友人の息子さんの入学祝いに、図書カードを贈ることにしました。
お祝いなので、書店売り場のあるデパートで購入し、きちんと熨斗(のし)をかけ、包装してもらいました。
こういうとき必ず、確認されるのが「内熨斗ですか、外熨斗ですか」の質問。
内熨斗とは、包装紙の内側に熨斗紙をかける方法で、包みの外からは熨斗が見えません。
一方、外熨斗は包装紙の外側(表)にかけるため、ひと目で内容がわかります。
引っ越し挨拶でご近所にタオルを配るときなどは、訪問の主旨がすぐわかるように外熨斗が一般的です。
フォーマル感のあるものは、内熨斗という感覚が私にはあります。
外熨斗だと、熨斗紙がよれたり汚れたりする恐れがあるからです。
「入学御祝」などと表書きされたものに、自分の氏名も記す大切な部分なので、
やはり開封していただくまで、綺麗な状態を保ちたいではありませんか。
そんなわけで今回も「内熨斗で」とお願いし、用意してもらっている間に丸善で便箋など見て、
ひとめぐりして戻ってきました。
デパートのツヤ感のある包装紙で丁寧に包まれた商品を「お待たせいたしました」と差し出され、
「あ、リボンシールは赤でお願いしま~す」と思わず言ってしまった、間抜けな私!
さて、何が悪かったのでしょうか。
熨斗とリボンは重ねてつけないのが、贈答マナーの基本なんですよ!
「冠婚葬祭マナー」とか偉そうに講義しているのに、こんな場面を知ってる人に見られたら、えらいこっちゃ~。
店員さんが申し訳なさそうに「あの~、お熨斗をおかけしておりますので」と言いかけたのを最後まで言わせず、
「そう! 内熨斗かけてますもんねっ。いやだわぁ~、私としたことが……。ホホホ」と
笑いでごまかし、そそくさと売り場を後にしました。
ちなみに、祝儀袋に現金を入れて手渡す際、台にするお菓子にも熨斗紙は不要です。
祝儀袋に熨斗がついているわけですから。
お菓子はあくまで袋を乗せる台、付録です。
脇役に熨斗なんかつけると、相手がお茶の先生だったら叱られます。
贈って叱られたり、恥をかくのは哀し過ぎる……。
百貨店の店員さんは、やはりプロフェッショナルだわぁ。
教えてくれて、ありがとうございました!