石井信平の 『オラが春』

古都鎌倉でコトにつけて記す酒・女・ブンガクのあれこれ。
「28歳、年の差結婚」が生み出す悲喜劇を軽いノリで語る。

石破茂の無内容最長不倒距離

2008-02-29 21:56:03 | 政治
 きょうは一日、眠たくなるような陽だまりで、テレビの「国会中継」に見入ってしまった。

 与党の「ナーナー」質問、野党の詰めの甘さ、ともに腹がたつ。それでも見てしまったのは何故だろう?

 石破茂防衛大臣の答弁から、目が離せなくなってしまったのだ。どこまで内容ないことを言うか、「え、そこまで言うのかよ」というくらい、毎回、無内容最長不倒距離を彼は更新する。

 役者やのー。

「そんなのカンケーない」の小島よしおと同じ、つい見てしまう顔だ。

アメリカに「希望」あり

2008-02-28 23:03:43 | メディア
今年のアカデミー賞、ドキュメンタリー部門で表彰されたのが「米国“闇”へ」という作品だ。監督、アレックス・ギブニー。

 父親のフランク・ギブニー(元「タイム」誌、東京支局長)とともにオラがよく知る人物だ。

 これがNHKで放送される。番組紹介は以下の通り。

 「民主主義の膝元でテロ撲滅の美名の下“拷問”が容認されるのはなぜか?アフガニスタンで、テロリストと疑われ捕えられ、死亡したタクシー運転手の事例を軸に、アフガニスタンやキューバのグアンタナモで“拷問”に関わった調査官、被害者へ取材、またアメリカの政策決定者への取材を重ね、拷問現場の証拠写真で構成する番組」


 かつてのオーテス・ケーリ、ドナルド・キーン、フランク・ギブニーらの日本軍捕虜尋問体験が、息子の世代に引き継がれて、祖国を問い直す作品に結晶させたことに敬意を覚える。

 軍の恥部を暴くこういう作品を、芸能の最高舞台で表彰するアメリカに「希望」を感じる。

 時あたかもイージス艦と漁船の衝突報道を追っていると、何か「戦時シュミレーション」を見る思いだ。日本メディアのあり方も問う作品のようだ。

第80回アカデミー賞 
長編ドキュメンタリー賞受賞作品テレビ版「米国“闇”へ」
Taxi to the Dark Side

NHK BS1 3月1日(土)午後10:00~11:00
NHK 総合テレビ 3月3日(月)午後10:00~11:00

帰国しました

2008-02-27 21:20:40 | 雑談
インドから帰国して、妙な浮遊感覚から抜け出せない。

 帰ってビックリしたのは「三浦和義元社長、サイパンで逮捕」のニュースだった。テレビが、呼びつけにも出来ず、「容疑者」とも呼べない苦汁がおかしかった。

 それから、いつまでもメディアの「現役」であり続ける三浦さんの運命というか、ひょっとして、これは彼の執念なのか?

 イージス艦と漁船の衝突事故で、ビックリしたのは最新鋭の諜報艦船が漁船を把握して回避できなかったこと。現場捜索を最優先しなかったこと。

 航海長をヘリで防衛省に呼び戻し、さっさと横須賀に寄港したらしい。

 驚くにあたらない、これが「国防軍」の本質だ。

 行く前に予約していた歯医者に治療に行く。仰向けになって女医さんに口中をいじられて、徐々に感覚が日本にアジャストしてゆく。白衣の制服、いとおかし。

インドのカレーに脱帽

2008-02-26 10:06:47 | 旅行
インドでは、カレー、カレー、カレーの毎日である。辛―え!
手でカレーを食うということは、宇宙とつながる。

カレーを注文すると、小カップに5種類ぐらいのカレーが出てきた。
それを丸い大皿にぶちまける。

仮に1カップに5種類のスパイスを使ったとすれば、
すさまじい数のスパイスの掛け合わせが、わが指先で始まる。

皿はカオスになり、指の動きから、二度と戻らぬスパイスの掛け合わせが生まれ、指から、口を経て、腹に移動する。
自分が獣であり、哲学者でもあると思う瞬間である。

インドのカレーに脱帽したら、靴屋のおじさんが言った。
「日本で一番ウマかったのは、カツカレーだった!」
これには日本人のオラもびっくりした。

貧しくとも徳高く

2008-02-23 14:11:15 | 旅行
インド、チェンナイの交通事情はまるで「戦場」である。昭和30年代の東京を連想させ、オラにはむしろ懐かしい。

超満員のバスの脇を自転車やバイクがすり抜け、牛車が通る。信号を無視した歩行者がバラバラと車道を横切る。乞食がこちらに駆け寄ってくる。

この無政府状態の町を移動するには、やはり地元のプロに頼るしかない。オラが選んだのは、ホテル前にたむろしていた三輪タクシー(オートリキシャ)を運転するBaskaranさんだった。

常に微笑を絶やさず、口数少なく、運転に無駄な動きがない。最初に乗って気にいった。それまで、あちこち移動することを強要し、金をせびる運転手にウンザリしていたが、彼にはそれがない。

終日乗って500ルピー(約1700円)という値段にしてくれた。

一日目ですっかり打ち解け、「明日は是非うちに遊びに来てくれ」と招待を受けた。郊外の棟割長屋に妻と、母親と、子供が二人。40歳のBaskaranさん一家の暮らしはつましい。

奥さんが足踏みミシンで裁縫して、家計の補助をしている。リキシャのローン返済が毎月4000ルピー(約15000円)。電気ガス代が月1000ルピー(約3400円)

毎日朝九時半から夜九時半まで運転し、食事は奥さんの作る手弁当。休日なし。運転の収入はどんなに頑張っても月2万ルピー(約65000円)が限度だ。

リキシャの維持費、ガソリン代、加えて収入が滞っている弟一家の家計も見ているというからビックリ。

希望は子供の成長。値段の張る私立学校に通わせている。年間学費5万ルピー(約16万円)。

仕事の手を抜かず、愚痴をこぼさず、「家長」の意気がみなぎる。これも日本の昭和30年代の父親像そのまま。

貧しい人ほど、旅人をもてなしてくれるのだろうか。「友人を連れてきた」と言ってオラたち夫婦を家族に紹介してくれた。

自家製のマンゴジュース、チャイを楽しんだ。近くの店に走って、チキンバーガーを買ってきて昼食代わりにご馳走してくれた。今から思えば、夢のようなインドの昼下がりのひと時である。

インドは公務員以外には年金がないらしい。健康保険に彼は入っていない。日々の労働だけが彼の唯一のセイフティーネットだ。

ガソリンスタンドに寄った時、オラが支払おうとしたら断られた。夕食に大衆食堂に寄った時、彼の家族に「テイクアウトを頼もうか」とオラが言ったら「もう家族も食事を終えている時刻だから」と丁重に断られた。

理由のない施しを求めぬプライドが彼にはあった。

妻が一計を思いつき、ホテルのレターヘッドに次の文章を中央に書いた。

We recommend Mr.Baskaran
As No.1Safety Driver in Chennai

余白にオラたちはサインし、今後もお客のサインをどんどん増やすように勧めた。これを客の見えるところに貼っておくように。

もし、チェンナイに行く予定の人がいたら、彼の連絡先を教えよう。

3月から新規事業を開始する妻にとって、Baskaranさんの発展は他人事ではない。

「タベゴン」インドを行く

2008-02-22 10:50:32 | 旅行
インドで散髪。50ルピー(170円)。

プロフェッショナルな仕事ぶり。価格も地元の価格表どうり、旅行者としてふっかけられなかった。美しい生え際にカット。職人技に脱毛。

同じ日にホテルの中華料理屋でテーブルにあったフランスの輸入物の水を飲んだ。
195ルピー(580円)。


どうなっておるのだ、この国の価格は?


昨日妻に「タベゴン」と呼ばれた。
とにかくよく食う姿が怪獣に見えたらしい。

こちらの人と同じく手でこねて食べる喜びを知った。もう戻れない。

チェンナイにて。

インディアン・ビーチムーン

2008-02-20 15:39:09 | 旅行
昨夜は満月の前夜である。インド南部のチェンナイ海岸に、カースト最下層の人々があふれ、オラはそこに紛れ込んだ。

カースト最下層の人々が海岸一杯にあふれ、満月に祈りをささげるNASIMAGAMというヒンズー教の祭りだった。

ビーチ・ムーンはすさまじい貧しさを照らしていた。しかし、ここには家族の協力、宗教のあわれみ、階層のつながりが見て取れる。 刻々と夜が深まり、日の出を待つ。

アメリカや日本の「見えない貧困」のほうが深刻だと思った。

インドへ出発!

2008-02-19 12:52:24 | 旅行
2月16日(日)13:00、スリランカ航空で成田を出発。

前夜は某社のご接待を受ける。
丸ビル35階のタイ料理レストラン「Mango Tree」に。

たらふく食べて、赤白のフランスワインをポンポン抜いたら、
こっちの腰も抜けてしまった。

「リムジンでお送りしましょう」との申し入れをお断りして、
夜10:30過ぎの横須賀線に乗って鎌倉へ。
目が覚めたら東逗子だった。

ボーゼンと誰も居ない駅前に佇む。何とかタクシーを捜し、
家に着いたのが午前1時。某雑誌の翻訳作業「B29新潟空襲」
の残りを始める。

飛行機に乗ったら流石にホッとした。機内では結構なスリランカ料理。
多少睡眠不足だが、B29で人を殺しに行くよりはマシ、と自分に言い聞かせる。

背中と脇腹、丸見えのスリランカ衣装のスチュワーデス、いとキュート!

最強タッグチーム

2008-02-14 16:41:09 | 雑談
 今日の夕暮れの海岸は干潮で、いつもは歩けない沖のほうまで歩けた。ゴージャスな日没、富士山のシルエットがくっきりと夕日を背景に浮かび上がっていた。

 妻と「二人は最強タッグチームだ!」と盛り上がっていた。

 オラはつい「その通り! マイケロ・ソフトとグーグルが一緒になったくらいスゴイぞ」と言ってしまった。

 「マイクロソフト」と言えないオラを、妻は哀れみの目で見た。

オラはやっぱり変態?

2008-02-13 22:24:23 | メディア
あまりに美しい朝の材木座海岸を歩く。透き通った波が静かに岸に打ち寄せる。
「決して循環をやめない自然の恵みを感謝しましょう」と妻は言う。

 漁師たちが新ワカメを吊るして干している。ワカメが、風になびく大量の女性の下着に見えてしまう、オラは変態?

 「宝島」にテレビ論の原稿を送稿。

 たとえば冤罪事件の温床になる「密室」での取調べ。あれ一挙に「ナマ中継」しよう。

 「こちら現場です・取調室」。必ず取れるぜ、視聴率。警察も立件に自信あれば中継に応じる。テレビ側も容疑者サイドに交渉してモザイクなしでOKを取り付ける。

 はじめから「出来ない」と思うな。アメリカの報道番組では、モザイクなしに刑務所で犯人インタビューが出来るのだ。テレビとビールは、やっぱりナマですよね。

 『世界』の翻訳原稿、終了。3日ぶりのワインで祝杯。