つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

マイナー好き?

2006-07-22 18:42:05 | マンガ(少女漫画)
さて、趣味ですの第599回は、

タイトル:みらい渾天儀
著者:天原ふおん
出版社:白泉社花とゆめコミックス

であります。

高校生になった未来はある朝に、アルバイトをするしないで両親と言い合いになったまま、登校する。
その途中、交通事故に遭ってしまう。

次に目が覚めたとき、未来が寝かされていたベッドで出会った少年ヤトは、未来にその巨躯を横たえ、死んでいる竜の姿を見せつけ、自らも小さな竜となって去っていく。
未来が目覚めたのは、実際に生きていた現代から400年後の地球で、交通事故で植物状態だったところをヤトの母竜アイラの心臓を移植することで未来は目覚めることができた、と言うことだった。

一度滅びかけた人類にとって、竜は神の使いで、その心臓によって生き返った未来は半神半人の竜人として崇められる存在に。
しかし、目が覚めるまでは高校生になってしばらくしただけの未来に、突然竜人としての生活がこなせるわけもなく……。

そんな戸惑いと混乱の中でアイラの子であるヤトや、おなじ竜人の湖影、レキ、そして他国のテュールと言った仲間たちとともに、未来は竜人として400年後の世界で生きることを決意する。

えーっと、ちょっとばかしファンタジックな要素の入った著者相変わらずの作品で、舞台はいちおう400年後の地球ということにはなっているけれど、SFとはまず言えないだろうねぇ。
竜も宇宙生物という説明がちょろっとあるが、まぁ、その辺を深く追求してはいけないのは、いつものこと(笑)

さて、ストーリーとしては4話完結の短編連作。
第1話は未来が目覚めてからヤトと理解を深めるまで。
第2話は竜人とのしての初めての大きな舞台でのエピソードを中心に、ラブコメ要素の要となるテュールの登場編。
第3話は辺境への視察と言うエピソードの中でテュールとの絡みが中心。
完結編の第4話はヤトの父の白竜が登場し、現代へ戻れると言う選択肢を示し、そうした中から未来が400年後の世界で竜人として生きる決意を固めるまでのお話。

まぁ、人外の存在が出てくるくらいでお約束満載のマンガではあるんだが、なんか知らないけど、このひとのマンガは好きなんだよねぇ。
すでに10冊以上の単行本を出しているが、基本的に主人公を始め、キャラの顔はぜんぜん変わらない(=描き分けが出来ない)し、ストーリー展開はほぼ共通。
主人公の女の子はとんでもない事態に巻き込まれることが多々あり、それぞれにいろんな悩みをいろんな相手やエピソードの中で克服するのだが、絵柄のせいか、それもどこか柔らかい雰囲気の中にあって、そう深刻な感じがしないんだよね。
……ってなんかぜんぜん褒めてないな、好きな割には……(笑)

ま、まぁ、基本線はお約束で安心できるし、なんとな~くほっと出来る雰囲気のある作品を多数出してくれるひとなので、個人的にはほんとうに好きなのよっ(笑)
オススメ出来るかどうかと言う意味では、微妙なところではあるんだけどね。



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