獅子丸のモノローグ

☆気まぐれ不定期コラム☆

新型アルト試乗記

2010年01月24日 | CARS&F1
   
 スズキの新型アルトは、ちょっと気になるクルマであった。比較的リーズナブルな価格と、5MTがラインアップされていること。加えて、その中性的でけれんみの無いスタイルが、セカンドカーとしては悪くないように思えたのである。
   
 私は当初、この新型アルトは、スズキがインドで売っている「Aスター」≒「欧州アルト」を、そのまま日本の軽規格に合わせて小さくして売っているのかと思っていた。だが、詳細に見てみると、前後のランプやバックドアの形状、リヤドアのウインドゥグラフィックス等、結構手が入っているのだった。また、インパネのデザインも全然違う。コスト重視のスズキにしては、珍しいことである。
   
 さて、試乗させていただいたのは、最上級グレードの「X 4WD」(CVT:税込車両本体価格115万7100円)だった。
 ベージュが基調のインテリアは、明るくてなかなかイイ感じ。インパネ周辺もシンプルながらも使いやすそうなデザインで、好感が持てる。
 ただし、安価なクルマなだけに、ネガもある。特にリヤシートは平板で、そのせんべい布団のような趣のシートクッションは、あまりに簡便なつくりである。あくまでも、セカンドカーとして街乗り用に使用すべきクルマなのだろう。後ろに人を乗せてのグランドツーリングは、このクルマの守備範囲ではない。
 また、このクルマの売りの一つである「副変速機構付CVT」は、まだ熟成が足りないように思われた。右側車線に出てフルスロットルを与えると、「グィーン!」とエンジンノイズが高まって、やかましいことおびただしい。そこでスロットルを緩めると、AT車が2段上のギヤにシフトアップしたかのように、ガクンと静かになる。私は非常に違和感を感じ、これだったら普通のAT、いや、MTの方がいいかなァと思ってしまった。いやまあ、あのアウディの素晴らしい「Sトロニック」に乗ったすぐ後の試乗だったので、余計にネガティヴに感じたのかもしれませんが・・・
 で、片側1車線の道を淡々と走っていたその時。まるで交通安全シミュレーション体験マシーンを試しているかのように、左側からあり得ないタイミングで、クルマが私の目前に割り込んできた!ほとんどフルブレーキングに近い状態だったのだが、スリッピーな路面状況だったにもかかわらず、このアルトは姿勢を乱すことなく、しっかりと減速。衝突することを避けることができた。もしABSが付いていなかったらと思うと、ゾッとする。しかもその割り込んできた輩は、赤信号を2本も無視して、逃げるように走り去っていってしまった。ホントに腹立たしい。許しがたい。とはいえ、アルトのABSが信頼に足るモノだということは、よくわかりました。

 私見では、やはりアルトのようなクルマは、ヴァン仕様でFFの一番安いヤツ(5MT:税込車両本体価格67万7250円)を買って、下駄代わりに使い倒すというか、セカンドカーに徹する使い方をするのが粋だと思う。ただしその仕様はカラーが白1色しかなく、加えてABSがオプションでも装着できない。そこが大問題だ。やはり、北海道では、ABSは必須だと思うのだが・・・

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