サーフィンに医学のメスを!

整形外科医/医学博士イナダクニマサのブログ

第31回日本臨床スポーツ医学会学術集会

2020-11-23 | Surfing Medicine

本来ならば今年10/17~18に宮崎で開催される予定であった「第31回日本臨床スポーツ医学会学術集会」ですが

COVID-19の影響により

11/4からのオンライン開催となって、すでに1週間後の11/30に会期を終えることとなります。

今回は東京2020オリンピックでの五輪史上初となる「サーフィン競技」の実現の成果を総括するとともに、

2015年に結成された「日本SURF臨床医学研究会」の今年のイベントとして

パネルディスカッション1「サーフィンのメディカルサポート」を開催する計画でした。

残念ながらオンライン開催となってしまい

サーフィンを愛する医療従事者同士での熱いディスカッションが無くなってしまったことは

本当に残念です。

しかしながら、

今回サーフィンに関するパネルディスカッションで

私を含めて6つもの興味深い演題が発表されているとともに

一般演題で1つ、ポスター演題で2つのサーフィンに関する発表が行われました。

これまで我々は

2009年から毎年サーフィン医学に関する研究発表を続けてきたわけですが、

我々以外の施設からこれほど多くの学会発表がなされたことは

サーフィン医科学の発展を常に願ってきた我々にとっては、まさに感無量と言った心境です。

これからもこの流れを絶やさずに皆で頑張っていきたいと思います。

パネルディスカッション1「サーフィンのメディカルサポート」

1.サーフィン医科学発展のための10年間の活動報告 演者:稲田邦匡

これまで学会・研究会等における講演・研究発表:38演題

医学雑誌、サーフィン雑誌、Web 等への執筆・投稿:8編(投稿中2編) 

NHK、新聞、雑誌 等メディアからの取材:13回 の実績から報告させていただきました。
   

2.サーフィンのメディカルサポートのあり方 =救急搬送事例の考察から= 演者:守田誠司(東海大学医学救命救急医学)

膨大なデータの分析は非常に興味深い内容でした。

私は脊椎外科医として特にサーフィン中の脊髄損傷に関するデータを拝見させていただきたいと思います。

 

3.サーフィンメディカルサポートの競技特殊性 -テニスのサポートと比較して- 演者:三谷玄弥(東海大学大磯病院 整形外科)

一流のスポーツドクターとしてのこれまでの豊富な経験知識はとてもためになりました。

 

4.東京オリンピック・パラリンピックにおけるメディカルサポートー医師の立場からー 演者:湯澤斎(寺田病院 スポーツ整形外科)

サーフィンのメディカルサポートのパイオニアである湯澤先生のご講演はとてもためになります。

 

5.東京2020メディカルサポートー理学療法士の立場からー 演者:渡邉純(清泉クリニック整形外科 東京五反田)

PTとしてのサーフィン競技への関わり方を良くご発表いただきました。

 

6.地方で開催される国際サーフィン大会メディカルサポートの-点2大会の経験から- 演者:小島岳史(藤元総合病院 整形外科)

ドクターが大会に帯同する際に発生する勤務病院での経済的負担に関する考察はお見事でした。

 
一般演題
3軸加速度計を用いたサーフィン動作についての検討(ライディングのおける後脚の膝外反姿勢について) 演者:一井竜弥(医療法人常陽会かわはら整形外科リハビリテーションクリニック)
こうしたサーフィンの動作分析がどんどん進んで欲しいと思います。
 
ポスター演題
関西サーファーにおける慢性疼痛の障害調査 演者:田中直樹(阪堺病院リハビリテーション部)
関西サーファーにおける急性外傷の障害調査 演者:笠原克彦(阪堺病院リハビリテーション部)
こうした本格的な傷害調査は本当に大変だと思いますが、データが多ければ多いほど海外からの報告に負けないような立派な結論が導き出せると思います。
この活動を心から応援しています。
 
まだこうした演題をご覧になっていない方は
学会HPから正式に参加費を払ってご視聴いただくか
すでに参加登録した会員に方にお願いして視聴させていただくのもありかもしれません。
 
サーフィン医学に興味のある方は
見逃したら本当に後悔すると思います。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする