以下は櫻井よしこさんが週刊新潮に連載しているコラムの今週号からである。
歴史戦、
徴用工で本格的情報発信
著名な韓国の言論人、趙甲濟氏が12月19日、シンクタンク「国家基本問題研究所」で語った。
「70%もの韓国国民がなぜ、親北朝鮮で反韓国の価値観を持つ文在寅大統領を支持し続けるのか。なぜ韓国人は祖国が直面する危機に気付かないのか。その理由は韓国人の考える力が低下しているからだ」
氏は韓国人の考える能力の低下の原因として、漢字を追放してハングルだけを使用するようになったことを挙げた。
分析の正否は今は措く。
ただ、彼らが歴史の実態に目を向ける代わりに、史実とは無関係に創り出した物語に心を奪われてしまうのは確かだ。
事実と懸けはなれた「民族の悲劇」に酔いしれて、反動として強い反日感情に身を委ねる。
情に偏り、理を欠く傾向が強い。
そんな彼らに対して、日本側も事実に基づく議論から逃げてきた。
両国間に横たわる歴史問題の不幸な溝には、その意味で日韓共に責任がある。
少なくとも、安倍政権以前はそうだった。
韓国による反日歴史戦を止める力は歴史の事実の中にある。
事実を示すことで、初めて日本は韓国や中国の歴史捏造に立ち向かえる。
言い換えれば、わが国には事実しかないのだ。
そのことに気付いて、歴史問題に対しては事実を以て向き合おうとしてきたのが安倍晋三首相である。
だが首相がそう考えても、外務省をはじめとする関係省庁の人々の心の闇は深く、基本的な事実の指摘でさえ、韓国を刺激するとして抵抗する人々がいる。
この稿続く。