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能登地震後の能登復興に向けた私案(3回目):   2.大規模地震発生後の対応について

2024年05月09日 12時33分32秒 | 社会全般
大震災の後の早期のインフラ整備は大変重要である。しかし現状は、優先順位が考えられておらず、無計画に行われている様に見える。

今回現地にボランティア活動に入って驚いた事として、津波で家が崩壊している地域に電話線(もしかしたら電気)の工事を行っていた事である。そしてこの工事実施の為に、道路を通れなくなり、後片付けの為に被災した家へ行く際に、遠回りする事になった。この海沿いの地域は当分、人が住む事が無いと思われる程に家屋が崩壊している地域なのにである。全く愚かとしか言えない。

被災した地域のインフラ整備を行う場合、優先順位を考える必要がある。具体的には、次の様な優先順位で計画し、実行する必要があると考えているが、如何だろうか?
①道路
②上下水道
③電気・ガス

この①の道路の整備が最重要であるのだが、今回はこの活動のスピードが大変遅いと感じる。ボランティアも含めた支援活動従事者が現地に入るためには、先ずは道路網の復旧が第一であるが、震災後2ヵ月経った2月末に漸く、能登里山道路の先端まで、小型車が通行できるようになったが、大型車はまだ入れない状況である。これは余りにも遅い対応であり、遅くとも災害発生1ヵ月以内に開通させるベキであった。少なくとも知事には、この位の意気込みを持って対応すべきである。

若干横道に逸れるが、一つ指摘したい事として、震度7で道路がこれほど崩壊していると云う事は、土木技術の敗北であろう。住宅は震度7でも耐えうる技術革新をしているが、どうも道路はそうではなさそうである。

地層がズレる様な大地震の場合は、道路も住宅も流石にダメであろう。しかし、橋の前後などで顕著に発生しているコンクリートと土を積み重ねた箇所の段差、盛り土をした箇所の崩落は、大きな通行障害になっている。またマンホールが浮き上がった状態になっているのも同じであろう。これらは液状化現象と云われている状況なのだろうが、これは土木技術の進化がまだ未熟であると云う事であろう。

話しを元に戻すが、道路が通れる事を優先的に行いながら、上下水道の普及を行う必要がある。今回の地震では、上下水道がかなり広範囲で破壊された様で、この普及は確かに難しいのは理解できる。しかし今回の地震においても、長くても2~3ヵ月以内にほぼ全面復旧をさせる必要があり、可能であったと思う。これが出来なかった大きな理由の一つは、道路の復旧の遅れで、現地に作業者が入れなかった事も原因であろう。そして、震災後4ヵ月が過ぎた現在に至っても、断水が続いている家屋が三千戸以上あると云う。これは復旧に向けた活動を真剣に行っていないと評価するしかない。

次の優先順位は電気や通信網の復旧である。この地域では都市ガスは殆どなかったと思われるので、電気と通信網の復旧のみ考えたい。

電気と通信網の復旧もかなり優先順位が高いが、上下水道が使えない地域、住むには危険な住宅や建物、そして津波などで破壊された住宅に、電気や通信網は必要ない。それなのに、その様な地域に一生懸命復旧作業をしている様である。今回の上下水道の崩壊は想定外であった為、多少理解はできるが、現状を適切に見極めた上での対応を考えられる人が居なかった事は誠に残念である。今回は、上下水道や崩壊した家屋からの撤去作業に邪魔にならない程度に、電気や通信網の復旧作業を行う指導が必要であったと強く感じる。
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