夕風桜香楼

歴史ネタ中心の雑記帳です。
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最近の絵など

2024年05月30日 23時49分26秒 | ギャラリー
 
 春はなんだかんだでやはり忙しいですね。
 時間もあまりとれませんでしたが、月1枚のペースはおおむね維持。引き続きコンスタントにつづけていきたいところです。







『Winter Collection』
 2024.1.21.

【高画質版&差分】(pixiv)

 19世紀陸軍制服の意匠は、現代のファッションにも通用するか? そんな実証実験をやってみました。
クラバット風のチョーカー、肋骨服風のジャケットに、側章をあしらったロングスカート。シックなファッションを演出できれいればよいのですが……。





『習作・表情練習』
 2024.2.5.

 Ⅹの企画もの。
  1:笑顔
  2:泣き顔
  3:おこ顔
  4:ゲス顔
となります。









『気淑風和』
 2024.3.9.

【高画質版】(pixiv)
【高画質差分集】(pixiv)

 玲和陸軍シリーズ。
 今回はシンプルに、冬服を正規の立襟スタイルで。
 厚塗り風彩色の練習も兼ねたものとなります。





『玲和四年服制ミニ図解』
 2024.4.30.

 玲和陸軍シリーズにおける服制の、主要な細部デザインを解説してみたもの。
 あわせて、時短塗りのさらなる方向性を模索……。







『夏めく』
 2024.5.30.

【高画質版&差分】(pixiv)

 玲和陸軍シリーズ。
 欧州各国の開化的スタイルを参考にデザインされた、ファッショナブルかつ快適なミニスカート式の夏季制服。しかし、国軍の武威保持と風紀粛正の観点に基づく強い異議により、導入は見送られた…という妄想です。
 差分は明治期を彷彿とさせる白制服。清潔感があって、これはこれでよいものですね。

  
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令和六年正月

2024年01月16日 00時38分04秒 | ギャラリー
  


 新年ということで描初め。明治10年台における略衣姿の将校となります。

 明治初期、陸軍将兵の挙措は後年のそれとは異なっていたようで、特にフランス式の影響が濃かったことが知られております。ただ、写真や図画の史料が乏しいため、その実像は必ずしも判然としません。
 明治6年制定「陸軍敬礼式」において、将校の敬礼は「帽の紐を頤に掛るときは右手を挙て帽に及ぼす もし紐なきときは帽を脱す」とのみ規定。しかし明治16年には、これが「凡そ軍人の敬礼は挙手注目とす 其法右手を挙て食指と中指を帽の前庇の右側に当て掌を外面に向け肘を肩に斉しくし敬すべき人に注目す」と改正されます。元来下士卒のみの動作であった挙手敬礼が、将校にも適用された形です。脱帽のみというシンプルな敬礼は、実務的にはほとんど運用されていなかったのかもしれません。
 興味深いのは、掌(てのひら)の向きです。フランス式の挙手敬礼は掌を真正面に見せる動作(ドゴールの写真なんかが有名ですね)で知られており、後年の帝国陸海軍や現代の自衛隊・警察の礼式で見られるような、掌を下に向ける動作とは異なります。この点、先述の明治16年の「陸軍敬礼式」では純フランス式を彷彿させる「掌を外面に向け」という記載がありますが、その後の明治20年に改正制定された「陸軍礼式」においては、該当箇所の表現が「掌をやや外面に向け」と修正されています。つまり、明治初期の陸軍将兵の挙手敬礼はフランス式の色彩が強いタイプだったものの、明治20年ころに変更され、われわれのイメージする形に近づいた…とみることができるのです。
 前置きが長くなってしまいましたが、今回の絵はそんな旧式の挙手敬礼をイメージしてみました。とはいえ、礼式法令が短期間で改正されている事実を見るかぎり、そもそも純フランス式の挙手敬礼はそれほど真摯に受容されていなかったのではないか…という推論に基づき、どちらかというと後年のスタイルに近づけた折衷的な塩梅としています。
 肋骨服は明治初期によく見られるタイプ。襟や紐飾の形状が後年とやや異なっているほか、襟元には黒色の下襟(クラバット)を巻きます。またこの時代は、帽子を浅くかぶるのが流行していました。

 残念ながら諸手で賀すことがむずかしい年明けとなってしまいましたが、本年もよろしくお願いいたします。

  
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最近の絵など

2023年12月31日 00時58分26秒 | ギャラリー
 
 年の瀬ということで、下半期に描いた絵のまとめです。





『明治初年の証明写真』
 2023.11.25.

【高画質版&差分】(pixiv)

 明治10年前後の将校略衣。実際の古写真をベースに作画しつつ、当時の鶏卵紙ブロマイドのイメージで。
 明治初年に多い折襟タイプの肋骨服。紐飾のデザインは多種多彩ですが、これはきわめてシンプルな部類で、肋骨部分が上から順番に短くなっていきます。両側の紐飾は、後年のそれより傾斜のある配置。懐中時計の紐(または鎖)は、肋骨部分に通して留めている着用例が多い印象です。





『国防国家という陥穽』
 2023.12.23

【高画質版&差分】(pixiv)

 時短画法勉強の習作として、過去絵のリテイクを。
 以前は参本幕僚にしていましたが、今回は陸軍省軍務局員です。軍服に青年将校文化を残しつつも、陸大を恩賜卒業し欧州駐在を控えた気鋭の統制派系若手将校(昭和10年頃)をイメージしてみました。





『落日のワーテルロー』
 2023.12.29.

【高画質版&差分】(pixiv)

 リドリー・スコットの『ナポレオン』をようやく観てきました。歴史ファンの間で評判が芳しくないのも確かに分かる内容でしたが、巨匠の老練な腕前で徹頭徹尾”映画的に”再構築されたナポレオンの物語は、やはり見ごたえ抜群。不思議な高揚感を与えてくれる、楽しい作品だったと思います。
 さて、そんなわけでナポレオニックが描きたくなり、鑑賞記念にさっと仕上げました。画題はいろいろ検討しましたが、結局ワーテルローのナポレオンをイメージ。同人は壮麗華美な将官制服よりも近衛兵のシンプルな軍服を好んだそうで、こちらは近衛猟騎兵連隊長の軍服となります。名作映画『ワーテルロー』のナポレオンも、会戦当日はこれを着ていましたね。
 細部については、各種肖像画や海外サイトの情報を参考にしてみました。いかんせんこの界隈は門外漢なのでいちから調べる羽目になり、それなりに苦労しましたが、結果としては楽しかったですね。



 対AI戦と生産性のバランスを追求し、画法の改善に挑戦した一年でした。
 来年も引き続き暗中模索となりますが、引き続きよろしくお願いいたします。

  
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最近の絵など

2023年06月10日 10時45分46秒 | ギャラリー
 
 気づけば一年以上も更新を放置しておりました…。
 いろいろと忙しかったわけですが、絵はほそぼそと描き続けております。
 特に今年は、お絵描きツールをタブレットPC(Surface Pro)に移行。思ったよりも使い勝手がよく、気軽に描けるようになりました。
 ますます隆盛をきわめるAI絵に負けぬよう、試行錯誤の日々です。





【高画質版&全身画】(pixiv)

『尋問の筋』
 2023.1.9.

 西南戦役における薩軍将兵・出陣時の軍装例。ある薩兵の従軍記念写真をベースに作画してみました。
 写真の解像度が低いため、細部は推測です。上衣は綿入れの丹前(褞袍)、親指を抜いた手袋のようなものを着用し、指揮杖を携行。
 下衣は股引に脚絆、革靴。つばが反り返った釜帽に、襟巻が目を引きます。小銃はスナイドルにしてみました。





【高画質版&全身画】(pixiv)

『春風の兆』
 2023.2.11.

 玲和陸軍シリーズ。
 春めいた陽気の日をイメージし、ラフな常装スタイルでまとめました。
 




【高画質版&全身画】(pixiv)

『とある参謀室にて』
 2023.4.2.

 こちらも玲和陸軍シリーズ。
 怜悧な司令部参謀…のイメージです。







【高画質版&全身画】(pixiv)

『宵闇せまれば』
 2023.6.6.

 初夏の候、夜風がすずやかな社交行事にて。
 差分は、ものたりない勢いでやってしまったオマケです。



 軍装ものはある程度やりつくしてしまった感もあります。題材含め、いろいろと路頭に迷っているところです。
 今後も、何か描きたいものが浮かんだ都度、少しずつ描いていく感じになるかなと。

  
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肋骨礼賛

2022年01月24日 20時25分27秒 | ギャラリー
  
 明治初年のユニークな軍服の再現。とある機会に拝見した古写真を、絵に起こしてみたものとなります。



 例によって解説カードも作りましたので、詳細はこちらをご確認ください。



 やはり国軍創設期の制服はカオスでいいですねえ。



 さて、長年にわたりSAIを愛用してきたわけですが、今作において作画ソフトを刷新。ついにクリスタを導入することとなりました。
 まだまだ不慣れであるため、習熟に努めたいと思います。

 本年もよろしくお願いいたします。



  
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