ブルネイで行われた第19回TPP会議に、ステーキホルダーの一員として参加。あれだけ反対してきたが、日本が正式参加により、一応は関係者と定義されて、会議へのオブサーバーというか観客参加が可能になった。ある意味、皮肉な結果だ。ブルネイ会合は小国で完全隔離の中で行われ、参加交渉官も少なく、オーストラリアにいたってはもうすぐ選挙で、政権交代の可能性があるために意味のある提案をしないという仰天提案。さらに、アメリカも提案しないとはどういうことかと不思議な気分。しかし、要するにそもそもアメリカ議会の交渉権付与いわゆるTPA(貿易促進権限法)を欠いたまま、もうこれ以上の提案は出せないということだろう。
ブルネイ会合では、本来主催国であるブルネイが議長を務めることが自明の理であるが、それをなんとアメリカのフロマンUSTR代表が強硬に主張して、自らが議長席に座って采配するという異常な会議が開かれたが、これもそうしたアメリカの深層欠陥の別な形での表現かもしれない。各国交渉官にしても、会議を長期間モニターしている国際NGOも、重要テーマで意見対立が深刻化し、合意形成が大幅に遅れそうな中で、アメリカは失点続きのオバマ政権の唯一の成果としてTPP合意成立を強引に政治決着で付けようとしていると危惧していた。
しかし、この段階でも残念なのは日本政府の態度だ。たしかにこのTPP交渉は貿易交渉の常道を外れて極端な秘密主義になっているが、各国政府は、他の国のことは一切話さなくても、自分の国の問題は業界団体やNGOにどんどん開示し、またそうした国民的要求を交渉に反映させている。ひとり日本だけが意味のわからぬまま秘密主義を権威として国民への情報提供を拒んでいる。怒りというより、悲しみがこみ上げてくる会議だった。
ブルネイ会合では、本来主催国であるブルネイが議長を務めることが自明の理であるが、それをなんとアメリカのフロマンUSTR代表が強硬に主張して、自らが議長席に座って采配するという異常な会議が開かれたが、これもそうしたアメリカの深層欠陥の別な形での表現かもしれない。各国交渉官にしても、会議を長期間モニターしている国際NGOも、重要テーマで意見対立が深刻化し、合意形成が大幅に遅れそうな中で、アメリカは失点続きのオバマ政権の唯一の成果としてTPP合意成立を強引に政治決着で付けようとしていると危惧していた。
しかし、この段階でも残念なのは日本政府の態度だ。たしかにこのTPP交渉は貿易交渉の常道を外れて極端な秘密主義になっているが、各国政府は、他の国のことは一切話さなくても、自分の国の問題は業界団体やNGOにどんどん開示し、またそうした国民的要求を交渉に反映させている。ひとり日本だけが意味のわからぬまま秘密主義を権威として国民への情報提供を拒んでいる。怒りというより、悲しみがこみ上げてくる会議だった。