今月下旬に、E先生門下発表会を控えている下の娘ですが、
それに先駆けて先週土曜日に試演会がありました。
当日は朝家を出る時からわかりやすくテンションが下がっていて、
すでに自分に負けている感じだったのですが、
予想通り散々な結果に終わった模様で、意気消沈して帰って来ました。
本人の口から、「だめだった」とか「最悪だった」とか、
そういった残念発言も一切出て来なかったので、
これは相当大きな失敗をしたんだなと思い、ぐっと我慢、
おやつを食べてだいぶ時間が経ってからようやく聞いてみました。
娘曰く、
「今思い出しても、胸がつぶれる思い。月曜日、学校に行きたくない。」
ほほう。
これは初めての表現だわ。
「やばい!」とか「最悪!」とかいうのは、実はそこまで悪くない。
今回娘が吐露した言葉には、いかに悪かったか、真実が見えます。
どんなふうに悪かったのか聞いてみたところ、
「間違えてばかりで、思うように手が動かなかった。音楽も流れていなかった。」
先生はなんておっしゃってたの?
「『全然ダメ! 肘が固まってたし、音も悪い。そんなんじゃ試験受からないわよ!』
って言われた。」
娘の持つ唯一の美点で、E先生がそれだけは褒めてくださる「音」、
これを否定されてしまったら娘には何も残らない。
なぜ、ここまで悪かったのか。
そもそも、今回弾いた2曲は、来年2月の実技試験で弾く曲。
そこに照準を合わせているわけで、今この段階で完璧に弾けなくてもまだ問題ないはず。
実際、試演会の前日にE先生のレッスンがあったのですが、
E先生もこの時点での娘の出来上がり具合を十分承知していらっしゃるわけですし、
そのたった16時間後に飛躍的に上達しているなどとは到底お考えになるはずもない。
つまり、前日までの仕上がり具合から考えられる、
おそらくこのくらいのレベルの演奏はできるであろうという予想を
大幅に下回ったんだろうな。
これはね、娘の性格を知っている私にはわかります。
娘が陥りやすい勘違い。
メンタルな部分ですね。
試演会前に話して聞かせるべきだったな。
うっかりしてたな。
終わってから、気付いた
でも、まあ、今回は試演会。
次の発表会でまた頑張ればいいわ。
この日、午後からの授業に出席するため、娘は試演会の途中で退席。
その時、娘のふがいなさに怒っていらした先生ですが、
おにぎりをそっと手渡してくださったそうです。
厳しくも優しい先生なのです。
同時に、「夜9時半ごろ電話を寄越しなさい。」とささやかれたそうです。
夜、娘がもたもたしていたので、結局先生の方からお電話を頂いてしまいました。
部屋にこもってしまったので、様子はわかりませんでしたが、
40分程、試演会のことも含めていろいろなお話をしてくださったそうです。
大学生の時は、朝3時間、午後3時間、夜3時間、毎日練習していたとのこと。
E先生は、日本で最も権威あるクラシック音楽コンクール(Sくんが2位を獲得したコンクール)
のピアノ部門で、4位に入賞されていらっしゃるのですが、その時のお話も。
当時師事していた先生が、最難関のコンクールだから本選まで行けるはずがないとおっしゃって、
なんと本選の曲の用意をしていなかったそうなのです。
ところが、E先生は3次予選を突破、ファイナリストとなったのです。
E先生ご自身も、師事していた先生も真っ青。
しかし、ここからがE先生のすごいところ。
本選までのたった2週間で、60ページに渡る曲をすべて暗譜して仕上げたのだそうですよ
もちろん過去に一度仕上げたことのある曲でしょうけれど、
それにしてもたった2週間で完璧な仕上がりに持って行くというのは並大抵のことではないはず。
素晴らしい集中力と精神力ですよね。
結果、みごと4位入賞。
ご本人曰く、
本選の曲を事前に用意していたら、もっと上に入賞できたわ・・・とのことですが、
本当にそうでしょうね。
まあ、なんというか、娘には遠すぎて縁のないお話のようですが、
要は、練習の大切さと、本番に対する心構え、ということだと思います。
下の娘と地元タリーズでお茶。
いつのまにか寝てた
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