花菖蒲

日常やら何やらかんやら気儘に綴ります。気儘に。

孤独な三毛猫

2019-12-12 15:44:00 | やつがれシリーズ~心を捜して~
孤独な三毛猫は恋をした。
手の届かないであろう存在だとしても、恋心を貫いた。
離れ離れになった後も気持ちの整理を出来ないまま、三毛猫は恋心を引き摺り生きてきた。
否、逃げ続けていた。
そんなある日、三毛猫の弟分である黒猫は自分の道を歩く為に1匹(人)の白狐を頼りにする様になった。
黒猫の奮闘をフォローしつつ見守って居たある日、何故か黒猫経由で白狐から誘いが入り3匹(人)は逢い食事をする。
三毛猫にとって白狐は常に飄々としていて感情を表に出さず思考が読めない。喰ないタイプ。
そんな印象を遠巻きに見つつ抱いていた。
話せば分かる事も掴める事もある。
白狐へ興味を三毛猫は不覚にも少し抱いた。
これが縁の始まりだろう。
白狐は黒猫を抜きで三毛猫を誘う様になる。
三毛猫も嫌な気持ちにはならないので、誘いに応じる。
会話を重ね、質問を重ね…
意志を訊き、表情を探り…
声音を聴き、仕草を見ゆる…
様々な事をして白狐を三毛猫は見極めようとした。
気が付けば三毛猫は頻繁に白狐と逢瀬を重ねる様になる。
白狐の心に触れる度…
三毛猫は白狐に対して気持ちを変えて征く。
印象も変えて征く。
白狐は優しくて繊細で傷付き易い。
けれど鋭敏で合わせ上手。
自由奔放に見えて周りをよく見てる。
あまり感情の起伏は見れないけれど、さり気なく表示や仕草に感情が現れる。
掴みどころが無い様に見えて実は掴み易かったり…
三毛猫は白狐を知る度に気持ちを寄せ…
白狐を識る度、自分と似た部分を見付け自分とは違う部分を見付け…
三毛猫は心が動く。
頑なに凍らせた恋心を溶かすには十分だった。
白狐は忘れなくていい。と、言う。
三毛猫を慮っての発言。
三毛猫はその優しさに救われ向き合う勇気を貰う。
果たしてコレは未だに恋なのか…
数日間、モヤモヤした…
悩み悩んだ。
そうして出した答えは…
「未だに人として尊敬し、目標とし憧憬を抱けど恋焦がれては無い。」
そう答えを出した時、三毛猫は心が軽くなり決着を付けた。
人生に於いてあの人の在り方を目標として忘れはしない。
けれど乞うる存在では今はもう無いのだ。
と、決着を付けた。
そうして三毛猫は白狐を見ゆる。
これは恋かそれは分からない。
少なからず三毛猫にとって白狐は大事な存在となり、白狐の傍は安心するのだ。
言葉に現さない白狐は行動で現す。
もしも三毛猫が不意に2匹(人)きりで弱音を吐かなければ白狐は果たしてあの行動に…
出てたな。多分。
少々、疑問は残るけれど…
その行動があったから三毛猫は心を動かす。
白狐の手の温もりは冷えた三毛猫の心に身体に熱を与える。
安心感を得た三毛猫は三毛猫の誰にも話してない過去を更に掘り起こし話す…
白狐は言葉こそ無けれど、受け止めてくれたのは間違いなく、三毛猫は礼を述べる。
其処から動き出す。

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