコテのブルースで、トリオのいつも以上にファンキーで黒っぽい演奏で締めくくります。以上、内容的には“表”に決して引けを取らないどころか、むしろ個人的にはこちらの方が良いと思いますが、いかがでしょうか?
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