DREAM/ING 111

私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

死刑について考える★犯罪と裁き

2007-06-12 | 事件を追う(短期別枠カテ)
安田好弘★「生きる」という権利 麻原彰晃の主任弁護人の手記
からの派生ログです。

認知&認識主体が自分でしかない人間は、ある意味
「社会」を自分が見たいように構成できる、と思っています。

で。ブログはそのすごくわかりやすい実例だな、と。
好きな記事だけで構成することができ、
時間がたてば、その記事だけがネット上の事実=「記憶」となって化石化する。
どんなにリアルで悲しくても
ブログで笑っていると、時間がたって笑っている過去だけを
残すことができる。
(まぁ実際はそんなに単純なものではありませんが・・)

少なくても、ブログのみが接点の他者には
そういうイメージを残すことはできるかもしれない。
ある種の自己演出。(ネカマのような虚偽含め)

新聞でもニュースでも、自分が知る「事実」「現実」の範囲には限界がある。
逆説的にいえば、だからこそ、自分なりの世界を作ることができる。
(でないとどんどん拡散してしまうだろうから。
コラージュした記憶や認識・思考に
「真実」をかぶせると、ブログの記事の積み重ねのように
「生活」が輪郭を表す。

ただし、犯罪を犯した途端、自分が現実を編集する、
その権利も自由も失ってしまう。
現実は時間を止め、ある種の防腐処置を施され
過去からはずされて、二重写しのようにそこにあり続け
事実は警察、検察、弁護士の手に委ねられ、
真実は作り替えられて、再度、脳に埋め込められる。

『「生きる」という権利』を読んでいて、一番、コワイと思ったのは、
そして「地獄だ」と思ったのは、上記の部分。

私はシロウト判断で、死刑に該当すると判断される殺人犯を
いろいろな理由(たとえば未成年)で死刑にできないのなら、今は禁止されている
ロボトミー手術賛成派だったのですが、この本を読んで、少しその考え方が変わりました。
凶悪犯罪で裁かれる者=毎日、生活に他者の手(思考・意識・存在)が関わる者に、
自分の現実を実感する自由は、ものすごく少ないのだと。
それはある種のロボトミー手術を受けるようなものだと思いました。
(安田弁護士の論を信じるとして)

安田弁護士は「裁判が被告にとって拷問であってはならない」としてはいるが
一般的な感覚なら、せめぎあう対立構造の真ん中に置かれる行為自体が
一種のさらし者であり、拷問に極めて近い。

で、私はそれでいいのだと思います。

そういう思考への他者の強制関与に対し、拒絶するか、受け入れるかで、
苦痛に差はあるとも思いますが・・・
(自分の代わりに誰かが考えてくれることを良しとすれば、
間違った自白も、間違った記憶も、
頭の中の消しゴムで簡単に消せてしまえるのかも。)

裁判の過程をどんどん開示して、
どれだけの時間が、自分を解体する作業に費やされるかを知ったら
犯罪はもっと減るのかもしれない。
少なくても私には、死刑よりも、そうした過酷な取り調べや
弁護士を含めて徹底して繰り返される事実確認のほうが、
そうして失われていくアイデンティティの方がつらいように感じる。
(仮想レベルですが)

同様に死刑と無期懲役はどちらがつらいのだろう・・・
それも個人差がありそうです。

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます!!!
今、私が死刑に関して考えてる疑問を質問にしてみました。
答えていただく必要はないので
よかったら一緒に考えて見てください。

●あなたのとても大切な人が殺されてしまいました。
 あなたが犯人に望むのは?

1.犯人が逮捕前に自殺する。
2.犯人が逮捕されて、死刑になる。
3.犯人が逮捕されて、無期懲役になる。
4.犯人が、刑務所内で自殺する。
5.その他

●あなたの友達の大切な人が殺されてしまいました。
 弁護が通って、犯人は無罪になるようです。
 あなたの友達は「釈放されたら犯人を殺す」と言っています。
 あなたはどうしますか?

1.友達を応援し、犯人を殺す手伝いをする。
2.友達を応援するが、手伝いはしない。
3.友達を殺人者にしたくないので、止める。
4.友達の代わりに自分が犯人を殺す。
5.その他

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6 コメント

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参考まで (kei)
2007-06-13 17:44:36
なる様「死刑執行人の記録」坂本敏夫著作を読んだことがありますか?

私は、この本を読んで死刑というものが被告にとってどのように受け止められて、執行の日を待つのか。
そして、執行するまでの死刑囚との関わり方と人間模様。
いずれ訪れる死刑執行の日。
その運命の日を迎えた刑務官の苦悩と死刑囚の覚悟。

著者は、元刑務官で死刑に対して正面から中立的な視点、目線で書かれているように感じました。

弁護士の著書や裁判官や検察官の著書も数多く読みましたが、私は「死刑執行人の記録」が一番死刑制度を素直に受け入れられました。<個人的な意見ですが。


※上記2問ですが、本音と建前があります。
立場上は法の裁きを優先したい。
しかし、本音の部分では「必殺仕事人」に私はなるでしょうね。<きっと

返信する
kei様 (なるもにあ)
2007-06-13 18:45:27
ご紹介ありがとうございます!
今、アマゾンで購入しました。
届いたら早速読んでみますね。多謝です!

結局、裁判も犯罪も、つきつめれば「その人」(検察官、弁護士、犯人、裁判官)によるのでは?というものすごい身もふたもない結論になりそうで、いくら判例化しても、それを規準に覆し続ける限り、本気で取り組めばそこに絶対なんてものはないなぁ、と思ったり。
そうした中で公平に量刑していく作業は、困難を極めることでしょうね。

>本音の部分では「必殺仕事人」に私はなるでしょうね。
私もきっと同じです。;
返信する
なるもにあ様 (kei)
2007-06-20 01:51:47
死刑執行人の記録を読まれたようですね。
実は、私もある場面で涙しました。

受刑者の覚悟と刑務官の職責を第三者ではなくストレートに書かれた本だと私は読み終えて感じました。
「死刑囚は、悪あがきして死の恐怖を味わうことが本来の刑罰の趣旨」であって、決して素直に刑の執行を望んでは被害者に申し訳ないと思う受刑者の葛藤が上手く描かれていた気がします。

私も8月に単行本を出版しますが、年末に出版する本は、別の視線からも描きたいと関係者と打ち合わせしています。
死刑は、法治国家における合法的殺人だと主張する弁護士もいるのは事実です。
刑事訴訟法も憲法も日本の法律は被疑者(被告)の権利のみを明記していますが、被害者の権利や被害者感情を明記した条文は残念ながらありません。

私は、そこが納得行かないんです。
これを語ると長くなるので折りあらば記事にしてみます。
なる様が涙を流した部分は、多分同じ辺りと察しがつきます。
弁護士の意見や検事の意見よりも死刑囚の気持ちをこの本で多少でも理解することは、今後の視点も変わるのではないでしょうか?

また良い本があれば紹介します。
但し、個人的に営業はしませんので私の本は無視してください。
返信する
kei様 (なるもにあ)
2007-06-20 23:50:00
いろいろと思うことはありますが、刑務官の仕事に感銘を受けました。
あとは、警察も同じだと思うのですが、組織内のさまざまな矛盾や葛藤。
どんな職業でもあるのかもしれないけれど、舞台裏の悲惨さを見る度、
結局は個々人の性格やスキルしだいなのかなぁ、と、なんともいえない
気持ちになります。

死刑囚の気持ち、これもいろいろあるんだろうな、と思いながら。
この本のように、改心するのなら、犯罪を犯して欲しくなかった・・・

犯罪の抑止をもっともっと徹底していくべきだと痛感します。
ある意味、死刑よりもつらい刑罰の数々・・・
絶対服従を強いられる(個人的には当然とも思いますが)刑務所の中の
待遇・・・
こういう本や内容を、中高生に伝える機会があってもいいんじゃないかと
思います。
安田弁護士の本も、裁判の過酷さ・理不尽さがわかって、
犯罪がいかに割に合わないかを知れば、留まるものもあるのでは・・・

>私は、そこが納得行かないんです。
同感です。
被害者の会の運動もようやく少しづつ受け入れられつつあるようですが
弁護士会の強力な反論もあるようで、まったく主旨が対立する以上は、
平行線だと思います。で、オブザーバーとして、
世間の平均的な意向というのも反映させるべきでは、と思います。

死刑制度で一番、発見があったのは、医者を含め
改心させ、教育的指導によって成長を見守ったたあげく
自ら命を絶つ行為を担当せざるをえない執行人の悲痛さでした。
あまりにも負荷が大きく、報われないと思います。
死刑制度は今もって必要だと思うのですが、
結局は無関係な人間による二次的な殺人になってしまう今の制度を
なんとかブレイクスルーできないのか、と考えてしまいます。
(執行行為を被害者が行う、というのは非常に難しいのでしょうが、
それが心情的には一番しっくりきそうです・・・)


勉強になる適確な書籍紹介、感謝いたします。
またどうぞよろしくお願いいたします。

そして、kei様の新著も非常に楽しみに期待しております。
発行されたらぜひお知らせくださいね!
返信する
勉強家ですね。 (kei)
2007-06-21 00:49:17
見習わなければ
なる様の探究心と好奇心?<失礼
脱帽です。
私は、現在趣味のブログで本音の部分で素朴な疑問を噛み砕いて説明したり、回答しているつもりです。

近日、現在のブログが裏の趣味としたら今度は表の公開ブログのシステムを製作中です。

既にネット上では私のことを公開しているジャーナリストもいますし、今後私も公開(表)でコメントすることになるようです。

それでも個人的に「kei」として本音の質疑応答は続けたいと考えています。

それは、利害関係がない純粋なブロガーの素朴な疑問に答えることで私もスキルUPできるような気がするので続けたいですね。

ただ私のこれまでの経験が皆様の役に立てばと純粋に考えて本音をコメントしているつもりです。

本当は、盗作疑惑の現在上映中の映画が、来月DVDとして販売されることに興味があり、主人公がどの様に私の書いた本を忠実に演じているのか興味津々なんです。

私は、淡々と日々の仕事をこなしながらスリルとロマンとサスペンスを楽しんでいたいんです。

なる様の切り口は、個人的に鋭いと共感する部分が多いので私をそのツールの一つとして活用してくだされば良いのではないでしょうか?

でも表のHP&ブログは公開するものなのでリンクはできないことをご了承くださいませ。

もし、興味あるのでしたら直アドにご連絡下さい。
ご協力させていただきます。
返信する
kei様 (なるもにあ)
2007-06-21 02:14:20
いよいよ、公的サイト、本格稼働ですね。
そちらでのご活躍もお祈りしています。

で、もちろん公式サイトへのリンクはありえないので、
それはいわずもがな、ですし、お気遣いご無用ですよー!
他の方もそれは常識として了解されてると思います。

私も、学生時代のリアル仲間との交流にmixiを活用していますが
このブログには一切リンクしていません。
&リアルとは区別しておきたいので、このブログをmixiで公開も
していません。
お仕事であればなおさらだと思います。

ただ、本当に、記事やコメントで、バラバラに書かれていても、
オープンブログである限り、情報は露出しがちですから
(2ちゃんのように、その手の情報収集のプロもいますから)
プライベートを守るために、
ある種のセキュリティ対策強化は今後必要かもしれませんね。

>ただ私のこれまでの経験が皆様の役に立てばと純粋に考えて本音をコメントしているつもりです。
そういうkei様の姿勢が響いて、
kei様を頼られるブロガーも増えてこられたのではないか、と感じます。
信頼されるブロガー&ブログって、ネットワールドでは貴重だと思います。

これからも公私ともども頑張ってくださいね!!!
応援していますです!

※盗作問題も進展ありましたか?1日も早く無事解決しますように!
返信する

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