花菖蒲

日常やら何やらかんやら気儘に綴ります。気儘に。

孤独な三毛猫 其の拾陸

2020-01-31 10:40:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
01月26日の朝。
三毛猫はいつも通り気怠い身体を引き摺るに引き摺り出勤した。
日曜だけは毎週毎週、三毛猫は気怠さMAXである。
さて、いつも通り業務を熟しつつ様々な事に思考を巡らせていた三毛猫。
07:50頃からそわそわしだす。
頭の回転も良くなり、正に絶好調!
そして白狐も出勤なので08:00前には現れる!
そう、逢える。顔を見れる。
そんな嬉しさが込み上げてきてるので動きも良くなり、テンションも少しだけハイになる。
クールの仕分を開始した頃…
一時仕分け用のコンテナに入れるのに下を向いていたのだが、斜め上前方に見慣れた姿がチラッと視界に入り込んだ。
そのまま仕分をしていたら…
正に白狐が直ぐ近くを通ったのだが…
どスルー。
は?今、通った…よね?
真逆のどスルー!?\\\٩(๑`^´๑)۶////
白狐が気付いて居なかったのか、或いは敢えて人が近くに居たから声を掛けなかったのか…
不明ではあるが…
挨拶しても不自然じゃないだろうが!
と、三毛猫はイラッとしたのである。
そうして2.3回スルーされた三毛猫は頭に血が昇り何故か分からないが白狐が所属するセンターのドライアイスが三毛猫の所属センターのコールドBOX(クール荷物をトラックで輸送する際に使用する専用のBOX)に入ってくるのでそれを引っ掴み苛々しつつ持って行く。
案の定、白狐は自分が稼働するトラックの荷台に居たので…
普段はやらない不意打ちを三毛猫は仕掛ける。
おはようございま~す。(超重低音かつ小声)
!?お、おはようございます。
ドライっす。(いつも職場で使うトーンかついつもの声量)
ありがとう!
んじゃ、宜しくっす。
正に不意打ち。
そして不貞腐れてます。私。の、図を見事に表現したのである。
白狐は声を掛けた瞬間、ビクッとした。
白狐にしか聴かせない低い声のトーンで挨拶をしたからであろう。
その反応を見逃さなかった三毛猫は内心ざまぁみろ。と、本気で思ったのである。
三毛猫は珍しく寂しくなったのだ。
数ヶ月前までは目を合わせなきゃ挨拶なんてしなかったのに…
今となっては挨拶を交わして一言、二言だけだが会話をするのが当たり前のルーチンワークになったからだ。
それが無かったので無性に寂しくなったのだ。
不思議なものだ。と、三毛猫は感じる。
けれど白狐が好きと云う事実がそうさせるのだろう。
と、三毛猫は推察する。
その後、何事も無かったかの様に三毛猫は白狐へ文(LINE)をしたため、入れる。
流石に不貞腐れてるのを察知したのか…
将又、気まぐれか…
白狐の返信は予想以上に早いのだった。。。
そうしてRoll Over Beethovenの話で盛り上がる事になる。
不貞腐れてた姿は何処へやら…
些細な事で不貞腐れる己に三毛猫は苦笑を洩らしつつも、白狐とのやり取りを楽しむのだった。

孤独な三毛猫 其の拾伍ノ参

2020-01-29 22:15:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
白狐の真逆の暴走(?)
いや、暴発(?)により三毛猫はえらい目に遭ったのだが…
その後の会話は有意義だった。
「音楽」
に、ついて話を拡げて征く。
どんなジャンルを聴くのか。
どの歌手が好きか。
白狐も三毛猫も基本的に己の世代に囚われず更にはジャンルも多岐に渡る。
そんな話しの中で三毛猫の音楽の趣味に対して白狐はこう言い放つ。
渋いね~d( ̄  ̄)
慥かに三毛猫は自覚がある。
己の趣味が渋いであろう事に。
しかし最近の嵌り所が中島みゆき、アンルイス、松任谷由実、テレサテン、ピンクレディー、狩人…
ラッツ&スター、THE ALFEE…この辺りを挙げたに過ぎない。
ジャンルはJPOPだけには留まらず、洋楽もクラッシックも聴く。
洋楽ならThe  Beatles、Carpenters、Queen辺りを聴く。
クラッシックはBeethovenの月光がお気に入り。
勿論、ショパンやモーツァルト、バッハなんかの著名な音楽家の作品も聴く。
さて、この日、三毛猫が白狐の好きな歌手に触れて嵌るに嵌った歌手と楽曲がある。
Chuck BerryのRoll Over Beethoven
先ず曲名からインパクト充分。
ベートーベンをぶっ飛ばせ的な意味なんだよね~
この白狐が言い放つ一言に三毛猫はビビッと感じる何かがあったらしく…
ベートーベンをぶっ飛ばしちゃうの!?
と、興味津々に嬉々として白狐へ問い返す。
そうして三毛猫は楽曲を聴かせて貰うとすっかり曲の虜になる。
翌日には白狐に文(LINE)にてこう報告している。
Roll Over Beethovenダウンロードして聴いてるよ~
エンドレスで歌詞を追いながら聴き入る。
そして白狐とこんなやり取りをした。
ぶっ飛ばしていいんだ…笑
いいんだよ。笑
ぶっ飛ばしちゃって。笑
最早、クラッシックを聴く者の発言とは思えない発言を三毛猫はするのだが。
歌詞の意味合いとしてはクラッシックよりロック。
だからベートーベンはぶっ飛ばしちゃえ。
みたいなニュアンスを三毛猫は感じ取っていた。
故にユーモアを感じるし、何より曲のテンポも小気味いい。
すっかりお気に入りになったのだ。
白狐はこうも文を返してくる。
音楽サイコーでしょ笑
サイコー笑
三毛猫はそう応じたのだった。
こういう感覚が堪らない。
好きな者と互いに好きなものを共有する感覚。
好きな者と好きなものについて心ゆく迄、語る事。
その日(土曜日)、三毛猫には凄く濃かった。
狭い視野が広がり、見識も深め、知らなかった事を知り、気になる者の好みや価値観を知れた。
これ程、掛替えの無い有意義な時間を共に過ごせた。
そんな充実感と満足感に三毛猫は満たされてその日(土曜日)は眠りに就いたのだ。
次の日(日曜)の朝に不貞腐れ事件が起きるとも知らずに…。
演歌を聴く白狐の方が絶対に渋いと思うんだ…
僕(やつがれ)よりも遥かに…
気の所為?

孤独な三毛猫 其の拾伍ノ弐

2020-01-28 22:25:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
本当に白狐は分かりやすい。
言葉よりは行動に現してくる。
その素直さがまた好ましいのだ。
心地いいのだ。
三毛猫も素直に己の気持ちのままに応じる。
その行為自体は普通に行う癖に三毛猫はその手の話題には弱いし、異性に密着されようものならば…
あたふたあたふたとテンパる。
触れる事を許すのは心を許してるからに他ならない。
そうにも関わらず三毛猫はあたふたあたふた真面目にテンパるのである。
その反応を白狐が見て遊んでる様な気がするが…
其処は敢えて突っ込まないのが三毛猫。
答えが容易に想像付くからである。。。
そんな三毛猫だが実際は行為も得意な方では無い。
と、云うか割と受身。
己からはあまり積極的には動かない。
否、恥ずかし過ぎて気持ち良さを感じる様な行為を相手に訊けないのである。
三十路になったにも関わらず三毛猫は未だに恥ずかし過ぎてこう云う事には慣れないのだ。
最近、それを察したのかそれともソレが白狐のスタンスなのか判らないが白狐は三毛猫にやって欲しい事を示してくる。
気持ち良さを感じてるかまでは判らないが、取り敢えず「とある部分」が反応してるので三毛猫は一安心してる訳だが…。
変化はそれだけでは無い。
三毛猫も少し大胆に動く様になった。
白狐も三毛猫に対して変わってきてる部分がある。
今迄以上に扱いが丁寧なのだが、強引な部分も顔を覗かせてみたりそうかと思ったら影みたいに存在感を消してみたり…。
それは身体を重ねてる事だけではない様に感じる。
言葉を交わす事も同様に感じる。
要するにお互いの壁みたいなものが最近、無くなりつつある様に三毛猫は感じる。
何より三毛猫は己に素直に感情が赴くままに白狐に対して振舞う様になった。
自然に取り繕わないありのままに。
三毛猫が意識してる事である。
良くも悪くも三毛猫は他者との距離の取り方を測り違い易い。
故に不安になり訊くのだ。
そんな時、白狐は寛容な返事をくれる。
それが積み重なり、三毛猫は安心して白狐へ己を出すのだ。
浅い話も深い話も自然とするのだ。
ありったけの言葉を掻き集めて、ありったけの語彙を駆使して現す。
そうやって身体を重ねた後に言葉を交わして…
そのうち2匹(人)して最近は眠りに堕ちる。
白狐は前からだが、三毛猫はここ最近、白狐の前だとよく眠る。
それもかなり深く眠るのだ。
そうして目覚める度に最近、焦るのがお決まり。
何せ寝顔を見られるのが少々、三毛猫は気恥ずかしいし童顔が更に童顔に見える瞬間が寝顔と自負してるからである。
寝顔を白狐が見てるか見てないかに関しては絶対に話題にしない三毛猫である。
見てれば間違いなく更に童顔になり子供の寝顔みたいと肯定するだろうから。。。
傷は出来れば自ら増やしたくはないと三毛猫も感じるのである。
と、土曜も案の定、三毛猫は爆睡していて飛び起きたのだが…
事件はその後、会話をしていて起こる…
それは普通に他愛の無い会話だった。
職場の事、最近のハマり事…
これといって普通の会話だった。
只、違ったのはお互い身体が近い状態で割とゆる~く話してたくらいだ。
が、しかし其れは白狐の何気ない行動により予想外の方向へ転がる。。。
どんだけだよ!
普通に考えて何故、こうなるのっ!?(´=ω=`)
後に三毛猫が慌てふためき乍ら言い放った言葉である。。。
白狐の行動は至ってシンプルである。
不意に三毛猫の手をとある部分に乗せ軽くとんでもない発言(恥ずかしくてストレートに書けない)をしたのだが、その時、三毛猫が噴き出して…
慥かに普段の状態は知らないけどさ!
と、あたふたあたふたと動揺混じりに応えたのだが話題は自然にその件から逸れたのだ。
にも関わらず事件は起きたのだ。
ん?何か…触り慣れた感触に…なってる?(;´Д`)
え?嘘。本当?( ̄∀ ̄)
マジか…どんだけよっ!(´-ω-`)
三毛猫は暫く頭をフリーズさせたまま、結局…
その日、2度目の事情を成すのである。。。
…本当、男性のその欲だけは予想の範疇を軽々と超えちゃうもんなんだね…。

孤独な三毛猫 其の拾伍ノ壱

2020-01-27 20:20:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
ん?文(LINE)?誰からだろう…?
土曜の昼過ぎ、三毛猫の携帯(iPhone)は文(LINE)を受信した事を伝える為に着信音を鳴らす。
モゾモゾと寝台(ベッド)で横になっていた三毛猫は携帯の画面で誰からの文かを確認する。
次の瞬間、三毛猫の眠気と気怠さはぶっ飛ぶのである。
白狐からだったのだ。
仕事後、朝、見かけなかったので取り敢えず文をしたため入れといたのだ。
数回、やり取りをした感じからして白狐が公休日と察した三毛猫は数日前に逢って居た為、誘いの連絡が来るとは思って居らず、仕事で消耗した身体を休めようか…と、少々、寂しさに暮れて居たのだが…
まさかの白狐から食事の誘いであったのだ。
コバン食べた?
ん?まだ食べてないよ?
コバン食べる?小判
食べる!ん?小判?…今、気付いた…ごめん。
三毛猫、あまりにも浮かれた所為で白狐の変換ミスと云うボケをどスルーする始末である。
何とも恥ずかしい。。。
白狐に漢字表記されて初めて気付く始末。
どれだけ三毛猫が浮かれたか、白狐にはおそらく伝わっては居ないだろう。
合流後、白狐が提案した選択肢から三毛猫は何を一緒に食べるかを考える。
ってか…どっちにしろ肉じゃん!
と、三毛猫は白狐の選択肢に笑いつつもまだ一緒に食べてないトンカツにしたのである。
基本的に三毛猫は肉は苦手だが、最近は白狐とならば普通にいけてしまうから不思議である。
そうして食事中に他愛の無い会話をする…
白狐以外のセンター内のSDは皆、既婚者で愛妻家。と、云う話から普段、話さない方々の一面を知り三毛猫は興味を示し聴き入る。
時には質問をしたり、己の見解を述べたり…
とても充実して居た。
そして白狐がPCゲームで漢字の読みを解くゲームの内容を話した瞬間に三毛猫は目の色を変えた。
自称・本の虫
である三毛猫には退けない何かと惹かれる何かを感じたのだ。
漢検問題に近い内容だと白狐は述べるので三毛猫の興味関心は更に擽られ…
挑戦させて貰う事にしたのである。
白狐の自宅に向かう途中、漢字に関して少し白狐と話した。
三毛猫の出身地は北海道。
北海道の地名は当字だったり、難読な表記だったりするのだ。
現に三毛猫の実家がある地名は「幌向」と書いて「ほろむい」と、読むのだ。
大半の方は「ほろむかい」と読んでしまったりするだろう。
そうして大体、アイヌ語が地名の原型にある話やアイヌ語は割と我々が使う日本語には無い様な発音をする筈。と、云った話しをしていた。
白狐は意外とこう云うものに興味関心を示すのだ。
そう、彼は普段の言動から察せないが…
物凄く知的好奇心が旺盛で知識欲も強い方なのだ。
視野がとても広い。
三毛猫も話していて楽しくて仕方なく、色々と学ぶ部分がある理由は彼のそう云う所なのだ。
話題が変わり…
本を読んでる際に漢字に関して読めないものがあった場合、どうするの?
そう白狐に質問された三毛猫。
内容が読めなくても想像が付く場合は調べないが、物語に関しては全ての表現をちゃんと理解しないと大幅に印象が変わるので必ず調べる。
と、三毛猫が回答すると白狐は驚きを示す。
何せ普段の三毛猫はかなり大雑把且つ大胆不敵な行動を引き起こす上に行き当たりばったりな行動を取る場合が多い為、そんなイメージは無いのだろう。
実際、三毛猫は几帳面ではないし神経質ではない。
しかし、拘りは凄く強いのだ。
故に物語と云う作品を前にすると…
作品の全てを楽しみたい。
と、云う拘りが強い為に小まめに世界観を楽しむ為にも動くのだ。
内容が調べてる感に飛んじゃったりしないの?
そう、白狐に訊かれた。
記憶力だけは良いから基本的には忘れない。
只、数行遡れば最悪の場合に陥った際は思い出せる自信があるけど。
と、平然と返して白狐を更に驚かせたのである。
そんな驚かなくても良くない?
と、内心、少しだけ傷付いたのは白狐には内緒である。
三毛猫は己が唯一、誇れるものは記憶力だと自負している。
それくらいに記憶力には自信があるのだ。
本当、他の人があまり興味関心を持たない様なゲームするよね。
三毛猫は白狐に突っ込んでみる。
え?普通じゃん。麻雀と将棋もやるよ。
それは知ってる。けど、地名当てとか漢字の読み解きは好き好んではやらないよ。普通。
三毛猫に普通について諭される白狐が物凄く哀れではある。
三毛猫の普通じゃなさ加減も大概だと云うのに…
正に己の事を棚に上げた発言である。
と、云うか私は将棋よりは囲碁の方がまだやれるかな。
囲碁もあるよ?オレ、やってないけど。
だろうね~。
そうこう話してるうちに白狐の自宅に着いたのだが。
早速、件の漢字読み解きをやるのだが…
は!?これ制限時間ある上にタイピングすんのっ!?
そう想像も付かなかった落とし穴に三毛猫は襲われたのである。
勝手に慣れるまであたふたあたふたと三毛猫はテンパリつつ挑戦していたのだが…
ドカッ!
やっと落ち着いてきた頃にこう云う事を平然と…する?(´-ω-`)
え?何?( ̄∀ ̄)
白狐は椅子に2人座りするのがお決まりパターン。
しかし三毛猫、何だかんだそう云う密着のされ方は未だにテンパるのだ。
あのさ、未だにコレ、テンパるからね?(_д_ll)
そうなの!?Σ(´□`)
絶対に確信犯だ…コレ。
と、三毛猫は内心思いつつ集中しようとするのだが…
矢張り集中出来る訳もなく…
暫くあたふたあたふたを続けたのだが。
ふとした瞬間に三毛猫のスイッチは切り替わり集中し出したのだ。
それを白狐は見逃さなかった様でそのスイッチが入った瞬間に何故か傍を離れる。
そうして集中力が高まった三毛猫は見事に白狐の記録を塗り替えたのである。
え。レベル4いったの!?
うん。普通にタイピング追いついたからいけた。
凄いね。オレ、レベル4は滅多にいけないよ。
レベル3も案外、よく読む漢字だったよ?
意外だ。
おい、私を何だと思ってる訳?
席を離れた筈の白狐は気が付けばまた椅子2人座りを悠々としていたのである。
流石に其処は突っ込まなかったのだが、三毛猫はこの後された質問を聴いた瞬間に…
本当に分かり易いわ~この狐。
と、内心、クスっと笑ったのである。

孤独な三毛猫 其の拾肆

2020-01-26 20:45:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
己の事を概ね理解してくれてる。
この事実は大きい。
何だかんだ白狐の器の大きさに助けられている。
三毛猫はそう実感する日々を送っている。
意を決して三毛猫は白狐に自ら己の欠点其の壱を見せる事にしたのだが…
今思えば実に阿保な三毛猫が其処に居たのだ。
三毛猫は基本的にどっかこっか抜け抜けで視野が狭い。
故に割とバタバタと体裁を取り繕いう為に掃除はそれなりにしたのだが…
抑も他者を呼ぶ部屋では無い。
と、云う事をすっかり失念した三毛猫が其処に居たのだが…
本人がそれに気付いたのは…
白狐を呼ぶ直前になってからである。。。
さて、三毛猫の致命傷的な欠点それは…
整理整頓
これだけは物凄く苦手なのだ。
抑も三毛猫の悪癖がムシャクシャしたら兎に角、気の済むまで荒らすと、云うあまりにも残念過ぎるものである。
それに自覚のある三毛猫は…
いい加減に其処だけは晒しておこうと心に決めたのである。
その発端は至って単純。
あー、鍋やりたいなぁ。。。
あまりにも安易な理由である。
しかも挙げ句の果てに振る相手が白狐ぐらいしか居ない三毛猫も又、世も末であるが。
三毛猫は絶対に認めはしないだろう。
白狐と鍋をやりたい。と、云うのが本当の気持ちであるのだと云う事を。
全くを以て三毛猫は素直ではないのである。
さて、そんな三毛猫は何とか体裁だけ取り繕った部屋へ白狐を呼ぶのだが…
取り敢えず取り繕わずに素直に自分があまりにも整理整頓が出来ないのを白状したのだった。
最早、距離を置かれたら心の傷になり兼ねないくらいに白狐に入れ込む前に判断した三毛猫はこの行動に踏み切ったのだ。
別に白狐を己のテリトリー内に立ち入らせたくない訳では決してない。
が、避けていた理由を述べるには現実を見て貰う方が明らかに早い気がしたのだ。
それはそれで大雑把にも程がある三毛猫である。
しかし、白狐の反応が如何にもで三毛猫は大爆笑する羽目になる。
掃除してーわー。
苦笑ではなく、最早、面白いものを見た。
と、言わんばかりに白狐はその言葉を発する。
白狐は自分と真逆的なのだ。整理整頓に関しては。
三毛猫はそれを知っているだけに最早、恥を承知で白狐とのその後に会話した内容から白狐を頼りにしようと内心、決めたのである。
…断捨離は悪くないよな。絶対に。
と、三毛猫は本気で思いつつあるのである。
白狐は距離を置きはしなかった。
寧ろ何かを愉しむ様な物言いが多かった。
けれどそれは構えていた三毛猫からしたら、とても有り難かった。
ドン引きしていたとしても表に出さないで寛容に笑い飛ばしてくれた事に関して。
しかし、ドン引きされたかも知れない事は数日後に吹き飛ぶのだが、それはまた別の話で。。。
曝け出した三毛猫はスッキリした。
落胆されたりするのは地味に三毛猫は精神的に負荷が掛かるタイプである。
なるべく完璧に外面は熟す反面、内面は兎に角、底辺の底辺まで堕落する。
落差が激しいタイプなのだ。元々が。
だからこそ外面だけを見ていた者が三毛猫の内面を知ると阿保みたいに落胆し、ドン引きするのである。
けれど、それも仕方ないし当然の反応だと三毛猫は考えている。
そういう障害スレスレなものを擁えてしまった己が悪いのだと三毛猫は考えている。
だからこそ内面を使う事にするのだ、他者を試す様に。
己を受け入れてくれてる。
それを推し測る為に己の内面を三毛猫は利用する。
そういう癖に気付く者は居ない。
故に三毛猫は有効活用する。
使えるものは何でも使う。
三毛猫の自論の1つである。
今の捻くれに捻くれ捻じ曲がるに捻じ曲がった歪み切った三毛猫を形成する自論である。
それがあるから、言葉が少ない者でも表現が下手な者でも三毛猫は理解の範疇に及ぶのだ。
目は口程にものを語る。
それは言より動の方が語るとも言える。
と、三毛猫は感じている。
言葉など幾らでも並べ立てる事が出来る。
建前。
虚勢。
虚偽。
何でも御座れだ。
それとなく言を繰る事は容易い。
けれど、動を操るのは中々、容易ではない。
何故なら動は心に直結してるから。
三毛猫はそう捉えている。
だからこそ三毛猫は言をあまり信じない。
しかし、言質は取る。
それは有効手になるからだ。
喩え信憑性が薄くても。
そんな三毛猫のとんでもなく計算高い部分に白狐は間違いなく気付いているだろう。
隠してもない。
表に出してもない。
けれど察しのいい又は頭の回転がいい人物は気付くだろう。
そんな部分すら白狐は臆する事は無いのだ。
理解して受け入れてくれている。
三毛猫にはとても嬉しい事なのである。