我々取材班3名が次に向かったのは、ホンダのお店。
アコードが、フルモデルチェンジし、ハイブリッド専用車として、日本国内デビューを果たしたとのことだったからである。
ライバルであるトヨタ・カムリと、ほぼ同じ戦略と言える。ホンダがトヨタの後追いをするなんて・・・と、やや釈然としない思いを胸に秘めつつ、試乗させていただいた。
試乗させていただいたグレードは「LX」。税込車両本体価格は、なんと365万円!
いやあ、アコードも、高くなったものだ。牛丼は、安くなっているのに・・・
全長×全幅×全高のスリーサイズは、4915mm×1850mm×1465mm。昔のレジェンドよりも、デカい。
まあ、アコードのみならず、トヨタのカムリも、マツダのアテンザも、このクラスの日本車は、みんなデカくなってしまった。
メインマーケットが海外だから致し方ないのかもしれないが、もう少し国内市場に配慮してほしいと、気弱に、思う。
トランクルームは、必要十分な広さではあるが、車体の大きさの割には小さい。リチウムイオンバッテリーが、スペースを喰っているからなのだろう。
そのせいもあってか、今回のアコードから、ついにワゴンボディが消滅してしまった。
歴代のアコードワゴンの中には、カッコいいものもあったので、物淋しい限りである。これも、時代の流れなのか・・・
品質感のあるインテリア。まあ、この価格ならば、当然かもしれない。
ただし、デザイン的にややビジーで、内装色が黒しか選べないのは、残念なポイント。
タコメーターが装着されていないのは、近年のハイブリッド車に良く見受けられる手法である。
で、驚いたのが、その走りの質感の高さだ。ものすごく滑らかな、モーター&エンジンのフィール。まさにシームレスで、スルスルと爽快に加速する。
同社のインサイトとは異なり、かなり「電気自動車」に近いハイブリッド車と言えましょう。
また、路面を舐めるかのような、しっとりとフラットな脚周りも、極めて上質!「いいモノ感」に満ち溢れたクルマである。
この堂々たる体躯のクルマのカタログ燃費が、リッター30kmとは!
ハイブリッドカムリも、クリーンディーゼルアテンザも、このセダン不況の時代にあって、なかなか堅調なセールスを記録している。このアコードも、その一角に食い込むことであろうと、私は気弱に予想する。
もうちょっと小さければなぁ。いや、あと100万円安ければなぁ。私にも買えるかもしれないのに・・・