FJクルーザーを見たいというニータ氏のリクエストにより調査したところ、なんとそのクルマの試乗車が札幌市内にあるという情報をキャッチ。我々取材班は、あわてふためいてそのトヨタのお店に向かった。
試乗させていただいたのは「オフロードパッケージ」(5AT:北海道地区メーカー希望小売価格336万2000円)だった。
よじ登るようにしてコクピットに乗り込む。メータ周りの品質感は軽自動車を思わせるが、「ま、それでもいいか」と思わせるのが、このクルマのキャラクターなのである。
無口なセールスマン氏を後席に乗せての、短い時間の試乗であった。
全幅1905mmと、幅の広いクルマである。だが、ボンネットが目視できることもあり、公道を前に走る分には、意外に車幅に神経を遣うことなく運転できる。
それよりも気になったのは、Cピラーが太いことによる斜め後方視界の悪さだった。副道から幹線道路への合流や、左側への車線変更は、実にやりづらい。
加減速では、上下前後にゆら~りと、周波の大きい揺れを感じる。まるで船を公道で走らせているかのような挙動だ。まさしくそれは「クルーザー・フィール」といえましょう。
パーキングは試していないが、自分のクルマにしてしまえば、慣れてなんとかなるのだろう。惚れたら、迷わず買うべきクルマだ。
プリウスを売る一方で、このようなクルマもリリース出来てしまうトヨタというメーカー。その奥深さに、一抹の空恐ろしさを感じた試乗であった。