DREAM/ING 111

私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

光市母子殺害差し戻し審・8★6/26~27・殺意否認

2007-06-27 | 事件を追う(短期別枠カテ)
被告「恥ずかしがって反応」母子殺害、公判詳報
6月26日21時19分配信 産経新聞

光市母子殺害 元少年「危害加えるつもりはなかった」(朝日新聞) - goo ニュース

いつまでこんな話を、妻と娘の殺され方、暴行の再現を
傍聴席の遺族は聞き続けなくてはならないのでしょうか?

そして新たな供述が・・・。

「ドラえもんが何とかしてくれる」元少年、改めて殺意否認
被告は弁護側の尋問に「お母さんに助けを求める心境で弥生さんの遺体に近づき、性的暴行を加えた」と供述。理由については伝奇小説に、同様にして死んだ女性を復活させる儀式の場面があったから、とした。
また、長女の夕夏ちゃん=同11カ月=を死亡させた状況については「はっきりしない」としたが、遺体を押し入れの天袋に入れたことは「ドラえもんの存在を信じていた。押し入れに入れれば、ドラえもんが何とかしてくれると思った」と説明した。弁護側の最後の質問では「弥生さんも夕夏ちゃんも殺害しようと思ったことはない」と改めて殺意を否認。検察側の主張は「事実無根」と主張した。
続いて行われた検察側の尋問では、最高裁に提出した上申書や差し戻し審に向けた鑑定人との面会で、犯行状況について被告人質問とは異なる説明をしたことを追及されたが、「自分の記憶を精査してきた。今回、法廷で話したことが真実に最も近い」と述べた。
被告は差し戻し前の1、2審では起訴事実を全面的に認めていた。


8年間で記憶は曖昧になる。重なる尋問で感覚は麻痺する。
それは非常にマインドコントロールしやすい状況。
そして弁護人はあの天才シナリオライター(皮肉です)安田氏。
今回はどんなシナリオを書いたのか・・・

私の(そして多分一般人全員の)判断材料の1つ:
=================================
被告人の手紙

この被告人は、一審の無期懲役判決後に知人へ手紙を出している。知人は、この手紙を検察へ提出した。弁護団は当初から「反省している」と主張して死刑回避・減刑を求めていた中で、この手紙を反省の反証と掲げる理解も多い。以下は、判明している手紙の内容である。

「知ある者、表に出すぎる者は嫌われる。本村さんは出すぎてしまった。私よりかしこい。だが、もう勝った。終始笑うは悪なのが今の世だ。ヤクザはツラで逃げ、馬鹿(ジャンキー)は精神病で逃げ、私は環境のせいにして逃げるのだよ、アケチ君」
「私を裁けるものはこの世におらず」
「無期はほぼキマリ、7年そこそこに地上に芽を出す」
「犬がある日かわいい犬と出会った。・・・そのまま「やっちゃった」・・・これは罪でしょうか」
(被害者に対して)『ま、しゃーないですね今更。ありゃー調子付いてると僕もね、思うとりました。』

広島拘置所で接見している広島市中区の住職・谷川さんがこの手紙のことを尋ねると、「善悪の判断がつかずに書いてしまった」「嫌われたくなくて、手紙を出した相手の調子に合わせて書いた」などと説明。同じ手紙のやりとりでは「私は一生、殺人を背に負っていきていかねばならぬ身」などとも記していたのだという。
=================================


上記をみる限り、「善悪の判断がつかずに」思ったことをそのまま書いてしまったのだと判断できてしまう。
「嫌われたくなくて、手紙を出した相手の調子に合わせて書いた」というのなら、相手の手紙が必要になってくる。
そして、いずれにしても、そこに、「たいへんなことをしてしまった」という今回の言葉に通じる、被害者への謝罪の気持ちはかけらもない。
そしてこの手紙を読むかぎり、犯人はある程度の知能と知識を持ちあわせている。

8年間で記憶が曖昧になるとしたら、記憶が鮮明なはずのこの手紙は充分に有効だ。
そしてこの手紙が語るのは、犯人が今回述べているのは、全部ウソだということでしかない。

過去の殺意は量れない。記憶は混濁する。
そして過去の記憶含めた殺意は「精算」できる。

『今回の犯人の申し出が通るのならほとんどの殺人は、傷害致死事件にできる』というのが一般的な感想であり懸念だと思う。
多くのネット住民が(そして多分多くの一般人が)弁護士の暴走(にみえる)を食止めたいと切実に願うのは、そういう悪しき前例を作らないための、自分の未来を守るための戦いだと感じているからだと思う。
そしてこれは、web2.0的つながりとフラット化によって、今まで専門情報的に守られてきた弁護士の(そしてもちろん検察の、裁判所の)社会的責任を追求する裁判でもあるのだと思います。
懲戒求める「ネット社会」 光市母子殺害事件で弁護士に批判殺到

死刑はたしかに悲惨にして残忍な行為(主に執行者にとって)だと思う。
だが、死刑になるのが嫌ならはじめから死刑になるような行為をしなければいいのだ。

弁護人の著作には、本来、判例違反と憲法違反しか審理しない最高裁の場面で、新しい事実を見つけるために「被告の自白が曖昧だから」という理由で
自ら集めた情報で仮説をたて、それを被告に確認し、書面化させるくだりがある。
他の弁護士に「ねつ造だ」と指摘されている(P.210)。
違法ではないにしても、自白誘導(だと思うのですが)までしていいものなのか?

この裁判は(も?)安田氏の弁護テクの「作品」だという印象を強くうける。
あちらこちらに手が入って、キレイに整えられていく。
しかし、安田氏ののぞむ反省も改心も、犯人にはないだろう。
それは多分弁護団の拠り所だろうが、犯人は弁護団を見てはいないように感じる。
だから被害者家族への真摯な反省も見せないのでは?

被害者家族が戦ってきたこと。
反省を求め続けて、それを得られなかったからこその8年の戦い。
それを否定し、傷つける行為は、
すでに被害者を弁護する立場を逸脱している。

被害者家族に信念があったから、被害者家族の「真実」も
今回は、第三者でも聞くことができた。
でもほとんどの裁判は、被害者家族は蚊帳の外で
加害者の権利を守る戦いに収斂していく。

もちろんえん罪対策として弁護は重要だ。

ただ、過去の裁判を全部無にするような、今回の犯人への弁護は
8年間で熟成させた「ねつ造」と思われてもしかたがないと感じる。

殺意があったかどうか・・・それは最終的に裁判官に委ねられる。
ある意味、神のみぞしる世界。
それならば、被告を『殺意なき死刑』に処してください。
被告の汚れた魂を清め生まれ変わらせるための儀式として。
(以前、マンガで読みました。)

【光市・母子惨殺】 元少年、殺意を否認 「甘えたくて抱きついた」「抵抗されたからパニック状態に。危害与えるつもりなし」 (痛いニュース)

関連
===========================
光市母子殺害差し戻し審★元少年の供述に注目
光市母子殺害差し戻し審★基本的人権 加害者vs.被害者

死刑について考える★犯罪と裁き
安田好弘★「生きる」という権利 麻原彰晃の主任弁護人の手記

光市母子殺害差し戻し審★死と更生
光市母子殺害差し戻し審・2★更生って何?
光市母子殺害差し戻し審・3★殺意って何?
光市母子殺害差し戻し審・4★21人の弁護戦術&安田好弘弁護士
光市母子殺害差し戻し審・5★怪弁護団(?)21人の素性と主張
===========================
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ライアーゲーム★この番組、お... | トップ | 光市母子殺害差し戻し審・9★... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私が神なら (きょくたん)
2007-06-27 20:46:22
無罪にしておく。
そして野に放たれた『元少年』が、
弁護団の家族を次々と強姦殺人していく。
なんてシナリオを書いてしまいそうだ。
返信する
きょくたん様 (なる@ちゃっと)
2007-06-27 21:02:09
アップ直後のコメント感謝です。
てか、なかなかダークですねー。
(性犯罪は再犯率高い、その理由も今回見えてきました。未成年含め刑罰甘すぎ!)

ネット世論によって、
裁判員制度の前哨戦的様相も呈してきました。
ここでへたな前例を作れば、弁護士は本当に
社会的信用も地位も損なう局面。

犯人が本当に改心してるのなら、自ら死刑になるよう
シナリオを書いて欲しいです。
返信する
何を守りたいんでしょうね (相馬ひさよし)
2007-06-28 01:57:51
テレビでこのニュースを観る度に「守られるべきは一体誰なのか」「何を守るための裁判なんだろうか」ってことを考えずにはいられなくなりますね。やりたいから無理矢理やってしまう(供述や裁判での発言とは違うけれど、でもこういうことですよね)ような犯人の男に、「人として」とか「普通は」なんて言葉を改めて言いたいとは思いませんけど、その犯人を守っている弁護士集団には聞きたいですよね。
「あなたたちが守ろうとしているのはナンデスカ?」って。報道される度に倫理観なんてものが、言い方が悪いけれど、クソみたいに思えてきて悲しくなりますね。
返信する
相馬ひさよし様 (なるもにあ)
2007-06-28 08:40:01
※お返事遅くなりました。

コメント感謝です!

>テレビでこのニュースを観る度に「守られるべきは一体誰なのか」「何を守るための裁判なんだろうか」ってことを考えずにはいられなくなりますね。

日本の裁判は報復裁判ではなく、あくまで犯罪者の社会的な更生の余地を探る裁判なのですね。シロウト考えですが、事実を追求することで、世間がその犯罪を許すかどうかの規準を見極め、社会システムを正常化するのが裁判制度という印象をうけます。
だから被害者の心情よりも、加害者の心情が優先されてしまう。

えん罪もまだまだ多いので、弁護活動はとても重要だと思うのですが、
社会システムを守るための裁判なら、もっと弁護団は、社会が納得する弁護を展開すべきだし、時に検察が犯人の減刑を求める場合もあるように、弁護団が世間の代行者として、死刑を受けいれる場合も当然あるのではないかと思います。

今回の弁護士は、自分の活動(というか信念)のために、私たちを不安に(そして不愉快に)させています。こんな犯人が許されるなら、犯罪を誘発させる事例となってしまう、と、思っちゃいますよね。

>報道される度に倫理観なんてものが、言い方が悪いけれど、クソみたいに思えてきて悲しくなりますね。

強く同感です!それが最大の問題だと感じます。

このケースを「親の愛情不足が生んだ」特別なケースにしてほしくない。
他の方へのコメントにも書きましたが、親の愛情不足なんてことを犯罪要因にしてしまえば、予備軍だらけになってしまう。
例えば親を早くに亡くした人全部がこんな犯罪を起すわけではない。
犯罪予備軍の言い訳を作らないでほしいと願います。
返信する

事件を追う(短期別枠カテ)」カテゴリの最新記事