伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る

伝説の音楽番組「夜のヒットスタジオ」の22年間の足跡を通じて、日本の歌謡界が最も輝いていた時代を振り返ります。

【改訂版】歌謡曲黄金時代と夜のヒットスタジオ-曲目リスト(56-1) 1978年1~2月①

2008-07-25 | 夜ヒット/曲目(改訂・増補版) 77~78年

<1978年1月2日(第478回)>
・若き旅人 狩人
 詞:竜真知子 曲:都倉俊一 R:77/12/10 HC:16位 BT:6位
ビートロ恋細工 高田みづえ
 詞:島 武実 曲:宇崎竜童 R:77/10/25 HC:9位
・バン・ババン ビューティ・ペア
 詞:石原信一 曲:あかのたちお R:77/10/15
・津軽じょんがら節 細川たかし
 詞・曲:青森県民謡
※番組内の新春企画の一環として披露。
・相撲甚句~花づくし 新沼謙治
 詞・曲:邦楽(甚句)
※番組内の新春企画の一環として披露。
<楽曲について-相撲甚句>
邦楽の一種で、通常は花相撲(力士の引退相撲興行などを意味する)や地方巡業の場で、力士数人が輪になり一人ずつ「前唄」「後唄」「本唄」「はやし唄」「本唄」「はやし唄」という順番で歌い繋いでゆく力士特有の唄。幕末・明治時代にかけて、花柳界で流行した本調子甚句・二上がり甚句を力士たちが座敷で習得し、地方巡業で披露したのを契機として流行歌として定着。この中から生まれた「名古屋甚句」が現在の相撲甚句の原型を作ったといわれている(但、ルーツについては他にも諸説あり)。
②基本的には七・七・七・五の4節の中で、力士の特徴や巡業先の地方の名所・風景を詞に織り込みながら歌われる事から、詞のバリエーションは数多く存在し、この回に新沼が披露した「花づくし」はその中でも「出世がかみ」等と並び、最も知名度の高い甚句の一つとなっている
・北挽歌 新沼謙治
 詞:石本美由起 曲:市川昭介 R:77/11/01
◆第29回(78年)NHK紅白歌合戦出場曲(3回)

<1978年1月9日(第479回)>
・行ったり来たり チェリッシュ 
 詞:阿久 悠 曲:穂口雄右 R:77/11/-
・雨の降る街 小川知子 R:77/12/05
・ロマンチスト 伊東ゆかり
 詞:松本 隆 曲:筒美京平 R:77/12/01
・愛の條件 八代亜紀
 詞:川内康範 曲:北原じゅん R:78/01/25 HC:21位

<1978年1月16日(第480回)>
・ひとり歩き 小柳ルミ子
 詞:なかにし礼 曲:さかうえけんいち R:78/01/25 HC:29位
・青葉しげれる 渡 真介
 詞:阿久 悠 曲:三木たかし R:77/12/-
演歌チャンチャカチャン 平野雅昭 R:77/11/25 HC:3位
◆年間チャート(78年)28位(41.6万枚)
<楽曲について>
「緑の地平線」(楠木繁夫)に始まり、「かえり船」(田端義夫)、「名月赤城山」(東海林太郎)、「東京ラプソディー」「青い背広で」(以上、藤山一郎)、「小樽のひとよ」(東京ロマンチカ)、「くちなしの花」(渡哲也)、「理由(わけ)」(中条きよし)、「わたしの城下町」(小柳ルミ子)、「せんせい」(森昌子)、「貴方につくします」(八代亜紀)、「なみだの操」(殿さまキングス)、「おゆき」(内藤国雄)、「わたし祈ってます」(ハッピー&ブルー)の計14曲の中のワンフレーズを「チャンチャンチャカチャカ」の合の手を組み入れて歌い繋いでゆくという体裁を採った異色のコミックソング。レコード盤ではあるスナックでのステージでこの曲を披露した際の模様を収録したと思われる音源が使用されている。
②因みにこの上記の「本編」の前後にレコード盤では「前唄」として平野独自のアレンジを加えた「裏町人生」(オリジナル:上原敏)、「締め」としては上記の「本編」の中でもワンフレーズが使用されている殿さまキングス「なみだの操」の歌詞を基本として「せんせい」「わたし祈ってます」「くちなしの花」「あなたにあげる」(西川峰子)、「愛ひとすじ」(八代亜紀)、「あなたに命がけ」(川中美幸)、「恋の奴隷」(奥村チヨ)のフレーズを組み入れた「変態性なみだの操」も同時に収録されており、この回のヒットスタジオの放送では、「演歌チャンチャカチャン」のタイトルの下でこれらの部分についても本編と併せて披露された。
カナダからの手紙 平尾昌晃/畑中葉子
 詞:橋本 淳 曲:平尾昌晃 
 HC:1位(78/02/27・03/06) BT:5位
◆年間チャート(78年)7位(69.9万枚)
◆TBS系「ザ・ベストテン」年間ランキング(78年)25位
◆第20回(78年)日本レコード大賞企画賞受賞(同曲のほか、「エーゲ海の旅」「サンフランシスコ行き」「ヨーロッパでさよなら」を含む「海外旅情シリーズ4部作」で受賞)
◆第29回(78年)NHK紅白歌合戦出場曲(初)
作曲家・平尾昌晃と、彼が主催する歌謡教室の卒業生の一人である、当時高校2年生の畑中葉子のデュオによる「海外旅情シリーズ4部作」の第1弾シングル。1960年代後半から作曲家としての活動がメインであった平尾が久々に本格的な歌手活動を再開したことや、22才という年齢差デュオ編成が話題となり、70万枚近いセールスを記録した。

<1978年1月23日(第481回)>
・偽りのバラード 松崎しげる
 詞:たかたかし 曲:馬飼野康二 R:78/01/10
【メドレー】銀河系へ飛んでいけ!~帰らざる日々 梓みちよ
 ・銀河系へ飛んでいけ! 梓みちよ
  詞:喜多条忠 曲:吉田拓郎 R:78/01/21
<楽曲について>
 元々は梓の事務所後輩であるキャンディーズによる5枚組LP「キャンディーズ1676DAYS」(77年12月リリース)の収録曲(キャンディーズ版でのタイトル表記は「銀河系まで飛んで行け!」として製作された作品。楽曲の出来の良さから翌年に入って梓みちよの新曲としてシングル化、後に中原理恵らも同曲をカバーしている。
 ・帰らざる日々 梓みちよ
  詞・曲:谷村新司 (R:76/04/05)
※オリジナルはアリスの76年のヒット曲。一時渡米のため芸能活動を休止することになった梓みちよの送別企画の一環として、当時の新曲である上記「銀河系へ―」と併せてこの曲を披露した。
UFO ピンクレディー
 詞:阿久 悠 曲:都倉俊一 R:77/12/05
 HC:1位(77/12/19-78/02/20) 
 BT:1位(78/01/19-02/02
◆年間チャート(78年)1位(155.3万枚
◆TBS系「ザ・ベストテン」年間ランキング(78年)15位
◆第20回(78年)日本レコード大賞受賞曲
◆第7回(78年)FNS歌謡祭・音楽大賞 最優秀ヒット賞受賞曲
<楽曲について>
オリコン調べでの売上枚数では約155万枚出荷枚数では約195万枚という驚異的セールスを記録したピンクレディーの3作目のミリオンセラーにして最大のヒット作。楽曲自体の奇抜さや「宇宙人」をイメージした衣装(銀ラメ装飾を全身に施したジャンプスーツスタイル)・振付が子供達の間で話題となり大ヒットに結びついた。
②同曲のヒットを背景として、ピンクレディーはこの年、日清食品の「日清焼そばU.F.O」の3代目のCMキャラクターに抜擢されると同時に、同曲もCMソングとして使用(但、オリジナルと一部歌詞が異なる)された。

【司会】 芳村真理・井上 順

(参考)この頃の主な出来事
・01/10 東京・世田谷のアパートで、当時20才の巡査が女子大生を絞殺する事件発生(現職警官による勤務時間内での殺人事件は同事件が警視庁発足以来では初のケース)。
・01/14 伊豆大島近海でM7.0の地震発生。土砂崩れ・落石等により25人が死亡。
・01/19 TBS系でランキング形式による新音楽番組「ザ・ベストテン」がスタート(初代司会:黒柳徹子・久米宏アナウンサー<当時>)。それまでの音楽番組にはなかった速報性が注目され、のちに1980年代のテレビ界を代表する大人気番組に発展。


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