夕風桜香楼

旧『薩軍分営』。
イラスト創作記および雑記帳です。歴史ネタ中心。
不定期更新ですが、悪しからず。

征西戦記

2010年10月17日 21時57分01秒 | メイキング
 夢の書籍化へむけて、西南役軍装コレ新規追加分を描き描き……。



 過去の官軍篇①では省略していた、官軍将校(日向~薩摩転戦頃)です。

 今回はもっぱら川口武定『従征日記』に準拠しています。元絵はコチラ↓



 参考にした本文中の記述をいくつか拾います。

 敗賊追撃の際、炎日漸や熱するを以て隊外に在るときは、傘笠を用うるを許し、又別様の暑服を定められたれば、士官は暑服を着し蓼笠を戴き、(…)

 暑気の酷烈なるに方りては、士官は兵卒の夏袴を穿ち、其の末を巻縮して之を脛上に上げ、若くは裁断し、脚絆を以て脛部を覆い、或は鹿皮を臀部に垂れ麻鞋を穿ち、(…)
 [旧字カナ改・以下同]

 これをみると、戦時特例として、服制にないタイプの夏服を着用することが将校には認められたことがわかります。『従征日記』中の挿絵以外に資料が残っていないため、その細部は残念ながら不明ですが、同書中の別の記述にはそれを知る手がかりがあります。

 士官以上、夏衣は染色を用うるを充された事は、戦斗中白色は、敵目に触れ易きを恐れてなり。其の袖章は左図(略)の如く用うべしとの布令あり。(…)
 染色は黒紺或は淡黒を用い、地質は品種を択ばず、又胸飾を用いざるも妨げなし。

 
 この一節にある「黒紺或は淡黒」で「胸飾を用いざる」服は、上に示した挿絵で左側の人物が着ているものとほぼ一致します。同絵ではボタンが確認できませんが、ホック式だったのでしょうか。また、引用文で省略した袖章は、黒色の線を袖のところに引くだけという簡素なものです。

 とりあえずイラストではこんな具合で、資料調査と推測とを織り交ぜつつ戦役末期の将校の格好を再現していきます。

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