徘徊オヤジの日々是ざれごと

還暦退職者が、現在の生活と心情、そしてちょっとした趣味について綴ります。

夕日の向こうに・・・20

2017-10-07 14:23:12 | ・夕日の向こうに
 カズミさんとこんなに近くで、しかも二人きりで話すなんて初めてのことだ。ぼくの胸は爆発しそうだった。カズミさんは少し間をおいてからいった。

「あたし、この学校がとっても好きだから」

「?」

「だから、いつまでも思い出にのこるように、よーく目に焼きつけていたのよ」

「どういうこと?」

 ぼくはカズミさんが何をいっているのかわからなかった。

「あたし、この連休に引っこすの」

「‥‥」

 ぼくは声がつまって何もいえなかった。タカシのいっていたことが現実になった。最悪だ。

「じゃあ、お店もやめてしまうの?」

 ぼくはやっと声をしぼりだした。

(夕日の向こうに…21)に続く…

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