思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

3.1独立運動=皇軍と官憲による大量殺害の事実さえ伝えない? 100年前の柳宗悦の憤りと正しさ。

2019-03-01 | 社会批評

今日は、近代世界史に残るすさまじい弾圧ー日本軍と官憲による朝鮮人大量殺害の記念日です。

その100周年なのに、日本のテレビは、その内容=日本の犯罪行為を伝えません。これでは、独裁国家のマスコミと変わりません。

皇軍(日本軍)の砲火で殺されたものは10万人以上にのぼると山辺健太郎は述べています(鶴見俊介が平凡社ライブラリー「柳宗悦」の中で引いていますが、この異常に多い死者数が何かは不明)
官憲の弾圧による死者は7509名(3月1日から5月末まで)とのこと。

この独立運動の指導者は、天道教、キリスト教、仏教らの宗教者33名ですが、
4月15日には、日本軍の一隊が水原郡の教会にキリスト教徒と天道教徒の30数名を集め、鍵をかけて一斉射撃をし、赤ん坊の頭を銃剣で突き刺して殺害。さらに放火をして教会を焼き払ったのでした。

天皇直轄地の朝鮮で起きた近代史に残るこの大事件をおそらく多数の日本人は知らないのでしょうが、それでよいのでしょうか。

現天皇の明仁さんも、3.1独立運動に先立つ『閔妃暗殺』事件(1895年10月)、日本国家による李王朝の閔妃暗殺(一国の公使が在任国の宮廷でその王族を殺害するという前代未聞の事件)に心を痛め、皇太子時代から苦しんでいたことを学友の橋本明さんが語っていますが、わたしたち日本人は、朝鮮・韓国で犯した罪の深さを知らなすぎです。

  白樺派の柳宗悦は、ここ我孫子の地から、『朝鮮人を想う』で、朝鮮の文化の卓越性を書き、暴虐をつくす日本政府を強く批判をしましたが、それゆに柳邸(叔父の嘉納治五郎=講道館創立者 からの誘いで手賀沼を望む我孫子に移り住んだ)は官憲に見張られ、危険人物のリストに加えられました(ただし学習院出という特権階級ゆえに逮捕は免れました)。また、『朝鮮人を想う』は、「読売新聞」の連載が禁止され、発行禁止処分にもなりました。

柳宗悦は、妻の兼子(日本最高のリート歌手)と共に7回も朝鮮半島に出向き、朝鮮人を励ます催し(兼子のリサイタルと宗悦の講演)をしました。

柳は、「批評」『世界の批判』37号・1922年5月号に、
銃にて起つ者は銃にて滅びるのだ。軍国主義を早く放棄せよ。自らの自由を尊重し、他人の自由をも尊重しようではないか。もしも、この自明な人倫を踏みつけるなら、世界は日本の敵となろう。そうなるならば滅びるのは朝鮮ではなく、日本の国だ。」と書きました。

今のネトウヨ、日本会議、安倍政府のおぞましさ、は、100年前と同じです。


武田康弘(我孫子市 白樺文学館・初代館長)



コメント (2)
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