清水光子さん(9月10日 白樺教育館)
今日の「恋知の会」で、
戦時中は台湾州のトップであり、最後(敗戦時)は、支那方面艦隊司令長官であった福田良三(海軍中将・勲一等)の実娘さんの清水光子さん(84歳)は、以下のように話されました。
お父さまから、「尖閣は、台湾州の防衛ライン内であることや、台湾の漁民が漁場にしていると聞かされていた。」
また、「海洋学上(海底地形)も沖縄には所属せず、台湾州である」とも話していたとのこです。
清水さんは、「当時の海軍関係者は、尖閣は台湾州に属するものと認識していて、沖縄に所属すると思っていた人はいないはず。」と話されました。
これは、極めて重要な証言で、
台湾州は、ポツダム宣言を受諾して敗戦をしたわが国の領土ではありませんから、尖閣は沖縄に所属していたので日本領だとする政府や外務書の主張は、明らかな嘘であることになります。
日本人だからといって、嘘で領土を拡大することはできません。 中国敵視ではなく、日中友好が必要です。
以下は、福田良三さんの写真と、B級戦犯として上海から家族へ宛てた手紙です(クリックで拡大します)。
なお、興味深いお話がいくつもありましたが、それはまた後日に。
追記
尖閣の領土問題を煽ったのが石原慎太郎であり、乗じたのが愚かな野田総理でした。石原は「シナと戦争したい」と語っていますので、尖閣で中国を挑発することがその目的であることは明らかです。
領土問題の大宣伝を行う政府と政治家は、日本的「愛国主義」のイデオロギーを浸透させること→社会契約に基づく現憲法の全面廃棄(国体思想の復活)を目的としていますので、
国民は、その戦略の上で踊らされているわけです。
市民=ネットしか、冷静な真実を伝えられませんので、ぜひ、拡散して、領土問題を冷静に考えましょう。それがホントウの国益=国民益になるはずです。
追記2
伊藤博文は魚釣島=尖閣諸島を日清戦争時に尖閣を日本領として編入したのですが、その経緯は以下の通りです。
1885年(明治18年)の時点で、明治政府(山県有朋)は、閣議で魚釣島(尖閣諸島)を日本の領有とすることを否定しています。
この年の9月に沖縄県令(今の県知事)の西村捨三は、内務卿の山県有朋宛ての報告書で、
「魚釣島は大東島とは地勢が違う し、中国の記録が多くあり、冊封船(さくほうせん/中国が承認した国の船)が通っていて島に詳しく、それぞれに中国名もついている。日本領という標識を立てるのは待った方がよい(要旨)」
と 記しています。
これを受けて山県有朋は井上馨外務卿 に相談しますが、井上は
「調べるのはよいが、右 島嶼(とうしょ)(魚釣島)に、国標を立てるのはよくない、清国の疑惑を招 く。また島を調査していることを官報並びに新聞に掲載してはいけない(要旨)」
と応えました。
それを聞いて山県は、1885年の閣議で魚釣島の日本領有を否定 しました。
ところがその10年後、日清戦争の末期に皇軍の勝利が確実になった時点で (1895年・明治28年1月14日)突然、伊藤博文は「標杭建設の義」を決定し領有に踏み切りました。
「久米島魚釣島と称する無人島へ向け近来漁業等を試むる者有。之為取締を要するに、付ては同島の議は沖縄県所轄と認めるのを以て、・・・・明治二十八年一月十四日 内閣総理大臣伯爵伊藤博文」。
追記3
以下は、井上清さん(京都大学教授)の論文です。参考までに。
http://www.mahoroba.ne.jp/~tatsumi/dinoue0.html
武田康弘
http://blog.goo.ne.jp/warabidaniyuukoku/e/d8fd0d6ae96437691e1cc7bf7dd50c22
「女の耐久度」チェックも、【産経新聞の総帥】が語っていた【軍の慰安所作り】
http://hope.2ch.net/test/read.cgi/seijinewsplus/1410146236/-100
www.geocities.jp/tanaka_kunitaka/senkaku/nihonsuiroshi-1919/07.jpg
沖縄県に尖閣諸島は含まれます。
www.geocities.jp/tanaka_kunitaka/senkaku/statistics-1919/04.jpg
www.geocities.jp/tanaka_kunitaka/senkaku/statistics-1919/06.jpg
www.geocities.jp/tanaka_kunitaka/senkaku/statistics-1919/13.jpg
台湾の行政区分に尖閣諸島は含まれません。
台湾総督府統計書. 第16(大正元年)
kindai.ndl.go.jp/view/jpegOutput?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F974277&contentNo=18&outputScale=1
わたしが、本文で紹介したように、伊藤博文が日本領にした時点では、
・・・・同島の議は沖縄県所轄と認めるのを以て、」
ですから、沖縄に所属させていたのはその通りです。
清水証言は、1940年代ー戦中から敗戦時において、海軍の最高幹部らは尖閣は台湾の防衛ライン内であると認識していたという事実です。この事実は極めて重たい事実です、
ポツダム宣言をご存知ですか?
ポツダム宣言で、日本は領土を限定されました。その中に台湾は含まれていないので、日本が敗戦時まで台湾州の防衛ラインに組み込んでいた魚釣島=尖閣を日本領とすることはできません。残念ながら。
日本テニスの開拓者にしてフェアプレーの美しい逸話をもつ清水善造さんを紹介していましたが、
善造さんは、清水光子さんのもう一人の父(夫の父)です。
錦織 圭の活躍でテニスに関心が集まっていますので、ご覧になった方も多いことでしょう。
脇道にそれましたが、ご紹介まで。
領土問題で白黒つけるとすれば、日本国側には全く分が悪いのです。
京都大学の井上清さんの論文が有名ですが、私も厳密にいうと中国領だと思います。
明治政府が日清戦争のドサクサまぎれに旗を立ててしまって、中国側がその後数十年に渡り抗議をしなかったので、日本が実効支配したわけです。
現在、日本の強みは実効支配していることです。言論NPOのように、日中問題解決に努力している民間団体の代表でも、尖閣は日本領土と言っています。市民が事実を知らないのは、やむを得ないのです。
日本は、竹島は国際司法裁判所へ提訴すると韓国に主張していますが、尖閣は実効支配しているので提訴するとは言いません。提訴したら不利なのは賢明な官僚の方々は知っていると思います。ダブルスタンダードなのです。
結論として、武田先生らの言われる通り、領土問題で争うのは全く意味がないことです。
半藤一利さんと宮崎駿さんの対談で、半藤さんは、「国の領土という概念が恒久的に存在すると思っているが、将来そのこと自体がいつまで続くか疑わしい」というような発言をしています。
そろそろ、プラグマティストとして行動すべきと思います。それには、中国の側の主張も中国領土とする日本や中国の研究者の主張にも耳を傾ける必要があります。実効支配している日本国の賢い妥協が出来るか否かは、大きな課題です。
内田さんの言われる井上清論文なども参考にしてみてください。
でもそんなのは細かな事です。明國も清國も尖閣を發見せず、命名せず、防衞せず、領有せず、完全にゼロです。尖閣の西側に1461年から1895年までずっとチャイナ國境線が存在したのですが、井上清らは無視してゐます。詳しくは私のブログや著書で分かります。