新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

大阪のタミフル耐性論文投稿報道に想う

2009-07-05 20:36:52 | マスコミを考える

大阪のタミフル耐性新型インフルエンザ、府立公衆衛生研究所が、一般発表より先に医学誌に投稿した「問題」でマスコミ各社皆さん、張り切りモードです。

時事、朝日あたりが先行して本日5日は産経も追いかけてアップ↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090705-00000520-san-soci

何でわいらより先に医学誌に出すねん と各紙 社会部の皆さんの気持ちはよくわかるのですが、ここで提言。

医学誌より先、あるいは同時に情報が来るようなモチベーションつくりの仕組みを考えてはと思うのです。

公衆衛生研の皆さんが先に医学誌に出そうと考えたのは、それなりのモチベーションが働く仕組みがあるのです。 雑誌により「インパクトファクター」なる点数評価制度、その雑誌の論文がどれだけ他の論文に引用されたかを元にしたものなんですが、研究者の評価のひとつ。 だから、「○○に論文が載った!」の○○にNEJMだのLancetだのという文字が入るとそれはそれは強力なモチベーションに。
 
 だから、日本のマスメディアに載ることが名誉、モチベーションになる仕組みをつくる。

たとえば、誰もが唸る記事を書いた記者は「新聞協会賞」というものがもらえるかもしれない。「新聞労連賞」なるものもある。
 で、書いた人に贈る賞と並んで、すぐれたネタを提供した人に贈る賞をつくる。

世界で2例目のタミフル耐性新型インフルエンザ発見! を先にこちらに出したら新聞協会の表彰台に乗せてあげる。 限界あれどなんぼか状況は変わるかもしれません。

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3 コメント

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マスコミ発表 (y_yuki)
2009-07-05 21:25:10
私は技術屋で生物・医学とは分野が違うので分かりませんが、研究者は、成果を論文にして発表することが仕事なので、マスコミ発表などは仕事のプロセスには入っていないのではないでしょうか。多くの人にとって重要な発見をしたのにも関わらず論文発表しないということであれば、それを問題にすべきかと思います。医療関係の専門家への情報共有を優先したことに間違いは無いと思います。

 自社の新技術をマスコミに公開したいメーカーの開発部門でも、特許申請してからでないと新技術を公開できないという事情もあったりします。マスコミは、論文や特許などからニュースになりそうなものを取材するなど必要かも知れませんが、記者クラブ制で受け身の取材になれている大手マスコミはなぜ俺たちに教えないんだ・・・というような報道になってしまうのかも。
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対マスコミ発表が問題なのではありません (ndegeSUGI)
2009-07-06 05:54:14
マスコミへの発表など関係ありません。問題はただちにWHOに報告するという国際ルールを無視して隠していたことです。医学誌の発行を待っていたら世界的な対応が大幅に遅れます。結果的に脅威でなかったことは言い訳になりません。WHOの専門家たちも大阪の論文執筆投稿優先を強く批判しています。
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ありがとうございます (管理人)
2009-07-06 10:46:06
ndegeSUGIさんyukiさんありがとうございます。
なるほど、少し見えてきました。
「WHOへの報告遅れ」という事の本質に、マスコミの思いがかぶって「記者会見より先に論文発表云々」という書き方になって・・・
重ねてご意見ありがとうございました。
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