新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

謹賀新年(新年の注目点)

2021-01-01 11:36:03 | ツイッター(自動転送)

新年あけましておめでとうございます

この1年、みなさまには様々な局面で大変お世話になりました。心より感謝いたします。

旧年中は、年頭に新著「『途上国』進出の処方箋(経団連出版)」を上梓させていただき、国境を越えるビジネスパーソンのお役に立て始めたところで、コロナ対応の大波がやってきてその対応に明け暮れる一年でした。その中で、外務省時代に北京でSARS流行渦中で揉まれて以来のリスクコミュニケーションへの想いがいくらか世間のお役に立てることができたのは幸いでした。

さて、新年はどのような年になるでしょうか。まずは目前のコロナ対応ですが、あまり報じられずスポットの当たっていない処に台風の目が隠れているようです。

 

1.「中国製ワクチン」は台風の目か?

日本国内の報道ではほぼ「存在しないもの」扱いの中国製ワクチンは、社会情勢を動かす一大要素になるかもしれません。いま、国境を越える往来は、「PCR陰性証明」をメインに検疫措置を添えてごく限定的に開かれつつあります。これからワクチンの普及が、医療従事者や高齢者など第一優先者を越えて一般に広がるとき、国際往来が(PCRに代わり)「ワクチン接種証明」をメインに動くようになれば、そのとき、「ワクチン接種証明」が得にくい国は後回しになり、(欧米製の供給量に縛られない)中国および中国から供給を受ける新興国・発展途上国における経済関係が一変するかもしれません。私がこれまで研究で通っていた東南アジア諸国では、日中韓の企業が現地で熾烈な進出競争を繰り広げていますが、これが中国優位に動いてゆくことも想定しなければならないかもしれません。

2.変異種問題は第二幕も第三幕も?

 旧年中は、英国・南アフリカで確認→日本含む二次的流入国で確認まで展開した変異種問題、新年は順当に(?)世界中に拡大してゆくあたりまでは見通せる範囲ではありますが、これとは別の変異種による第二幕も想定しなければならないかもしれません。遺伝子変異は(インフル等に比べ振れ幅が狭いとはいえ)コンスタントに起こりますから、意外な場所で第一報となるかもしれません。たとえば、2009年の新型インフルH1N1の出現が、誰もが予想していた中国南部ではなくメキシコだったように・・・

3.コロナ禍のメンタル問題。これまでの自殺対策の真価が試される

新型コロナ禍の経済停滞のなかで、自殺数の増加を予測する向きもあります。しかしながら、同時に、2006年の自殺対策基本法成立以来の諸施策、私も関与している産業保健現場では自殺防止に向けた産業医面談やストレスチェック等々、網の目のような自殺防止対策でかつて年間3万人台から3割近く減らしてきた「仕組み」もあります。こうした増加要因と抑止要因の綱引き、勝敗はどう出るのかも注目ポイントでしょう。

こうした、これまで注目されてこなかった観察ポイントを含め、ウォッチしてゆきたい丑年です。

新年もよろしくお願いいたします。

              令和三年吉日


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新型コロナワクチン接種、現場レベルの初期混乱(他山の石?)

2020-12-30 12:55:23 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

新型コロナウイルスのワクチン接種が欧米で始まりますが、初期の人為ミス例がいくつか報道。

  • ワクチンを保管する冷蔵庫。奥のものを取り出したときに、ワクチンを戻し忘れて常温放置、結果、50バイアルがパーに(米国)。
    製造元からー70℃や-20℃で輸送する際は、ハイテクコールドチェーンでプロがピリピリしながら運ばれてきます。そして打つ前に解凍して冷蔵庫に。この期間が、max5日間や20日間許容されるわけですが、ここのところはもはやコールドチェーンのプロではなく、現場レベルの話になります。冷蔵庫の奥のものとったときに放置、ということは起こりうる。実際に管理人がアフリカ勤務中には、(インフルやら破傷風やら肝炎やら、新型コロナワクチンに比べれば取扱い難易度はやさしいものですが)ワクチンを注文したら、空港まで現地スタッフにとりにいってもらうぐらい気を使っていました。しかし先進国内で安心してると、こういう落とし穴もという話。

     

    OGPイメージ

    50 vials of Moderna vaccine thrown out at Grafton clinic due to 'human error,' Advocate Aurora says

    Dozens of vials of the Moderna COVID-19 vaccine had to be thrown out d...

    TMJ4

     

     

  • 本来の5倍量を打ってしまい、打たれた人は入院観察に(ドイツ)

    ヒューマンエラー。日本では医療安全畑の人々が、こういうこと起こらないようにいろいろノウハウ提言してくれると思いますが。

    OGPイメージ

    Four German healthcare workers hospitalized following COVID vaccine overdose

    "I deeply regret the incident. This individual case is due to ind...

    Newsweek

     

     


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新型コロナと人口減問題に苦悩するイタリアは他山の石か

2020-12-28 00:00:03 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

イタリアがコロナ禍のなか、人口減少問題に苦悩しているという報道。

  • イタリアの2019年、出生数420000に対し死亡647000(この出生数は1861年の統一以来最少)。対して2020年は出生数408000に落ち込み、死亡700000 と国家統計局の推測。
  • コロナ禍のなかで、恐怖と不確実性が、イタリアのカップルのあいだで子供をつくることに対する躊躇をうんでいる。
  • 2020年の死亡数は70000万に達する見込みで、これは第二次大戦下以来の憂慮すべき事態。(コロナ関連死は67000)
  • 失業率も、現在の9.4%から2021年には11%に達する見込み。
  • イタリアの性的不平等、妊娠出産で仕事の継続が難しいこと、失業率の増加によって、子供をつくることに躊躇がうまれている。
  • 最近の会議では、イタリアの女性たちが、おかれている社会経済的コンディションに対する静かな抗議(“silent protest”)として子供をつくらないという選択に走っているとの意見がでた。
  • 首相は、この状況は、国の存亡にかかわる事態だとしている。生産のこと、年金の支払いのこと、それ以上に、国に活力がなくなってしまうと。

もともと少子化、人口減少のあったところに、コロナ禍の雰囲気下、子供をつくらないという選択するカップルが増えて、国家存亡の事態に至ってしまう。これは日本もまったく他人事ではないところです。コロナ禍の影響は二次的三次的に拡大してゆきます。

 

OGPイメージ

Covid and climate of fear puts Italian birth rate at lowest since unification

With an estimated 400,000 new Italians this year to replace the 700,00...

the Guardian

 

 

http://www.theguardian.com/world/2020/dec/26/covid-and-climate-of-fear-puts-italian-birth-rate-at-lowest-since-unification

 


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新型コロナで最多は家庭内感染でしたとUKの報告

2020-12-04 00:28:36 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

UKのデータ

  • 無症候例からの感染は、症候例からの感染の4分の1.
  • もっとも感染するのは家庭内感染、病院や旅行など他のどれより多い
  • 期間が長いほどチャンス増える。5日以上で有意に高くなる
  • 家庭内感染させる可能性は21%
  • 家庭内でひとりから感染させるのは0.96人

やっぱり家庭内感染がいちばんというデータ

 

 

OGPイメージ

COVID-19 spread in different social settings - new Imperial report | Imperial News | Imperial College London

In a global analysis of where SARS-CoV-2 transmission takes place, hou...

Imperial News

 

 


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新型コロナの後遺症(long covid)の実像が明らかに

2020-11-19 09:01:23 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

これまで、いわゆる「コロナ後遺症」に悩む人々がメディアに取り上げられつつ、「私はこんなにツライです」とうったえる一例報告ネタにとどまるところで、あれは視聴率稼ぎだなんだと陰謀論みたいな事を言う人も一定数耳にしました。

今回、そんな状況に一石の数字。UKで、高リスク者ではない人々でこんな感じと。

  • UK,ロンドンとオックスフォード、N=201 例。PCRか抗原検査で確定例。
  • 最初の初発から140日経過後に有症状者。
  • もともと基礎疾患のある例は少なく(肥満20%,高血圧 6%, 糖尿病: 2%, 心疾患: 4%))、平均年齢も44歳と若い。
  • 疲労98%、筋肉痛88%、息切れ87%、頭痛83%
  • 臓器損傷 心臓32%、肺33%、腎臓12%、肝臓10%、すい臓17%、脾臓6%
  • 66%に何らかの臓器障害、25%は複数の障害

というわけで、高リスク群ではなく、重症化しなかった軽症例も多いこと、そして、中身は、これまで報じられてきたものと同じく、倦怠感や息切れ、筋肉痛が主体です。一方で、報道では本人自覚の症状が主でしたが、それ以外の、多臓器不全の問題はもっと知られるべきでしょう。

 

 

Long covid: Damage to multiple organs presents in young, low risk patients

 

The BMJ

 

 

https://www.bmj.com/content/371/bmj.m4470

 


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ミンクに新型コロナ変異株が見つかったから1700万匹殺処分

2020-11-05 23:55:39 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

国内ではあまり報じられていませんが、ミンクの新型コロナ感染が結構な騒動になっています。デンマーク。

ミンクがCOVID感染することは、以前に一度紹介したことがありますが、ミンクからヒトへの感染が、また、その中で変異株が見つかったため、(このまま放置してどんどん変異株ができてゆくと、将来、ワクチンが出来ても効かないという事態も考えられるため)1700万匹も殺処分されてしまったという話。軍や警察も出てきておおがかりな殺処分です。

もともと、皮をコートにされる運命だったとはいえ、なんとも気の毒です。

 

Denmark plans to cull its mink population after coronavirus mutation spreads to humans

Denmark will cull its mink population of up to 17 million after a muta...

U.S.

 

 

https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-denmark-mink-idUSKBN27K1X6

 


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新型コロナが冷凍の食品類から感染するかもと示唆する北京の報告

2020-10-29 10:25:20 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

いったん収束したCOVID-19感染が市場を中心に再燃してしまった北京の報告。

  • 問題となった市場。地下で働いているスタッフから検出率は20%近くと、他の(地上)で働くスタッフより明らかに高かった。
  • 感染拡大している国から輸入された冷凍のサーモンから感染疑われる。
  • 4℃、ー20℃の条件下で、21日間の感染性が減らないことが確認された。
  • ただし、この冷凍サーモンの付着ウイルスで、実際に感染を起こすほどであるかどうかは未確認。

というわけで、市場で大量に冷凍ものを扱う労働者の話なので、日本のスーパーやコンビニで売ってるきれいなパック詰め製品に風評被害がおこらないことを希望します。

元論文はこちらからpdfファイルダウンロード

 

OGPイメージ

Cold-chain food contamination as the possible origin of Covid-19 resurgence in Beijing

Xinghuo Pang, Lili Ren, Shuangsheng Wu, Wentai Ma, Jian Yang, Lin Di, ...

OUP Academic

 

 

https://academic.oup.com/nsr/advance-article/doi/10.1093/nsr/nwaa264/5936602

 

 


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注目の少数意見「コウモリを悪者にしないで」

2020-10-25 11:17:41 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

ここのところの新興感染症騒動において、コウモリが重ねて主役をつとめてきました。SARS/MERS/COVIDのコロナ3兄弟はいうにおよばず、2014年のエボラ騒動も記憶に新しいところです。そんな、感染症脅威をしっかり結びついたコウモリを悪者にしないで!とコウモリ研究グループ。

アフリカ ジンバブエの、村人から神聖視される洞窟3か所に定期的に訪問してコウモリの調査、ウイルス分析し、すでにCOVIDと同グループのコロナウイルスも発見。と、非常に高リスクな研究をおこなっているグループですが、コウモリを敵視しないでと。

コウモリほど、悪魔だ吸血鬼だと(エボラやコロナ以前から伝統的に)誤解されてきた動物も珍しいけれど、彼らには必須の役割があること、

  • コウモリは空を飛べる唯一のほ乳類である
  • コウモリが昆虫を食べることから全米で37億ドルの損害を防いでいる
  • 数百種の植物が、受粉をコウモリに頼っている
  • コウモリは、自然破壊や気候変動のかつてな脅威を受けている
 

事実をあげています。

感染症の視点からみれば、コウモリほど厄介なものはないわけですが、こんな視点もハロウィーンの日に見直したいところです。

https://www.bbc.com/news/science-environment-54246473?fbclid=IwAR0lqpXbanPmX-Ygc_eFRfVWFV7LV1k0ozbK3LhS3CXIGfCKRu3qk3-GfE8

 

 
OGPイメージ

BBC News"/>

Bats have been scapegoated by humans for centuries, with Covid only th...

BBC News

 

 


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新型コロナの免疫、混沌。再感染、ワクチン中止、モノクロナール抗体も

2020-10-14 08:56:44 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

COVID-19感染の再感染、かなり初期から”PCRがいつまでも陽性例”としてメディア好みの数字がとれるネタ扱いされてきたところですが、このところ地味に注目されてきています。

  • ネバダ州の25歳男性。基礎疾患なし。4月18日に感染、いったんPCR陰性化。6月25日に再感染。このときには重症化し酸素投与要することに。
  • 他国の報告でも、再感染し2回目にはより重症化する例が目立っている。
  • ワクチン接種によっても100%防げるとはいえないことになる。各報告は症状のある例で、無症状例がさらにあるかも
  • ジョンソンエンドジョンソンのワクチン第三相は、”予期せぬ疾患”発生により一旦中止、
  • リリーのモノクロナール抗体も、安全性理由により一旦中止。

人類の限られた知恵では、特に免疫学分野において、予期できない(あるいは理論上の解説はできても実際には初めて目にする)ことが次々姿をあらわしてきています。免疫学の先生方のリスクコミュニケーションがますます期待されます。

https://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2020/10/reports-shed-more-light-covid-reinfection-2-trials-paused?fbclid=IwAR1-zIRP99LTytk8m_4zJOdLN4gcd8j3TBx7KwCfdzEP_aL46a8DQBAAmQY

 

OGPイメージ

Reports shed more light on COVID reinfection as 2 trials paused

Both a vaccine trial and monoclonal antibody trial have been paused.

CIDRAP

 

 

OGPイメージ

 

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2820%2932134-6/fulltext?fbclid=IwAR1B7_ZRQP3D4DNYuxTLspilDKIfRc6HRFjXujGb217TbY3_z6H1am-cTrA

 


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PCRを誰でもいつでも無料で出来るようにしたらどうなった(USA)

2020-10-07 09:01:42 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

 

Texas colleges offer free coronavirus tests. Why aren't more students getting tested?

Halfway through the semester, schools are reporting participation rate...

The Texas Tribune

 

 

PCRめぐる侃々諤々の最中に、「日本国民全員にPCRを!」と海の向こうから主張した御仁(管理人も某番組でモニター越しに相手させられた)や、誰でもいつでも(無料で)と主張された区長さんとか、極端なメディア受け発言をされる方々がおられました。おそらくは比喩的表現で、本当に「文字どおり」そうできるとは思っておられないと思いますが、では本当に「文字どおり」そうしたら・・・

  • 米テキサス大は毎週、無症状の5000人に検査可能、テキサスA&M大学も毎週5000人(全体の7%にあたる)に検査受けさせるゴールを設定。テキサス大エルパソ校では毎週2500人検査キャパ
  • しかし実績は目標をはるかに下回り達成には程遠い結果に(

    “Why aren’t we testing 5,000 people per week? The answer, in part, is that we have fewer than 5,000 people a week who have been willing to take the tests,” reads a Sept. 28 memo from the UT-Austin Faculty Council.Texas A&M conducted 6,195 tests in its first two rounds of random testing through Sept. 12. Meanwhile UT-El Paso, which tested 6,691 campus members from Aug. 17 to Sept. 18, has yet to break 2,000 weekly tests)

  • 検査数をあげるため、受験した学生に対して50ドル相当の地域商品券を提供(!)するインセンティブプログラムを開始(To boost participation, the school is launching an incentive program, with raffle prizes for students including $50 gift cards to local and national vendors, Godwin said
  • アラバマ大学では、週2回検査受けることを「強制」とした。テキサス大では強制にしていない。強制に対する法的議論も。

全学生ではなく、フットボールの試合に行く場合に義務とするところもあるようです。
検査を受けることを「義務」とすることに関しては、法的はディスカッションが色々元ソースには書いてあり、一筋縄ではゆきません。

結局、PCR受けたら(地域商品券の形で)5000円あげます。という施策が、地域経済にも、公衆衛生にも、そして何より学生ハッピーで一番幸せかもしれません。国民全部にPCRを!と主張する面々も、こういうこともセットで主張したら、もっと支持する人いたかもしれないのになあ。

 


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新型コロナ感染でパーキンソン、次は神経内科の大波が来るか

2020-10-04 13:44:49 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

COVID-19感染でパーキンソニズムになった報告いくつか。総合して

  • 米国からイスラエルに帰国した45歳男性。後ろの席の人が咳をしていたので多分機内で感染だとうと述懐。帰国後、嗅覚脱失あり、陽性確認して隔離。その隔離中より書字困難で気が付き、歩行障害、パーキンソニズム確認。治癒して帰宅後に症状あり神経内科へ。
  • パーキンソン症状が、ウイルス感染に引き続いて起こることは他のウイルスでもあり。また、先立って嗅覚脱失が起こることも。
  • COVID-19感染がひろがっているいま、潜在的に、パーキンソンの波も近づいているのではいか(今後、パーキンソンも増えるかもしれない)

https://portlandpress.com/neuronalsignal/article/2/2/NS20170166/76633/A-role-for-viral-infections-in-Parkinson-s

 

https://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422%2820%2930305-7/fulltext

A case of probable Parkinson's disease after SARS-CoV-2 infection

 

Experts warn Parkinson's disease may 'explode' after COVID-19

The loss of smell and taste are worrying COVID-19 symptoms because the...

 

 

 

https://www.abc.net.au/news/2020-09-23/covid-19-may-cause-parkinsons-disease-research-finds/12688384

 

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週2回の鼻シュッシュで新型コロナ防げる”かもしれない“話@豪

2020-09-30 17:05:09 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

COVID-19予防。週2回の経鼻投与で免疫力→96%抑制した報告。

まだこれから臨床治験の段階、過去、インフル経鼻ワクチンがいまいちだった経過もありますから、今後どうなるかわかりませんが、ともかく新しい発想ということで紹介。

豪社、INNA-051

https://en.prnasia.com/releases/apac/preventative-nasal-spray-shown-to-reduce-viral-replication-by-up-to-96-in-covid-19-challenge-study-293103.shtml

 

https://en.prnasia.com/story/293103-0.shtml

 

Preventative nasal spray shown to reduce viral replication by up to 96% in COVID-19 challenge study

Ena Respiratory
2020-09-28 04:00 

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新型コロナ、長距離フライトでは新たなリスクも(ベトナム航空ビジネスクラスの16例スーパースプレッディングイベントを当局が暴いた)

2020-09-28 02:08:23 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

COVID-19が機内で感染するか。HEPAフィルターがしっかり守ってくれるから大丈夫!というのが通説でしたが長距離フライトではそうもゆかなさそうな、ベトナムからの報告。

  • 2020年3月1日 ロンドン発ハノイ行き ベトナム航空VN31便。飛行時間は約10時間。274席(ビジネス28、プレミアムエコノミー35、エコノミー211席。搭乗率はビジネス75%、プレエコ100%、エコノミー67%。
  • 乗客乗員をトレース。
  • 感染確認が16例。うち12例はビジネスクラス。唯一症状を呈していた乗客の付近に搭乗。
  • インデックスケースはロンドンベースのベトナム人ビジネスウーマン27歳。2月18日で姉妹でイタリア旅行、25日にロンドンに戻る。その姉は感染確認。29日に咽頭通出現。3月1日に当該便搭乗。
  • 帰国後に症状増強(軽症範囲内)自宅内自主隔離。3月5日受診、PCR陽性
  • 乗員全員とベトナムに残っていた乗客168人(84%)をトレース。この接触者調査により、さらに15例の陽性をキャッチ。
  • 陽性例の分布・ビジネスクラス、インデックスケースの周囲に集中。
  • 乗客すべての能国接触者1300人中、陽性は5例でうち3例はインデックスケースの同居人
  • このフライト時点でUKの感染者は23例しかなく、乗客の多くが潜伏期間中だったとは考えにくい。到着時典でのベトナム国内での感染者数も16例しかなく最後のケースから潜伏期間中をしぎているので、ベトナム国内での感染も考えにくい。(したがって、機内での感染であることは間違いなかろう)。
  • もっとも可能性が高い感染は、(特にビジネスクラスの乗客では)インデックスケースからの飛沫感染やエアロゾル。
  • 今後、航空旅行を解禁する国々があるなかで教訓は、①検温パネルや申告制度では限界があること ②長距離フライトは、単に輸入例をもたらすのみならず、機内でスーパースプレッディングイベントを起こす可能性。今回はマスクも装着していなかった。飛沫やエアロゾルの機内における動きはまだ未解明だが ③機内感染の例は中国で報告があるが、まだ査読前。1月にはカナダの15時間のフライトで、感染者がいたが二次感染はなかったという報告も。その他フランスやタイに到着フライトの報告はあるも、接触者調査に限界、前後2列にとどまっている
  • これまで、航空産業から出たガイダンスでは、機内感染リスクは少なくマスク着用・真ん中の列を売らないといった対策しか示されていないが、今回我々の報告はこれに反論するものである。今回のケースでは、よりソーシャルディスタンスのとられるビジネスクラスでクラスタが発生しており、この席間は2例あけや2メートルルールを満たしている。

これまで、(PEACH機内でマスク拒否にCAさんへの暴言をともない緊急着陸でたたき出された男性例の報道はあるものの)日本でも機内での環境は安全という前提でおおむね動いてきました。しかし10時間の長距離フライトではスーパースプレッディングイベントが、広い広いビジネスクラスでさえ起こるということが、ベトナム当局の徹底した接触者調査で明らかになったものです。

これから我が国でも「開国」ともいうべき方針が表明されている折、今後は海外からの持ち込み例が増えることを前提としてものを考えてゆかねばならないことになります。スペイン風邪のとき見られたような「本当の第二波」はリアルに見えてくるのでしょう。

 

https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/26/11/20-3299_article

 

OGPイメージ

Transmission of Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 During Long Flight

To assess the role of in-flight transmission of severe acute respirato...

Emerging Infectious Diseases journal

 

 

https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/26/11/20-3299_article

 

 


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新型コロナは気温にかかわらず高湿度で流行増える報告

2020-09-24 21:48:05 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

気候条件と新型コロナの新たな知見。

  • 気温が高く、相対湿度が低い(高温低湿度)でウイルス生存率低下
  • 相対湿度が高ければ、いかなる温度においても、飛沫の飛散距離と濃度は一定以上に保たれる。これはこれまで疫学者に共有されていた理解とは異なる。
  • 今回の知見から、これまでデリーのような密度の高い都市において、7月中旬でさえ増加した理由を説明できる。ここでは1か月前の6月に高温と高湿度を記録している。
  • そして来るべき秋冬において、低温と風速の高まりによって空中のウイルス生存と伝達が増し第二波につながることが懸念される。

この報告の方法論は「The new theory introduces a thermal history kernel and provides transient Nusselt (Nu) and Sherwood (Sh) numbers as a function of the Reynolds (Re), Prandtl (Pr), and Schmidt numbers (Sc」というものにて、物理学や気象学の知識がなければ理解難しいですが、ともかく、日本においても夏の真っ最中に大きな波が来た理由のひとつは理解できることになります。この冬は「寒くて風がきつい地方」が流行の台風の目になるでしょう。

https://aip.scitation.org/doi/10.1063/5.0024272

 

https://aip.scitation.org/doi/10.1063/5.0024272

Physics of Fluids 32, 093312 (2020); https://doi.org/10.1063/5.0024272
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新型コロナで「鼻のアナ」がもっと注目されてゆく

2020-09-16 09:17:24 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

COVID-19感染経路、口鼻眼粘膜とは散々言われてきたところですが、中でも鼻粘膜に注目報告。

ACE2がたっぷり分布する鼻粘膜、ここでどう侵入を阻止するか。(新型インフルのときにも取り沙汰されていた)ラクダ由来抗体、アルパカ由来抗体も一法と。

また再びあらわれてきた顔ぶれですが、COVIDでも活躍してくれるか。。。

 

Treatments that target the coronavirus in the nose might help prevent COVID-19

Scientists are developing and testing ways to prevent the virus from s...

Science News

 

 

https://www.sciencenews.org/article/coronavirus-covid-19-treatments-target-nose-prevention

 


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