しんちゃんの徒然なる映画日記

劇場で観た映画の感想を中心に綴っていきます。これからの参考になれば・・・

X-MEN:アポカリプス

2016年08月15日 23時00分58秒 | 作品名(あ行)
第407回「完結編として見事な幕引きだったと思います。」
前作「フューチャー&パスト」の評価があまり高いものではなかった私はあまり期待はしていませんでした。「X-MEN」シリーズの完結編ともいうべき作品「X-MEN:アポカリプス」を公開日に鑑賞してきました。ずっと言っていますが、アメコミ映画好きが始まったのは2000年に始まったこのシリーズがきっかけだったので、そのシリーズの集大成ともいうべき作品は見逃すわけにはいきません。ただ心配だったのは、旧シリーズへとどう繋げていくのか?ということでした。(これは後述しますが、私が誤解していました。)

紀元前3600年の古代エジプト。そこでは1人のミュータントが神と崇められ絶大な力を誇っていた。アポカリプス(黙示録)と呼ばれた彼は、自らの身体が年老いると別のミュータントへと精神を移すことで、長い年月を生き永らえていた。その時も転生の儀式を行っている最中だった。彼の存在を邪魔に思った人間達が彼を暗殺しようと儀式の最中を狙って攻撃を仕掛けてきた。アポカリプスの側近である四騎士の力によって命は守られるが、崩れ落ちたピラミッドの中へ封印されてしまうのだった。
時は流れ1983年、エジプトではアポカリプスを崇拝する集団によって、彼の埋まっているピラミッドが発掘され、復活の儀式が行われようとしていた。数千年ぶりに目を覚ましたアポカリプス。彼はその強大なテレパス能力で地球の様子を伺う。数千年ぶりに見た地球は彼の望む世界とは程遠いものだった。彼は決意する新たな秩序を世界にもたらすことを。彼は新たな四騎士を集め始める。その1人となったのはマグニートこと、エリック・レーンシャーだった。
時を同じくしてプロフェッサーXが運営する学園では、アポカリプスの復活を察知した人物がいた。プロフェッサーXを凌ぐテレパシー能力を持ちながら、その優しい性格のために実力を発揮できずにいたジーン・グレイだった。彼女はアポカリプスの手によって滅びゆく世界を目撃する。世界の危機を察知したプロフェッサーX率いるX-MENは未熟な若者ばかりだった。果たして世界の危機を救うことは出来るのか?

多くの人が誤解し、私自身もすっかり忘れてしまっていたことがあります。それはこの作品は旧3部作へと続く作品では無いということです。2000年公開の「X-MEN」へとどうやって繋げていくのかばかりに気を取られていた私はあることを思い出したのです。それは前作「フューチャー&パスト」で旧3部作へと続くはずだった時間軸を大きく変えたということでした。その後に展開されるであろう物語は、すでに作品となっている物語とは別の時間軸へと移行していたということでした。それを前提としてこの作品を観れば、色んなことが納得できます。ストームが四騎士の1人として現れることも、ナイトクローラーの登場時期が早いことも、ジーンが学園に来る時期が早いことも。個人的に評価出来るのは全部を無かったことにするのではなく、歴史が変わったことでストーリーへの関わり方を変えただけで、名前など主だった設定はそのまま使ったことです。

そしてこのシリーズが始まってからの一番の問題点は、「ミスティークの扱い方問題」です。個人的にはミスティークは好きなキャラクターなのですが、あくまで魅力的な悪役という位置づけで新3部作での扱い方には疑問が残ります。それはミスティークを演じている女優さんがジェニファー・ローレンスだということが一番のネックになっているのです。彼女はこのシリーズに出演するようになってから、アカデミー賞主演女優賞を受賞したりと女優として開花しました。おそらく彼女側からシリーズ出演を続けるにあたり、多少の交渉はあったのでしょうが、ほとんど彼女中心でお話が進んでしまっています。その扱いはプロフェッサーXを凌ぐほどになってしまいました。なんせ彼女がミスティークとして本来の青い姿を見せるシーンが限りなく少ないのですから。

ただそれでもX-MENとしての魅力が失われたわけではありません。多くのキャラクターが登場し、力を合わせて敵を倒すという図式は今作でも健在です。前作よりもパワーアップしたといってもいいかもしれません。旧3部作ではメインキャラだったストーム、サイクロップス、ジーンなどは若手俳優さんへと変更されましたが、未熟なキャラクターが成長していく姿は見ていて清々しくもありました。旧3部作はジーンの死という悲しい結末でしたが、今作はこの先の未来が明るいものだと思える脚本でした。

点数は★★★★★です。メインシリーズはこれで終わりかもしれませんが、ウルヴァリンの最終作も、デッドプールの続編も、ガンビットの新作も控えているのでX-MENの世界観はまだまだ続いていくことでしょう。願わくば今作の若手で新シリーズなんてのも観てみたいと思いました。今作でもエンドロール後のお楽しみがあります。それを見る限りではまだまだ期待してもいいのかも・・・

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ジェームズ・マカヴォイ,マイケル・ファスベンダー,ジェニファー・ローレンス,オスカー・アイザック
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