私達の身の回りの多くの物が、自然界からのヒントを得てデザインや商品に活かされている。つまり、自然からのプレゼントなのである。
例えば、500系の新幹線のデザインは、野鳥のカワセミの嘴とフクロウの羽からヒントを得て、デザインされたものである。
新型新幹線のデザインを担当した研究者は、高速で走る新幹線は、トンネルを通過したとき、出口で空気圧から巨大な音と共に、突風が吹くという難問があった。
その担当者は、趣味でバードウォッチングをしており、ある日、カワセミがダイビングして魚を捕った姿を見て、嘴の形を新幹線の先頭車両のデザインに応用したのである。
(スライド参照) カワセミの嘴は、尖っているのでなく、少し丸みを帯びている。そのため、水に飛び込んでも尖った形状より、嘴の先が丸みを帯びている方が水の跳ね返りが少ないのである。これで、空気抵抗が低減出来るのである。
このデザインを採用することで、トンネルの出口でドーンという、大きな音が消えたのである。ところが、高速で走る新幹線は、パンタグラフ(電線から電気を引き込む)装置から大きな音が発していることが分かり、風きり音を小さくできないかと試行錯誤した。悩んでいた研究者は、気晴らしにバードウォッチングに出掛け、偶然にフクロウが飛んでいる姿を確認した。そのフクロウは羽ばたきの音もなく、飛んできたのである。
これだと感じた研究者は、すぐに研究室に帰って、フクロウの羽の形状を観察、研究した。そして、現在のパンタグラフのデザインになったものです。
他にも、地下トンネルを掘るマシン(シールドマシーン)は、フナクイムシという、軟体動物、フナクイムシ科の一種。体長約一〇センチメートル。体は白くて細長い。海産二枚貝の仲間であるが殻は退化して著しく小さく、体の先端に付着する。殻で木造船や海水中の木材に穴をあけて被害を与える。世界の海洋に広く分布する。貝の仲間ですが、流木などに穴を開けるのだが、深く掘った穴の回りに体内から白い液を出して固めて、掘り出した木くずはおしりの方から吐き出してしまうのである。
これを観察していた、トンネル掘削機の研究者はこのフナクイムシの行動を観察して、応用したのである。
あのロケットの応用も実は、ある昆虫の生態を観察していた研究者が偶然に見つけ出したものである。その昆虫とは「ヘッピリムシ」という、甲虫は敵から身を守るためにおしりから液体を出す。その液体は何と100度近く温度があり、人の掌でもチクッとする程度たちだが、外敵の野鳥には効果覿面である。
研究者はこの昆虫を調べた結果、おしりから出された液には「ヘリウムと水素ガス」が発生されており、ジェット噴射して熱を出していたのです。この原理を利用したのが液体燃料ロケットなのです。
他に、植物関係では、多くの新薬の開発、漢方などの植物の根などを応用したものです。
あのマジックテープも植物の種子からヒントを得ている。
スポーツの世界でも、特に陸上や体操の演技などに生き物の行動からヒントを多く得ている。現在では、陸上競技での短距離走などのスタート時(クラウチングスタート)が主流ですが、このスタート方法は、カンガールの飛び方を真似たものである。
1932年ロサンゼルス五輪で陸上の三段跳びで金メダルをとった南部忠平選手は、スランプの時に上野動物園に何度も足を運んだという、その目的は、ある生き物を観察することだった。その生き物とは、ニホンザルである。
ニホンザルが木の枝に飛び移るときのジャンプを観察していたのである。
サルは枝に飛び移るとき「反り跳び」という行動をする。
この方法を利用して三段跳びで、世界記録で優勝することが出来たのである。
最近では、世界陸上で短距離(200m)で末續慎吾選手が日本人初のメダルをもたらした。
この走りは「ナンバ走り」という、腰を捻って走る走り方から独特の走りをしたものである。この走りこそ、競走馬の走り方からヒントを得たものである。
水泳では、平泳ぎはカエルの泳ぎに似ているし、ドルフェンキックという、長く潜って両足でキックする泳ぎ方は、イルカの泳ぎ方からヒントを得ている。
このように、製品の開発やスポーツなど色々な物が自然界からヒントを貰っている。
なにより、これらのヒントを引き出すのは、私達人では「創造性」という、能力が必要である。人の脳では「創造性」は前頭連合野という、脳部で生まれる感覚です。
目的意識がハッキリしていること、試行錯誤の産みの苦しみから創造性はうまれるのです。また、自然界からのヒントを得るのには「観察力」や「洞察力」を必要とします。
開発担当者やトップアスリートなどは、この観察力と洞察力に優れている人達とも言えるのです。
つまり、自己の五感が鋭い人達とも言えるのであります。
五感を鍛錬することは、これらの能力を向上させるものであり、脳も同時に活性化させることになるのです。
現在の子供達や若者達に特に欠如している能力にこの「創造性」があります。
以前には、「指示待ち」人間などという言葉が流行りましたが、仕事でも指示があるまで自分で考えながら仕事をすることが出来ず、また、マニアルがなければ仕事も出来ない人達なのです。
これらの人達は与えられた仕事は処理的にこなし、素早く行うことが出来ますが、クリエーティブな発想や創造などの業務を苦手とします。
私は、多くの企業から相談されるのですが、どうしたら若者達にこの創造力が身に付くのかという内容です。
自己啓発ということで、社内で教育を実施しているようですが、上手く行かないのが現状です。それは、会社側でもマニアル通りに研修を行っているからです。
今一度、創造性を鍛錬するために、自然界から学び、観察力や洞察力を身に付け、自己の五感を鍛錬することです。
そのことで、感覚が鋭くなり、仕事や勉強などの目的意識がハッキリすることで、目標が出来、やる気が生まれ、このやる気が創造性の能力に繋がるのです。
やる気と創造性については、詳しくは私のブログを御覧頂ければ理解できると思います。
このように自然界からは、私達は学ぶことが沢山あり、まだまだ隠されたヒントが多く自然界にはあるのです。つまり「自然は教科書以上のことを教えてくれる」ということです。
とくに、現在の子供達は、成長段階にありますから、自然から学び、体験させ、脳に刺激を送ることで、五感や感覚が活性化し、正常化出来るのです。
子供は、自然の中で成長するように私達人間にはプログラミングされているのです。
それは、本能の遺伝子が備わっているのです。
私達、ヒトはサルから枝分かれしたホモサピエンスは400万年前、アフリカで誕生した。その頃の私達の先祖は、森で狩りをし、塒を構え、小さいながらも集団生活を営んでいた。男性は狩りに出掛け、女性は子供を産み、育て、家庭を守っていた。
この頃からの本能的遺伝子が現代人まで面々と受け継がれているのである。
3万5千年前のヒトは、現在のヒトと同じ脳の大きさ、重さを備えている。
つまり、ヒトの脳の大きさは3万5千年前から変わっていないのである。
進化の過程で脳の大きさは止まったままなのである。
では、3万5千年前のヒトと現代人では脳の進化の過程で大きさは変わらないが、最も劇的な変化をもたらしたのは「前頭連合野」の発達である。
この前頭連合野の発達により、創造性が生まれ、我々ヒトは科学の進歩などにより、高度な技術を駆使して、色々な物を開発、発明してきた。
このように私達ヒトは、自然との関わりが深くあり、現在も関わり合いがあるのだが、多くの人達に自然は軽視されているし、自然と接する機会も希薄に成っている環境である。だから、現在の子供達や若者達を観察していると、五感や感覚、思考などに異変が生じているし、行動にも異変が生じている。
今一度、自然を見直し、自然に接し、そして学ぶことである。このことで脳や五感が活性化され、五感も鋭くなる、結果、創造性や観察力、洞察力などの能力も向上するのである。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、
例えば、500系の新幹線のデザインは、野鳥のカワセミの嘴とフクロウの羽からヒントを得て、デザインされたものである。
新型新幹線のデザインを担当した研究者は、高速で走る新幹線は、トンネルを通過したとき、出口で空気圧から巨大な音と共に、突風が吹くという難問があった。
その担当者は、趣味でバードウォッチングをしており、ある日、カワセミがダイビングして魚を捕った姿を見て、嘴の形を新幹線の先頭車両のデザインに応用したのである。
(スライド参照) カワセミの嘴は、尖っているのでなく、少し丸みを帯びている。そのため、水に飛び込んでも尖った形状より、嘴の先が丸みを帯びている方が水の跳ね返りが少ないのである。これで、空気抵抗が低減出来るのである。
このデザインを採用することで、トンネルの出口でドーンという、大きな音が消えたのである。ところが、高速で走る新幹線は、パンタグラフ(電線から電気を引き込む)装置から大きな音が発していることが分かり、風きり音を小さくできないかと試行錯誤した。悩んでいた研究者は、気晴らしにバードウォッチングに出掛け、偶然にフクロウが飛んでいる姿を確認した。そのフクロウは羽ばたきの音もなく、飛んできたのである。
これだと感じた研究者は、すぐに研究室に帰って、フクロウの羽の形状を観察、研究した。そして、現在のパンタグラフのデザインになったものです。
他にも、地下トンネルを掘るマシン(シールドマシーン)は、フナクイムシという、軟体動物、フナクイムシ科の一種。体長約一〇センチメートル。体は白くて細長い。海産二枚貝の仲間であるが殻は退化して著しく小さく、体の先端に付着する。殻で木造船や海水中の木材に穴をあけて被害を与える。世界の海洋に広く分布する。貝の仲間ですが、流木などに穴を開けるのだが、深く掘った穴の回りに体内から白い液を出して固めて、掘り出した木くずはおしりの方から吐き出してしまうのである。
これを観察していた、トンネル掘削機の研究者はこのフナクイムシの行動を観察して、応用したのである。
あのロケットの応用も実は、ある昆虫の生態を観察していた研究者が偶然に見つけ出したものである。その昆虫とは「ヘッピリムシ」という、甲虫は敵から身を守るためにおしりから液体を出す。その液体は何と100度近く温度があり、人の掌でもチクッとする程度たちだが、外敵の野鳥には効果覿面である。
研究者はこの昆虫を調べた結果、おしりから出された液には「ヘリウムと水素ガス」が発生されており、ジェット噴射して熱を出していたのです。この原理を利用したのが液体燃料ロケットなのです。
他に、植物関係では、多くの新薬の開発、漢方などの植物の根などを応用したものです。
あのマジックテープも植物の種子からヒントを得ている。
スポーツの世界でも、特に陸上や体操の演技などに生き物の行動からヒントを多く得ている。現在では、陸上競技での短距離走などのスタート時(クラウチングスタート)が主流ですが、このスタート方法は、カンガールの飛び方を真似たものである。
1932年ロサンゼルス五輪で陸上の三段跳びで金メダルをとった南部忠平選手は、スランプの時に上野動物園に何度も足を運んだという、その目的は、ある生き物を観察することだった。その生き物とは、ニホンザルである。
ニホンザルが木の枝に飛び移るときのジャンプを観察していたのである。
サルは枝に飛び移るとき「反り跳び」という行動をする。
この方法を利用して三段跳びで、世界記録で優勝することが出来たのである。
最近では、世界陸上で短距離(200m)で末續慎吾選手が日本人初のメダルをもたらした。
この走りは「ナンバ走り」という、腰を捻って走る走り方から独特の走りをしたものである。この走りこそ、競走馬の走り方からヒントを得たものである。
水泳では、平泳ぎはカエルの泳ぎに似ているし、ドルフェンキックという、長く潜って両足でキックする泳ぎ方は、イルカの泳ぎ方からヒントを得ている。
このように、製品の開発やスポーツなど色々な物が自然界からヒントを貰っている。
なにより、これらのヒントを引き出すのは、私達人では「創造性」という、能力が必要である。人の脳では「創造性」は前頭連合野という、脳部で生まれる感覚です。
目的意識がハッキリしていること、試行錯誤の産みの苦しみから創造性はうまれるのです。また、自然界からのヒントを得るのには「観察力」や「洞察力」を必要とします。
開発担当者やトップアスリートなどは、この観察力と洞察力に優れている人達とも言えるのです。
つまり、自己の五感が鋭い人達とも言えるのであります。
五感を鍛錬することは、これらの能力を向上させるものであり、脳も同時に活性化させることになるのです。
現在の子供達や若者達に特に欠如している能力にこの「創造性」があります。
以前には、「指示待ち」人間などという言葉が流行りましたが、仕事でも指示があるまで自分で考えながら仕事をすることが出来ず、また、マニアルがなければ仕事も出来ない人達なのです。
これらの人達は与えられた仕事は処理的にこなし、素早く行うことが出来ますが、クリエーティブな発想や創造などの業務を苦手とします。
私は、多くの企業から相談されるのですが、どうしたら若者達にこの創造力が身に付くのかという内容です。
自己啓発ということで、社内で教育を実施しているようですが、上手く行かないのが現状です。それは、会社側でもマニアル通りに研修を行っているからです。
今一度、創造性を鍛錬するために、自然界から学び、観察力や洞察力を身に付け、自己の五感を鍛錬することです。
そのことで、感覚が鋭くなり、仕事や勉強などの目的意識がハッキリすることで、目標が出来、やる気が生まれ、このやる気が創造性の能力に繋がるのです。
やる気と創造性については、詳しくは私のブログを御覧頂ければ理解できると思います。
このように自然界からは、私達は学ぶことが沢山あり、まだまだ隠されたヒントが多く自然界にはあるのです。つまり「自然は教科書以上のことを教えてくれる」ということです。
とくに、現在の子供達は、成長段階にありますから、自然から学び、体験させ、脳に刺激を送ることで、五感や感覚が活性化し、正常化出来るのです。
子供は、自然の中で成長するように私達人間にはプログラミングされているのです。
それは、本能の遺伝子が備わっているのです。
私達、ヒトはサルから枝分かれしたホモサピエンスは400万年前、アフリカで誕生した。その頃の私達の先祖は、森で狩りをし、塒を構え、小さいながらも集団生活を営んでいた。男性は狩りに出掛け、女性は子供を産み、育て、家庭を守っていた。
この頃からの本能的遺伝子が現代人まで面々と受け継がれているのである。
3万5千年前のヒトは、現在のヒトと同じ脳の大きさ、重さを備えている。
つまり、ヒトの脳の大きさは3万5千年前から変わっていないのである。
進化の過程で脳の大きさは止まったままなのである。
では、3万5千年前のヒトと現代人では脳の進化の過程で大きさは変わらないが、最も劇的な変化をもたらしたのは「前頭連合野」の発達である。
この前頭連合野の発達により、創造性が生まれ、我々ヒトは科学の進歩などにより、高度な技術を駆使して、色々な物を開発、発明してきた。
このように私達ヒトは、自然との関わりが深くあり、現在も関わり合いがあるのだが、多くの人達に自然は軽視されているし、自然と接する機会も希薄に成っている環境である。だから、現在の子供達や若者達を観察していると、五感や感覚、思考などに異変が生じているし、行動にも異変が生じている。
今一度、自然を見直し、自然に接し、そして学ぶことである。このことで脳や五感が活性化され、五感も鋭くなる、結果、創造性や観察力、洞察力などの能力も向上するのである。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、