おべんと、おべんと、うれしいな？

　今日は夜互助会の総会があった。仕事も月末なので残業はするつもりだったので、仕事しながら会の時間を待つ。
　朝出掛けにキヨちゃんに、
　「今日私は会があって、お弁当出るけん、夕飯いらん。くりりんどうしようか？母さん面倒だったら、お弁当でも買ってもらうけど。」
そう言うと、
　「母ちゃん一人だったら何でもええけん、くりちゃんも弁当買うてもろて。ほしたら気が楽じゃ。」
とキヨちゃんは言った。
　くりりんに伝えると、
　「カップ焼きそば食べる。」
と言う。
　「ほんなん食べんと、ちゃんとしたもの食べてよ。」
と伝えて出掛けた。
　さて、会に弁当が出るからと言って、その場で食べる人はいない。大抵持って帰るのだ。仕事の状態から、会の後も少し残業したいところだったが、美味しそうなお弁当を前にするとその気が失せた。そりゃあ、家に帰ってくつろいで食べたい。
　で、家に帰るとくりりんが、
　「焼きそばしようと思ってたら、お母さんが『酢豚作ったよ。』と呼びに来てくれたから、ちゃんと食べられたよ。」
と言う。なんだかんだくりりんのご飯もしてくれたんだ。
　しかし、お弁当は一緒につつきたかったので、一緒に食卓についた。キヨちゃんは既にお風呂も済ませて歯も磨いていたが、
　「お弁当一緒につつく？」
と言うと覗きに来た。
　そもそもキヨちゃんはこういう「お土産」が大好きだ。子供の頃、キヨちゃんが何でも外で食べた物など残して帰ってくれると嬉しかったのを思い出す。
　「ええ～？母ちゃんご飯食べたし・・・。（歯も磨いたし）けど・・・、お刺身食べたいな。ぶつぶつ（どうやらこんなん食べたらもう１杯飲みたくなると言っていたようだ）。」
　で、結局３人でお弁当をつついた。くろべえもマグロの刺身を１切れお相伴。キヨちゃんも刺身や海老フライ、ローストビーフ、酢の物・・・と食べ進め、
　「イチゴはいらん。」
と１個しかないイチゴをスルーした。
　「っていうか、私の弁当じゃけん、イチゴは遠慮してくれるか（笑）？」
　そんな話をしながら和やかに食事は終わった。やっぱりご飯は皆で食べるのが良いね。
　くりりんが、
　「夕飯の時、『すずは弁当あるんじゃな？』って言うから『持って帰って食べるって言ってました』って言うた。『母ちゃんちょっとでええ。』ってご飯もおかずもちょっとしか食べなんだけど、さてはお弁当待ってたな。」
と笑う。
　そうそう、絶対確信犯だから。

　　　　　

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