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茶碗の中の小宇宙

2013-10-06 | お茶ときどきお花

茶の湯文化講座に行って参りました。

講師は樂家十五代当主・樂吉左衛門さん。

 

以前、NHKの「プロフェッショナル」で取り上げられ、茶人のみならず、一般からの注目度も上昇中の方です。

 

茶人なら誰もが憧れるといわれる樂茶碗ですが、私は正直なところ、あまり良さが分かりません。

もちろん高級車1台分のお値段よりはるかに高いもので、ご縁もないし。

 

ただ、本日、スライドを見ながらソフトな語り口の樂さんのご講話をうかがっているとき、ふと

大写しになったお茶碗の中に吸い込まれるような不思議な感覚がありました。

 

聞けば、以前、「茶碗の中に宇宙がある」とご本人がおっしゃったフレーズがあるとか。

 

なるほどね~、真っ黒なお茶碗の中に無限の広がりを感じたのは、映像テクニックのせいではなさそうです。

だって、ただ、内側を正面に向けてコロンと転がしてある状態を映してあるだけなんですから。

 

好き嫌いを超えて、やはり何か迫ってくるものがあります。

まるでゴヤの絵画みたい。

そういえば、ゴヤも黒!!

 

12月には海老様主演の「利休にたずねよ」にも本物の樂茶碗が出てきます。

その情報は知っていましたが、まさか当代さえその茶碗でお茶をいただいたことがなかったとは!

 

今年3月に茶事を催し、そこで初めてお濃茶を練ったと本日、お話しになりました。

ご先祖様のお茶碗を誰よりも大事にしているのは、子孫なんですねぇ。

 

その貴重なお茶碗で、海老様@千利休が切腹前の最期の茶を点てるそうです。

当初、点てる際は似た茶碗を使い、置くときに本物に替える予定が、

監督から本物で通したいと懇願されたそうです。

 

これには樂さんも少々、悩まれたとか。

 「だって、海老蔵さんですよ」ですって!

思わず、そこで会場の笑いをとってしまう海老様……。

 

うんうん、そのお気持ちは分かりますよ。

粗暴な感じがマスコミで喧伝されてるし、私見ですが、上方でのは海老様の評価は今いちですもんね~。

 

でも歌舞伎の海老様をご覧になっている人は皆さん、ご存知のとおり、

所作は本当に美しく、大切な品の扱いは心得ているから大丈夫!

 

撮影も終わり、樂さんもそこはご理解いただけたからおっしゃってるのよね~。

 

本日のお話を踏まえて、映画を見ることができるなんて、12月の封切りが今から楽しみだわぁ♪

 

初代・長次郎作の「大黒」はネットでも画像は見つかりませんでした。

樂さんも「秘すれば花、で何でもかんでも気楽に見れるのがよいことかどうか」とお考えのようです。

黒樂の最高峰が「大黒」なら、赤樂は「無一物」だそうで、これは徳川美術館の写真にありました。

ご参考まで……。

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