そんなことは、言われなくとも、娘にだってわかっていたと思うのです。
だからこそ、最初の1ヶ月程は、黙ってひたすら練習を続けていたのでしょう。
でも、新しいヴァイオリンはいつまでたっても言うことを聞いてくれない。
自分ではこう弾きたいのに、こういう音を出したいのに、
なかなか思うようにさせてくれない。
さすがに耐えられなくなってきた、というわけです。
6年半一緒だった最初のフルサイズを手放す時は、
たくさんの溢れる思いと感謝の気持ちを伝えたし、
父親から受け継いだヴァイオリンを手にした時には、
新しい相棒に対してきちんと自己紹介と挨拶をした。
礼は尽くしたつもり、と思っていたのだと思います。
でも、まだまだ足りなかったのですね。
なんといっても、30年ですからね。
30年大切に大切にしてきた父親の魂ががっつり籠っちゃって、
なかなか抜けてくれないのかもしれないし、
ヴァイオリンは弾く人を選びますから、まだこいつには時期尚早だ!
と思われているのかもしれません。
「パパの30年に対して、1ヶ月で対抗しようなんて、虫が良すぎるんじゃない?」
「そうだよね、もっとたくさん弾かないとね。 会話もしないとね。」
「そうだよ。 まだまだ試されてるんだよ。 ○○○がどの程度のものかって。
新しい相棒だってこと、ヴァイオリンにも認めてもらわないとね。」
雨上がりの一輪。
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