はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

伊豆3山-1

2012-01-16 13:00:01 | 低山歩き
富士山眺望低山歩き 伊豆3山―1                    歩行月日2011/12/10


 10月頃の新聞に有名登山家が「毎年12月は伊豆の益山寺の公孫樹とモミジの紅葉を見て、
発端丈(ほったんじょう)山からの富士山を眺める」
と話していたの載っていた。
益山寺も発端丈山も初めて聞く名前だったが、12月に紅葉が見えて富士山を眺められるなら丁度良いと思いネットで検索してみた。
益山寺は伊豆の国市(旧修善寺町)にある古刹で、樹齢1300年余の「日本三大楓」の一つと大公孫樹があると紹介してあった。
更に発端丈山は寺から30分程度で登れる海抜410mの低山だということも分った。

 早速「山と高原地図」の伊豆版を購入して調べてみると、付近には伊豆長岡温泉からのロープウエイがある葛城山もあり、
そこから発端丈山への道が続いている。更に発端丈山の先は水族館のある三津シーパラダイスに下る登山道がある。
なら伊豆箱根電車で葛城山の麓の田京駅に行き、そこから葛城山に登り富士山を眺める。
(確か葛城山も富士山の眺めが良い山で有名なはずだ)
次に葛城山から益山寺に抜け「日本三大楓」の紅葉を楽しんで、次は寺の裏山の八端丈山から富士山を眺める事にしよう。
そして駿河湾の三津に下り、バスで沼津に帰る。これで一コース出来上がりだ。

 だが実際にコース時間を設定してみると、何とも短すぎた。地図の標準時間では田京駅から三津まで5時間丁度だったので、
これでは朝8時に歩き出したら13時過ぎにはゴールしてしまう。他に寄る所はないかと地図を眺めれば、葛城山の東南の所に
城山(じょうやま)という山があった。
城山とは確か大仁温泉の狩野川の横にある岩山のはずだ。
あの山なら葛城山より余程も登り甲斐がある山だし、運が良ければ岩登りをしている姿もみる事が出来るだろう。
歩行時間は田京駅からより1時間30分ほど多くなり6時間30分。これなら到着時間も3時ごろにはなるだろうと

大仁駅―城山―葛城山―益山寺―発端丈山―三津のコースで歩く事にした。

予定時間(山と高原地図)歩行時間6時間35分
大仁駅-30-登山道入口-40-城山分岐-15-城山-15-城山分岐-35-葛城分岐-1:05-葛城山-55-葛城分岐-30-

益山峠-10-益山寺-10-益山峠-20-発端丈山-1:10-三津

そして実際に歩いてかかった時間は
実行時間 歩行時間4時間25分 休憩時間1時間10分 合計5時間35分
大仁駅-30-登山道入口-34-城山分岐-13-城山-10-城山分岐-28-葛城分岐- 35-葛城山-26-葛城分岐-18-

益山峠- 5-益山寺- 6-益山峠-17-発端丈山- 44 -三津長浜

 歩行時間で大きな違いは葛城山の分岐から葛城山への上り下りだが、ここにはルートが複数あり、私は地図とは違うコースを歩いたようだ。
あとは地図の歩行時間が私の歩行+休憩時間とみれば大よそ合っていると思います。

  

 伊豆箱根鉄道駿豆線大仁駅に8時17分到着。
今朝は今冬一番の冷え込みで一昨日降った雨の水溜りに氷が張っていた。
温暖気候で有名な伊豆半島だが、ここ大仁は東西を山に囲まれ海から隔たっているせいで、寒さは私の住む静岡県中部地方より厳しいようだ。
 駅前は温泉地らしく湯気がたった足湯もある。勿論まだ観光客は一人も居ない。いやそれどころか電車を降りたのも私一人で駅前広場には人影は無かった。
さて城山にはどう行くのだろう。PCが壊れてしまったのでネットで昨夜は地図を確認する事が出来なく、おまけに山と高原地図では街の中では何の役にもたたない。
確か以前調べた記憶では、国道136の橋を渡り城山の方向に向かうとあったはずだが、その国道の橋の方向が分らない。
あった、あった。観光案内の表示板が駅の横に立っていたので、その地図で国道を確認して駅前を8時22分に出発。



 国道に出ると岩山が見えてきた。更に橋の袂からは城山の全容が見えた。
狩野川の対岸にそそり立つ岩山を見て気分が段々高揚してくる。
自分があの岩場を登攀するのではないが、あの山頂に立つのかと思うだけで嬉しくなってきた。
今朝電車の車窓から見えた葛城山は、余りにも低く貧弱で、お結びのような山で登頂意欲を無くしてしまい、
こんな山に電車賃を使って来ることは無かったとガッカリしていた。だがこの城山の雄姿を見て再び闘志が湧いてきた。
それにしても今回のコースに城山を追加してよかった。

 国道の橋を渡り城山の方を見ると、狩野川の土手沿いに道があるように見える。しかしよく見ると道は途中で終っていて城山の下の道には続いていそうもない。
朝から道を間違えるのも嫌なので、前方に見えた信号を右折して車道を行く。
それが正解だった。土手の道は途中で終っていて、もしあの道を歩いていたら苦労する事だった。

             

 車道は城山の麓を進んでいく。途中に磨崖仏と言うには大袈裟だが、自然石に地蔵を彫った「子育て地蔵」もある。
弘法大師が修善寺温泉の独鈷の湯を見つけたおり、ここを通った弘法大師が、子供のいない夫婦の悲願を聞いて
地蔵を供養させたところ子宝に恵まれたと紹介してあった。

 さらに車道を行くと城山の登山口があり、ハイキングコースの案内や城山を紹介した案内板が建っていた。
それを読んで城山はシロヤマではなくジョウヤマと読むことを初めて知った。また標高は341mで岩壁は280mもあると紹介してあった。
更にコースの所要時間として登山口から城山分岐まで30分。葛城分岐から葛城山まで30分と紹介してある。
山と高原では城山分岐までは40分、葛城山は65分となっていたが、果たしてどちらが正しいだろう。

 山道に入ると道は荒れていた。石畳だったのだろうか、それとも石段があったのだろうか、その石が崩れたようにゴロゴロしていた。
ここは雨が降ると沢になるのだろう。一昨日降った雨の残りで石の無い所はヌルヌルしていて滑りやすかった。
そんな道々もロッククライミングルートの標識の辺りに来ると乾いた山道になり快調に高度を上げていく。

  

 「岩登りの心得」と書かれた表示もあり、そこには
「この岩壁はホールド・スタンスがとぼしく、主たるルートは人工登攀と部分的にフリー登攀からなりたっています」と書いてある。
人口登攀とはボルトなどを埋め込みながら登り、フリー登攀とはそのような物を使わず登る方法だろう。
一度見てみたいが、まだ岩壁には人影は見えていない。帰りに見れると良いのだが。

 城山への分岐点まで35分掛かった。登山口の案内板では30分となっていたので少々遅れ気味のようだ。
だが途中で中高年の団体を追い抜いて来たのだから、それほど遅いとも思えないが。
登山口ではジャンパーやダウンのベストを脱いでいたが、上りが続いて暑くなってきた。更にトレーナーを脱いで上は薄手の長袖シャツにオープンシャツ。そしてベストを着ている。
下は今冬初めての薄手の股引を穿いて来たので、余り暑くなると着替えが出来ないので困った事になりそうだ

 ここの分岐から城山の山頂へ往復して、ここに戻り葛城山の方向に進む事になる。
道は尾根道状になって左右が明るくなってきた。時折大きな岩が鎮座していて、この山が岩山だった事を思い出させる。
4人の若者グループが私を追い抜いていく。しっかり膨らんだザックを背にテンポ良く登っていった。
尾根に出ると彼らは右曲って行ったが、そこには「←山頂方面 ロッククライミングルート→」の標識が。残念ながら私は左の山頂に向かうしかない。

            

本心は少し岩場を覗いてみたい気もあるが、邪魔になっても悪いし、恐い場所に出ても困ると、我慢して左の山頂方向に向かう。
標識からすぐ三角点のある山頂に出た。ではさっきのロッククライミングルートとは岩場の上に出るコースなのか?
するとあの4人組は県懸垂下降の練習に来たのだろうか??

  

 山頂で先ず目に入ったのは自然石の中に嵌め込んだ三角点の標識だった。
そこには「四等三角点 基本 建設省国土地理院 No102406」とある。
さらに「この測量標を移転き損すると測量法により罰せられます」とも刻まれている。こんな立派な三角点の標識は初めて見た。
富士山の剣ヶ峰の二等三角点でも何所にでもある普通のコンクリートの三角点だった。
なのにここは四等なのに金属製の標識が埋め込まれていた。何か理由があるのだろうか。

  

 さてここからの景色はどうだろう。まず富士山はと進行方向を見たが見えない。アレ?富士山を隠すような雲は出ていないのに何故だ?
大仁駅からこの城山には富士山のある北の方向に歩いてきた。城山の東面は岩壁で登山道はその岩の後にあったはずだ。
ならば富士山は進行方向にあるはずなのだが、その方向の景色は下に狩野川が蛇行して山の中に吸い込まれているのが見える。
家並みは川の流域にしか見えない。ウーン?こちらは三島方面なのだから、もっと家も有り平野もあるはずなのだが。
目を狩野川沿いに左に移動していくと家並みが徐々に大きくなり、終いには町のように広がっている。

  

更に目を左に向けると。ありました。ありました。富士山がありました。山頂から見て一番左の今歩いてきた方向に富士山があった。
そうださっき城山の分岐点で道が鋭角に曲っていた。あそこで方向感覚が狂ったのだろう。

 枯れ枝の先のすぐ横の山が次に行く葛城山で、その先の釣り尾根上の右の山が沼津アルプスの大平山。
左が同じく鷲頭山。釣り尾根の先に一段高く見える山は愛鷹連峰だろう。
富士山眺望の低山歩きと銘打つなら沼津アルプスも愛鷹山にも登らなければならないだろうな。
特にまだ歩いた事のない沼津アルプスは今年中に何とかしたいものだ。

 城山分岐までの下りで登山者に結構出会った。先に追越した中高年の集団。それに明らかに岩登りと分る集団にも何組か出会った。
それにしても何故岩登りの人が山頂に歩いて向うのだろう、分らないままだった。
分岐から先は山腹を横断するように平らな道が続き農道に出ると、そこには神奈川、東京ナンバーの車がずらり並んでいる。
台数は10台や20台ではきかない位だった。
この車は城山に岩登りに来た人達の物と思うが、こんなに多くの人が入っているとは思えなかった。
ハーケンを打つ音や、仲間同士の連絡の声も聞こえなかったし、一体どうしてなのだろうか?

  

 農道を少し左に行った所にハイキングコースの道標が建っていたが、矢印が付いていないのでコースが農道を指しているのか、それともそこから始まる山道を指しているのか分りづらい。
一先ず階段状の山道を登る事に。折角道標を建ててくれるなら悩まないような位置とか表示をしてくれると助かるのだが。
道は山道が正解だったが、次の道標でも悩んでしまった。
登ってきた山道が四辻に合流して、左右は山腹を横断している平坦な道で、正面は山を直登している。

  

 立札には左右の矢印があり「外山← →内山」と書いてある。外山も内山も地図にも無いし初めて聞く地名だ。
気分は正面の登りを選択したいので、少し登ってみると、道は倒木や草が生茂り余り利用されているようではなかった。
山と高原地図を見ても明確な事は分からないが、何やら葛城山の山頂を南(左)側に回りこんでいるようだったので、標識の外山方向に進む事にした。
結果はそれで正解だったのだが、その後、外山も内山の地名は出てこなかった。一体あの標識は何だったのだろう。

 次にあった標識は同じ団体が建てた物で「葛城山背面登山口 姥目樫の自然美林あり」となっている。
私の予定している葛城山へのコースは、葛城山分岐から往復するコースだったので同じ道を歩くなら、この背面登山口のが面白いかもしれないと誘惑に駆られた。
だがその案内板の余白にマジックで「上はトラバス」とか「急登」と書いてある。
急登はともかくトラバスとは何を言いたいのか、山腹を横断するなら楽と思うが、何故わざわざ付けて足して書いてあるのだろう。
随分迷ったが入口の状態も荒れて湿った状態だったので結局諦めて歩を進めた。そこから50mも行くと葛城山と発端丈山の分岐があった。

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2 コメント

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背面登山口はヤバイ! (kan_mikami)
2012-02-12 17:56:13
葛城山への直登コース、登らなくて正解です。小生も誘惑に負けて登ったことがありますが、傾斜メチャクチャ急で、おまけに滑りやすときている。経験者、ベテラン向き、または同行が必須です。
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Unknown (はぐれ)
2012-02-13 08:52:27
 そうですか、背面登山口はヤバい!ですか。登らないで良かった。
何しろ私ときたら経験者でもベテランでもなく、いつも一人歩きなのに好奇心ばかり強くて、知らない道を歩きたがる悪い癖があるので気を付けなければと思っています。
ところでkan_mikamiさんは背面登山口の手前にある標識の外山、内山の意味が分かりますか?
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