文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

ノルウェー人がまだ手掴みでモノを食いテーブルクロスで手と口を拭っていたころ、国際線にデビューした日本航空が初めてお絞りをサービスに取り入れた

2019年08月16日 11時13分00秒 | 日記

高山正之が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストであるとの私の評については、彼の読者の全てが同意するはずである。

彼は週刊新潮の掉尾を飾る名物コラムを書き続けている。

私が彼のコラムを読むために毎週週刊新潮を購読している事は既述の通り。

以下は、本日発売された今週号に掲載された彼の見事な論文である。

ドルガバは正しい

ノルウェーの主要エアラインの一つブローテン航空がテレビCMを作った。

夕イトルは「日本人」。 

北欧ではポピュラーなデザート菓子レフセをスチュワーデスが日本人乗客にサーブした。 

バタークリームを挟んだ薄皮パンと思えばいい。 

それを日本人乗客がお絞りと間違えパンを開いて顔を拭いた。

クリームが顔中にべったり。

周囲の乗客に冷笑が広がる。 

同じ客がまたブローテン航空に搭乗する。

スチュワーデスがお絞りを差し出すと「お腹がいっぱい」のゼスチャーで断る。 

まともに英語も話せない、菓子とお絞りの区別もつかない日本人を笑いものにする。

このCMがノルウェーで大受けし、カンヌで開かれた国際広告祭CM部門に出品された。 

電通の田中さんら世界の大手広告代理店代表が審査し、このCMに一同大笑い。

全員一致、つまり田中さんも含めて金賞を与えた。 

民族をステレオタイプ化し誹謗、あるいは笑いものにする裏には陰険な差別や偏見が常にある。 

CMを作ったノルウェー人も心のどこかに白人の優越意識と黄色人蔑視を持つ。

笑いには邪(よこしま)さがあった。 

田中さんはその辺を審査員に忠告すべきだった。

それに日本人がお絞りに疎いという設定も誤りだと指摘すべきだった。 

なぜならお絞りは優れて日本の文化だ。 

ノルウェー人がまだ手掴みでモノを食いテーブルクロスで手と口を拭っていたころ、国際線にデビューした日本航空が初めてお絞りをサービスに取り入れた。 

世界はその清涼感に驚愕し、どのエアラインも競って導入していった。 

辺境を飛ぶブローテン航空がお絞りを知るまでにはずいぶん時間がかかったと思う。

初めてそれに触れたときは衝撃だったに違いない。

だからこんなCMを思いついたのだろう。 

ただ抜き難い人種差別意識がある。

「野蛮な日本人はまだお絞りを知らない」という設定を思いついた。 

ノルウェー人はひたすら無知が過ぎ、同時に日本人への侮蔑が過ぎた。 

しかし田中さんはそれを指摘しなかった。

彼は帰国子女の一人だ。

英語も話せ、自分は日本人を超えた準白人くらいの意識で、だから白人に媚び、彼らの振舞いに倣った。 

この話は朝日新聞に載った。

「こんな日本人、侮辱か現実か」の見出しで、記事は「日本人関係者がおかしいと息巻く」一幕があったとちらり伝えるが残りすべてが逆の見方で占められた。 

某広告代理店代表に「海外で団体行動したり、あたり構わず写真を撮ったりする日本人が多い。外国人の目に映る事実として受け止めるべきだ」と語らせる。 

嘘っぱちでも日本人蔑視が過ぎても「他の国民性をユーモラスに取り上げるCMは海外では珍しくない」とACC、全日本シーエム放送連盟に語らせる。 

他人種をステレオタイプ化して笑いものにするのは「世界の潮流」だと。 

日本人は馬鹿にされても怒るなと朝日は結論する。 

イタリアの超高級ブランド、ドルチエ&ガッバーナが支那人の女が箸でピザを食うCMを流した。 

ブローテン航空と違って何の違和感もない。

しかし支那人は怒った。

ステファノ・ガッバーナに抗議したら「支那人は無知で臭くて汚らしいマフィア」と言い返された。 

これも頷ける。

銀座の真ん中で子供にウ○チをさせる。

川口の支那人団地ではゴミは窓から捨てる。 

支那人3人がレストランに入れば店内はJRのガード下並みになる。 

ドルガバが微笑むだけで静かな支那人を描いたのはむしろ好意的とも取れる。 

朝日もてっきり「支那人は外国人の目に映る事実として素直に受け止めるべきだ」と言うのかと思った。 

でも全然違った。

文化面に特集まで組んで「現実とかけ離れた差別表現」と支那人の肩を持ち、「怒り狂って当然」と全面支持する。 

その温かい眼差しをたまには日本人に向けてみたらどうか。


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