センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

自然から学ぶ! (開発のヒント)

2006-04-29 01:25:44 | 感覚、五感
私達の身の回りの多くの物が、自然界からのヒントを得てデザインや商品に活かされている。つまり、自然からのプレゼントなのである。
例えば、500系の新幹線のデザインは、野鳥のカワセミの嘴とフクロウの羽からヒントを得て、デザインされたものである。
新型新幹線のデザインを担当した研究者は、高速で走る新幹線は、トンネルを通過したとき、出口で空気圧から巨大な音と共に、突風が吹くという難問があった。
その担当者は、趣味でバードウォッチングをしており、ある日、カワセミがダイビングして魚を捕った姿を見て、嘴の形を新幹線の先頭車両のデザインに応用したのである。
(スライド参照) カワセミの嘴は、尖っているのでなく、少し丸みを帯びている。そのため、水に飛び込んでも尖った形状より、嘴の先が丸みを帯びている方が水の跳ね返りが少ないのである。これで、空気抵抗が低減出来るのである。
このデザインを採用することで、トンネルの出口でドーンという、大きな音が消えたのである。ところが、高速で走る新幹線は、パンタグラフ(電線から電気を引き込む)装置から大きな音が発していることが分かり、風きり音を小さくできないかと試行錯誤した。悩んでいた研究者は、気晴らしにバードウォッチングに出掛け、偶然にフクロウが飛んでいる姿を確認した。そのフクロウは羽ばたきの音もなく、飛んできたのである。
これだと感じた研究者は、すぐに研究室に帰って、フクロウの羽の形状を観察、研究した。そして、現在のパンタグラフのデザインになったものです。
他にも、地下トンネルを掘るマシン(シールドマシーン)は、フナクイムシという、軟体動物、フナクイムシ科の一種。体長約一〇センチメートル。体は白くて細長い。海産二枚貝の仲間であるが殻は退化して著しく小さく、体の先端に付着する。殻で木造船や海水中の木材に穴をあけて被害を与える。世界の海洋に広く分布する。貝の仲間ですが、流木などに穴を開けるのだが、深く掘った穴の回りに体内から白い液を出して固めて、掘り出した木くずはおしりの方から吐き出してしまうのである。
これを観察していた、トンネル掘削機の研究者はこのフナクイムシの行動を観察して、応用したのである。
あのロケットの応用も実は、ある昆虫の生態を観察していた研究者が偶然に見つけ出したものである。その昆虫とは「ヘッピリムシ」という、甲虫は敵から身を守るためにおしりから液体を出す。その液体は何と100度近く温度があり、人の掌でもチクッとする程度たちだが、外敵の野鳥には効果覿面である。
研究者はこの昆虫を調べた結果、おしりから出された液には「ヘリウムと水素ガス」が発生されており、ジェット噴射して熱を出していたのです。この原理を利用したのが液体燃料ロケットなのです。
他に、植物関係では、多くの新薬の開発、漢方などの植物の根などを応用したものです。
あのマジックテープも植物の種子からヒントを得ている。
スポーツの世界でも、特に陸上や体操の演技などに生き物の行動からヒントを多く得ている。現在では、陸上競技での短距離走などのスタート時(クラウチングスタート)が主流ですが、このスタート方法は、カンガールの飛び方を真似たものである。
1932年ロサンゼルス五輪で陸上の三段跳びで金メダルをとった南部忠平選手は、スランプの時に上野動物園に何度も足を運んだという、その目的は、ある生き物を観察することだった。その生き物とは、ニホンザルである。
ニホンザルが木の枝に飛び移るときのジャンプを観察していたのである。
サルは枝に飛び移るとき「反り跳び」という行動をする。
この方法を利用して三段跳びで、世界記録で優勝することが出来たのである。
最近では、世界陸上で短距離(200m)で末續慎吾選手が日本人初のメダルをもたらした。
この走りは「ナンバ走り」という、腰を捻って走る走り方から独特の走りをしたものである。この走りこそ、競走馬の走り方からヒントを得たものである。
水泳では、平泳ぎはカエルの泳ぎに似ているし、ドルフェンキックという、長く潜って両足でキックする泳ぎ方は、イルカの泳ぎ方からヒントを得ている。
このように、製品の開発やスポーツなど色々な物が自然界からヒントを貰っている。
なにより、これらのヒントを引き出すのは、私達人では「創造性」という、能力が必要である。人の脳では「創造性」は前頭連合野という、脳部で生まれる感覚です。
目的意識がハッキリしていること、試行錯誤の産みの苦しみから創造性はうまれるのです。また、自然界からのヒントを得るのには「観察力」や「洞察力」を必要とします。
開発担当者やトップアスリートなどは、この観察力と洞察力に優れている人達とも言えるのです。
つまり、自己の五感が鋭い人達とも言えるのであります。
五感を鍛錬することは、これらの能力を向上させるものであり、脳も同時に活性化させることになるのです。
現在の子供達や若者達に特に欠如している能力にこの「創造性」があります。
以前には、「指示待ち」人間などという言葉が流行りましたが、仕事でも指示があるまで自分で考えながら仕事をすることが出来ず、また、マニアルがなければ仕事も出来ない人達なのです。
これらの人達は与えられた仕事は処理的にこなし、素早く行うことが出来ますが、クリエーティブな発想や創造などの業務を苦手とします。
私は、多くの企業から相談されるのですが、どうしたら若者達にこの創造力が身に付くのかという内容です。
自己啓発ということで、社内で教育を実施しているようですが、上手く行かないのが現状です。それは、会社側でもマニアル通りに研修を行っているからです。
今一度、創造性を鍛錬するために、自然界から学び、観察力や洞察力を身に付け、自己の五感を鍛錬することです。
そのことで、感覚が鋭くなり、仕事や勉強などの目的意識がハッキリすることで、目標が出来、やる気が生まれ、このやる気が創造性の能力に繋がるのです。
やる気と創造性については、詳しくは私のブログを御覧頂ければ理解できると思います。
このように自然界からは、私達は学ぶことが沢山あり、まだまだ隠されたヒントが多く自然界にはあるのです。つまり「自然は教科書以上のことを教えてくれる」ということです。
とくに、現在の子供達は、成長段階にありますから、自然から学び、体験させ、脳に刺激を送ることで、五感や感覚が活性化し、正常化出来るのです。
子供は、自然の中で成長するように私達人間にはプログラミングされているのです。
それは、本能の遺伝子が備わっているのです。
私達、ヒトはサルから枝分かれしたホモサピエンスは400万年前、アフリカで誕生した。その頃の私達の先祖は、森で狩りをし、塒を構え、小さいながらも集団生活を営んでいた。男性は狩りに出掛け、女性は子供を産み、育て、家庭を守っていた。
この頃からの本能的遺伝子が現代人まで面々と受け継がれているのである。
3万5千年前のヒトは、現在のヒトと同じ脳の大きさ、重さを備えている。
つまり、ヒトの脳の大きさは3万5千年前から変わっていないのである。
進化の過程で脳の大きさは止まったままなのである。
では、3万5千年前のヒトと現代人では脳の進化の過程で大きさは変わらないが、最も劇的な変化をもたらしたのは「前頭連合野」の発達である。
この前頭連合野の発達により、創造性が生まれ、我々ヒトは科学の進歩などにより、高度な技術を駆使して、色々な物を開発、発明してきた。
このように私達ヒトは、自然との関わりが深くあり、現在も関わり合いがあるのだが、多くの人達に自然は軽視されているし、自然と接する機会も希薄に成っている環境である。だから、現在の子供達や若者達を観察していると、五感や感覚、思考などに異変が生じているし、行動にも異変が生じている。
今一度、自然を見直し、自然に接し、そして学ぶことである。このことで脳や五感が活性化され、五感も鋭くなる、結果、創造性や観察力、洞察力などの能力も向上するのである。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、





コメント (1)
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前頭連合野が人の集中力、情報の統合、判断に関わっている。

2006-04-20 21:55:23 | 感覚
人の脳は、52の部分から別れている、特に46野は、記憶情報の統合判断や五感からの情報を統合し、情報が何であるか判断する。
特に、集中力に関わっており、人の脳の良さは、つまり、頭の良さに関わっているという、最近の脳研究で分かってきた。
上記の図で説明致します。
前頭連合野46、この部分は、人の頭の良さに関わっている。
この脳部位は、3歳頃からの体験や学習で鍛えられ、大人になって鍛錬しないと衰えていく場所でもある。
44,45,46分野は、人の創造性に関わっています、五感などの情報を統合し、情報が何で有るか瞬時に判断する、例えば、5つほどの絵を見せ、短時間に暗記させ、3番目の絵は何で有ったか応えさせると瞬時に人は応えられる、つまり、視覚などの情報を前頭連合野46で判断するのである。
この判断力のスピードこそ、人の頭の良さに繋がるのである。
記憶には、短期記憶→電話番号や人の名前を覚えるなどに関わっている脳部(海馬)長期記憶→体験記憶や五感などの情報を記憶する、大脳新皮質、脳の回りを2mm状の細胞が取り巻き、その細胞の中に円錐形の「コラム」という細胞は数千とある。
その細胞に長期記憶「思い出や漢字を覚えたなど」を記憶しておく、睡眠中に「夢」を見たりするのは、脳内パルス(微電流)が興奮し、このコラムに流れ、子供の頃や空を飛ぶ夢など現実では考えられない出来事を夢見たりすることがあるのも、この脳のいたずらなのである。
人の記憶をアップさせるには、トレーニングのようなものが必用である。
例えば、受験生が歴史や英語の単語を暗記するのに、大体の生徒は、今でも単語帳のような物を作って見ながら暗記している。これでは、次の日に多くを忘れることが多い。
そこで、声に出して読みながら単語など暗記する、出来れば、鉛筆でなぞったりしながら、五感を活用することで、記憶を深くすることが可能になる。
また、歴史の年号や長い文書の暗記には、物語風に暗記することである、手振りなど交えながら覚えることである。
また、夜の勉強では、脳に記憶したものは、暗記したらすぐに眠ることである。
だらだらと3時間の勉強より、集中して1時間30分ほどの勉強の方が効率よく暗記できるのである。
また、夜食などでお腹一杯にしたり、勉強の後にラジオや音楽など聴いたりすると雑念が入り、翌朝には忘れていることが多い、そこで、覚えたらすぐに眠って、朝目覚めたら、昨日覚えたことを思い出し、テストの復習をしてみることである。
ほとんど覚えているはずである。少しの驚きがあれば、完全に暗記できるようになる。
人間は、満腹状態では、脳の活性化も低下し、記憶力の低下にも繋がる、ハングリーな状態では、脳内にペプチドという、脳を活性化する物質が分泌され、運動性の向上、記憶力のアップなどに繋がるものである。プロボクサーが減量し、試合前の何日も前から食事を制限するのは、実は運動神経の興奮を高める効果と、脳の格闘精神を高める効果があるからなのです。これらも脳を活性化させるための減量なのです。
このように、人の脳は未知の部分が多く、私達は脳の脳力の30%程度しか活用していないという研究発表もある。
そこで、五感を鍛錬することで、脳が活性化します、特に前頭連合野46部が活性化されることで、頭の回転も速まり、頭の良い人になるのです。
つまり、判断力や記憶力の向上及び創造性の能力アップなどにも繋がるのです。
ですから、五感情報を出来る限り多く子供の頃から取り入れることである。
そのことで、実体験学習が出来、長期記憶となり、脳が刺激される、また、前頭連合野全体が活発に活動し、学校の学習と五感からの情報で真に頭の良い子供に育つのである。
現在は、IQが高い人が、頭が良いとされているが、平均100で有るが130以上は天才といわれている、これは、総合的な評価で、生まれ持った知識や記憶であり、現在では参考にされない。最近はHQという、テスト法がある。HQテスト(人間力指標診断システム)計算や漢字、年号などの暗記記憶中心ではなく、判断力や記憶力、社会力、適応性などを総合的に判断して評価するものです。つまり、前頭連合野46が深く関わっているのです。
以上のことから、脳の鍛錬には、まず、五感情報を脳に多く送ることから始めることで脳は活性化するのです。    
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、

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芸術家と音楽家の脳!

2006-04-13 20:42:08 | 感覚
芸術家や音楽家など創造的な能力を必要とする職業では、創造、独創性の新しいものをみずから創りだす能力を必要とする。
これらの能力は、ヒトの脳の巨大化した大脳新皮質、中でも前頭連合野には、創造性を生み出す部分がある。
ヒトの創造性や独創性は、前頭連合野へ向かうA10神経でドーパミン(快感物質)が過剰に分泌され、前頭連合野が過剰に活動し、試行錯誤しながら自由奔放な発想が湧き、創造性や独創性が発揮できると考えられている。
天才と狂気は紙一重である。
創造性などの素はドーパミン(快感物質)が関わっている。このドーパミンの過剰分泌で「創造性」が生じる、このことは、快感と創造性が密接な繋がり、「快感が創造性を創り出す」といっても過言ではない。
また、A10神経を中心としたドーパミンの過剰分泌は幻覚、妄想などの感覚を生み、果ては精神分裂病を生じさせることもある。
この精神分裂病もドーパミンの過剰分泌に関わっている。
実際、歴史的にみても世界的に有名な芸術家、特に画家には分裂気質の人達が多い。
ヒトの脳では、芸術などは「右脳」が関わっている、他に右脳は空間認知なども司っている。
音楽家の脳は、特に五感の内でも「聴覚」が非常に発達している。現に、バッハの頭蓋骨が現在まで存在しており、頭蓋骨が変形するほど、聴覚が発達している。
上のスライドを見て頂ければ分かるが、矢印の部分が異常に盛り上がっている。
聴覚野が普通の人より、脳の皺や溝が深く、脳細胞の数も多くあることが理解できる。
また、音楽家は、ピアノなど弾きながら聴覚だけでなく、視覚も刺激されるという実験結果がある。それは、普通の人がピアノを弾いたときには、聴覚や触覚の一部だけが刺激されているが、プロの音楽家は、聴覚はもちろん、触覚、視覚までもが刺激されている。そのことにより、名曲などを作曲できたのだと想像できる。
つまり、バッハなどはピアノを弾きながらオーケストラが視覚的に脳の中で見えていたのである。だから、複数の楽器の音が忠実に頭の中で浮かんでおり、そのことにより、独創的で創造的な音楽が完成したのである。
だから、作曲するときにはオーケストラが脳の中で見えており、メローディーも脳の中でイメージとして湧いてくるのである。
ある音大の生徒に協力して貰い、MRI(脳波実験)により、面白いデータが出た。
ピアノを弾きながら作曲するのでなく、脳でイメージしながら作曲して貰うという実験です。実験の結果、最も活発に活動している脳部は「聴覚野」(前方大脳側頭極)、この部分は聴覚野でも特別な部分で、作曲を創る時に「複数の楽器の音が忠実に頭の中で再現」されている。
同時に視覚野が刺激されている。音をイメージしている時にオーケストラなどが頭の中で浮かび上がるという。
また、前頭部皮質下部、この部分は新しい記憶に関わっており、過去の体験や記憶を参考にしなが曲をイメージしているのです。
実験の結果、面白い反応が出た、それは、「体腔壁皮質」右脳の後頭葉が活発に働いていることに注目した。この場所は、自分が居る位置や場所など「空間認知」に関わっている脳部である。つまり、オーケストラの楽器の位置や指揮者などの位置を頭の中でイメージし、総合的に脳をコントロールしている。
普通の人では、このような自己の脳をコントロールすることも出来ないし、イメージしただけで音や楽器のイメージまで浮かばない。
これらの感覚は、日々の鍛錬や訓練によって生まれる感覚である。
私達が鍛錬しても簡単にできる感覚ではない、特別な能力だと実感できる。
また、多くの芸術家や音楽家には「共感覚」という、感覚がある。
共感覚とは、五感のうち二つ以上の感覚が同時に働く脳現象を意味します。
あのアンシュタインやフランツ・リストなどが共感覚の持ち主として有名です。
リストは、音符に色が付いて見えていたと言われ、オーケストラにもっと青っぽい色で演奏してと指示していたと言われている。
この共感覚は創造性とも深い関係にあり、共感覚の持ち主には、芸術的な能力や音楽、美術にと能力を発揮しているようです。
共感覚は、私達が鍛錬したり、訓練しても育たない感覚です。但し、1歳ぐらいまでは誰でも持っている感覚なのですが、生活環境や体験、学習などによって多くの方々では忘れられてしまう感覚なのです。
共感覚の人達は、子供の頃の感覚をそのまま受け継いだ人達とも言えるのです。
よって、芸術家や音楽家の脳では、イメージするだけで脳が勝手に作動するという、感覚になっていると想像できる。私達が幻覚や妄想を見ている感覚に似ている。
私達でも、鍛錬や訓練をすることで脳をコントロールすることは可能である。そのためには、やはり、五感をフルに活用し、目的意識を強く持って、リラックス状態を造り出し、妄想でも瞑想でもよいから思考し、これらの体験を多く重ねることで「感性」などの能力として身に付くのである。
この感性と独創性、創造性が結びついたとき、ヒトに感動を与えたり、ヒトの心を打つような作品を創り出す能力に繋がるのです。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、





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