さんたろう日記

95歳、会津坂下町に住む「山太郎」さんたろうです。コンデジで楽しみながら残りの日々静かに生きようと思っています。

黒い羽 細くて小さいトンボいて

2017-07-18 | 日記
そっとカメラのレンズを向けました


つまらないトンボの写真ですけど嬉しかったんです。なぜって今年初めて見つけたトンボだったんです。

近頃トンボや蝶や蜂など昆虫が激減してしまいました。
10年前、圃場の道にはアカトンボやムギワラトンボやが群れていました。空に指を立てていると赤とんぼが指に止まって羽を休めてくれました。小さな流れには雄のオニヤンマが雌を求めて流れにそって一直線に飛んでいました。

大きくて綺麗なキアゲハ蝶が庭の花に蜜を求めて舞い、子どもの頃の私たちがカラスアゲハと呼んでいた黒い大きなチョウが山の水場などで群れているのを見ることができました。

家の軒下にはアシナガバチや、ジョロウグモの巣がいっぱいでした。

コオロギもキリギリスもバッタもでんでんむしといわれたカタツムリもありふれていっぱいいました。草むらのなかに綺麗な鈴虫の声だって聞くことが出来ました。

それが何年前だったかしら突然一斉にぴたっといなくなってしまったんです。虫刺されに弱いばばちゃん(家内)などは家の軒したにアシナガバチやジョロウグモの巣がなくなって綺麗になったのを喜んでいました。でも私は・・・

夕焼け小焼けの赤トンボ
負われて見たのはいつの日か
懐かしい歌ですよね。

稲刈りの終わった田圃でイナゴを捕って佃煮にして貰って食べたのももう昔の思い出になってしまいました。田舎の小学校や中学校では稲刈りが終わると一日授業を休んでイナゴを採りそれを売って運動の道具などを買いました。

今の子どもたちは大きな木の樹液吸っているカブトムシやクワガタ虫を捕る喜びなど分からないでしょうね。

今の私はといえば蝶やトンボを見つけて撮ってその名前を会津マッチャンさんに教えて貰う喜びがなくなりました。自然からゆたかな昆虫が消えて行くのは寂しいです悲しいです。

ですから昔はありふれていた黒い羽のトンボでもそれをしばらくぶりに見つけた私は本当に嬉しいのです。

見つけたトンボに静かにレンズを近づけながら何回もシャッターを切りました。そしてさっと飛び去ったトンボに「さよなら・・私に喜びを甦らせてくれてありがとう」と心の中で呼びかけました。なんかとっても嬉しい今日の散歩道でした