センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

環境異変を野鳥観察から学ぶ!

2008-09-09 00:03:12 | 感覚
今月の7日(日曜日)に定例の「井の頭小学校の探鳥会」が実施され、今回は私の地元でもあり、私が良く通っている「谷津干潟」である。
参加者は学校の先生も含め、大人13名、子供6名といつもより少なめだが、充実した探鳥会になった。
今回確認出来た野鳥の種類は23種程度と何時もよりは少ないが、何より、子供達が色々な貴重な体験ができたのである。
何ヶ月か前に東京湾で「青潮」が発生し、魚貝類に多大な被害が発生したのである。
これらが谷津干潟の蟹や魚、アサリ、ゴカイなど多くが死んでしまう大事件が発生したのである。
これらの影響から、シギ、チドリ類の餌が極端に減少し、何時も何十羽、時には100羽以上の群れを造っているシギ、チドリが何羽しか確認出来なくなったのである。
これらの環境異変が起こると、私達はすぐに「地球温暖化」と簡単に片づけてしまうが、確かに海面温度の上昇や潮の流れなどの変化から、プランクトン異状発生から青潮が大量に発生したのである。
では、消えたシギやチドリ類は何処に消えたのでしょうか、少なくても東京湾沿いの一部と、他の県や数少ない干潟を目指したのだと予想されるのです。
では、野鳥たちや自然界の生き物達はこのような環境異変などどのようにして感じ取り、察知するのでしょうか?
私達人間なら、食べ物をまず探し、無ければスーパーやコンビニで食糧を買えば良いですが、野鳥たちは自分の能力で餌を探し、自分で食べなければ「生死」に関わる問題なので必死なのです。
これらの能力を私共は「遺伝子プログラム(本能)」と呼んでいる。
私達人間の視野は身長の高いヒトでも2m前後です。ところが野鳥たちは上空から干潟や場所の異変を本能的感覚で敏感に感じ取るのです。
もし、判断を間違って環境が異変した場所に止まると群れそもそもの生命が危なくなるのです。
野鳥や生物の専門の研究者も実は、野鳥たちが環境変化にどのように気づき、感じるのかなどのシステムや仕組みについてはハッキリ分かっていないのが現状なのです。
仮説の段階であり、今後、解明されると思われるが想像でしか私も同様に言えないのである。
私の仮説は野鳥や生物の脳の働き「磁場説」である。野鳥の多く、特に渡り鳥と言われる野鳥たちは特にこの能力に長けているのである。
世界中を中継しながら目的地を目指す野鳥たち、時にはあのエベレスト山を越えてインドに渡る小型の鶴など私達の想像を超えているのだ。
私達人間では感じ取れない磁場の変化に対して野鳥などは特に敏感なのである。
皆様も、地震の前に生き物達が異常行動を起こしたなどと良く聞くと思いますが、これらは遙か深い地底で起こっている。地面の移動や岩石から発生するエネルギーが巨大な磁場を発生したりするので、これらの磁場を生き物達は敏感に感じ取るのです。
私達の能力を遙かに超えたスーパーセンスであり、自然界で生き延びる(子孫繁栄)が可能になる能力なのです。
ですから、青潮の影響で生き物が少なくなった谷津干潟の異変を敏感に感じ取り、回避したのだと想像できるのです。
確かに水辺の野鳥、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カウワの数は減っていないし、逆に増加しているのです。
これらの関係は餌の条件である。シギやチドリ類はカニ、ゴカイ、アサリなど主に食べているのです。
これらが青潮の影響で以前のように復活するのには大分時間を有すると思われるのです。
これらの現場を井の頭小学校の子供達は実際の現場を観て、学んだのです。
これらが「生きた教育であり、環境教育の実践」に繋がっているのです。
また、机上では学べない「体験と学習」があるのです。
私が子供の頃に体験した学習が現在活かされているように、井の頭小学校の探鳥会に参加されている親子、子供達は必ずや将来自分のためになり、自分の能力(知的財産)になるのです。
私はこれらを勝手に「五感教育」と名付けているが、全国規模でこのような教育が広がればと願っている。
私は、井の頭小学校の子供達や親子が参加されている探鳥会は何と贅沢な教育だと考えている。勿論教育的価値の高さもある。
現に、この井の頭小学校の探鳥会の歴史は20年以上続いており、私がこの探鳥会の講師を受けてから10年以上の月日が経っている。
以前に小学生だった大学生や大学院生、研究員などが偶に探鳥会に遊びに来るが、皆、何かしら知的な仕事に従事している人達や中には、美術系大学、生命科学の大学院で研究を続けている人や大学の教授を目指している人達など10年前に小学生だった子供達が現在、立派になり、私との出会いで刺激され、中には憧れて研究者になった者など様々である。
私は、現在の井の頭小学校の探鳥会に参加されている子供達の10年後が楽しみであり、また、期待もしている。出来れば私共の施設の研究者か私の跡継ぎとして生命科学の研究を受け継いで欲しいと強く願っている。
私は君たちを待っているし、期待もしている。だから頑張って今後も探鳥会に参加され、多くの事を自然から学んで欲しいものである。
私の口癖は「自然は教科書以上の事を教えてくれるし、学ぶ事もできる」。
子供達だけでなく、我々大人も同様に自然から学ぶことは多くある。今一度自己の五感を総動員して自然を感じ取ることである。
私達人間は、自然に生かされ、生き物達と生存して行かなければならないのである。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、




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