土曜日は午前中に退院。
自覚症状も無く元気なので、かまわないんだけど、イロイロやることが
あってナカナカ忙しい。
昼飯は、隣町で念願の刺身定食。
美味し。
明くる日は、早速ラージコンボの練習。
今年初めて吹いたけど、やっぱ楽しい。
縁あって、各方面で大活躍中のトロンボーン奏者、苅込博之さんが指導に
来てくれた。
初対面だけど、お話ししてみると、二人とも共通するプレーヤーを知って
いて、思いがけず盛り上がってしまった。
やはり業界は狭い。
また、よろしくお願いします。
明日退院出来る見込み。
４０日も居るとは思わなかったよ。
昨年は個室への入院だったけど、今回は３人部屋。
イロイロ感じることが多かった。
なんと言っても驚いたのが、看護師さん達のパワー。
２交代制のこんなヘビーな仕事を日々こなしていく姿には、本当に
アタマが下がる。
あなた達は凄い、凄すぎる。
いつも眉間にシワを寄せてムッとしている私にも、イロイロ話し
かけてくれて、ホッとしたし。
入院当初は、深夜になると聞こえる雄叫びや呻き声に驚いたが
アッという間に慣れた。
このフロアでは、私が最年少かつ症状も最も軽い方だと思われる。
普段、シャバで健康に暮らしていると、病気のヒトの事を考える
事は滅多にない。
中でも胸が痛んだのは、トイレに行った後、自分の部屋に帰れなく
なったキレイなおばあさん。
数日後、夜散歩の時、唇に紅をさして鮮やかな紫色のセーターを
着たあのおばあさんが、男性看護師さんと共に廊下に立っていた。
おばあさんは静かに泣いていて、「今から家に帰る、すぐ帰りたい」
と訴えていて、看護師さんはそれを淡々と宥めていた。
病状も事情も全く分からないけど、あんなに悲しそうな人を見たのは
初めて。かなり辛かった。
このところ、お見かけしないけど、帰宅できたのかな。
同室のお二人とも仲良くさせて頂いた。
長くご一緒したＯさんは、半導体を作る仕事を勤め上げた後、その時
使用していた薬品のせいで、体を壊したとのことで、私なんかとは
比べものにならない、超ヘビーな治療を連日受けていた。
お孫さんに貰った『早く帰ってきて、焼き肉一緒に行こう』という
手紙を涙を浮かべて見せてくれたりした。
治療が一区切りついたので来週退院出来るとのこと。末永くお元気で。
もうお一人、Ｙさんは相当なお歳だと思うのに、超頭脳明晰。
院内の施設や体制について、これはマズイよと数々のダメ押しをして
それが全て完全な正論で、反論する余地が全くないのが凄い。
施設長や管理栄養士に直で進言していた。
スゲ～ジイサンだなあ。尊敬します。
諸々お世話になりました。
今は、帰宅して、妻とバカ話をしながらビールを呑むのが楽しみ。
疲れたよ。
この棟に入院している患者は、行動範囲をかなり規制されている。
気晴らし（？）に行けるのは、コンビニと個室棟の最上階にある展望
コーナーくらい。
海を見にその最上階に登ってみると、左奥にバーカウンターが。
えっ、こんなのあったんだ。
でも、並んでいる酒が偏ってない？
年配の客が多いのか、焼酎が多いね。
あと、ノイリーはともかく、アマレット、カンパリ、コアントローなんて
いったいどうやって呑むんだろう。
冷蔵庫も無いみたいなのに。
いったい誰が何時、客としてくるのか。
恐るべしこの病院。
どうにも先が見えないと、ソーニャの夢にうなされるのもイヤだし
私としたことが厭世的な気分に支配されてしまう。
昨日の夜散歩のＢＧＭは、ＮＨＫＦＭベストオブクラシック。
川久保賜紀さんのリサイタル。
シューマンが終わると、次はブラームスの『雨の歌』。
これは、もういけません。
調子の悪いときに聴く音楽ではない。
クララ・シューマンの言葉を思い出すまでもなく、歩きながら涙が
止まらなくなった。
なんか、入院して以来泣いてばかり。
と、後ろから顔見知りの看護師さんに声をかけられた。
「〇〇さん（私の名）、Ｆ先生から連絡あって、点滴は終了で明日から
服薬ですよ」
「あ、そうですか。嬉しいです」
「そんな、泣かなくても」
イヤこれは・・・、説明もしなかったけど、恥ずかしかった。
ということで、メデタク点滴卒業。
服薬ということはシャバに出られる日も近い？
本当は石田泰尚さんの演奏をと思ったけど、動画投稿サイトには
アップされていなかった。
まだ、廃盤じゃないと思うけど、個性的かつ説得力のある演奏は
見事ですよ。
この庄司沙也香さんのも大好き。
入院した当初は、１回２時間の点滴を受けていた。
薬と腕の針までの間には、電動の何やら大げさな機械が経由されて
いて、思いの他エラーが多くて大変往生した。
程なく１回３０分のクスリに代わると、写真のような滴の落ち具合を
見ながら、看護師さんが手動で設定する様になった。
中には職人技の極み！！、ピッタリ３０分で終了する方もいる一方
１０分以内で終わってしまうヒトも何人かいた。
薬の袋に３０分で落とせって書いてあるじゃん！！、大丈夫なの！！
さすがに危機を感じて、触ってはいけないと言われた滴の落ち方を
変化させるアジャスターみたいなのを、自分で調整することにした。
仕方ない、自衛策。
辛いのは２２：００に始まる回で、暗い中眼を凝らして調整している。
安眠出来ないのはこの為もあるのか。
勿論苦情は言ってあるので、どうかよろしくお願いします。
朝の点滴中にradikoから、パレストリーナの『来たれ、キリストの花嫁』
が流れてきた。
綴りが違ってたらゴメンナサイ。
タモリの、『音楽はそれを聴いていた当時の事を想起する』理論（？）
に違わず、中学生の頃を思い出した。
あまり思い出したくもないんだけどね。
安眠出来なくなってきた。
どこも痛くも痒くもなく、１日３回の点滴＋種々の検査が、これ以上
続くのは辛いよ。
若い頃から調子の悪い時に見る夢、ソーニャを虐めるラスコーリニコフ
というのを良く見るようになった。
毎度の事ながら、これはとても後味が悪い。
明日のＣＴの結果が良いことを祈る。
お隣のＯさんも困り始めた指のひび割れ。
私はワセリンとバンドエ〇ドで、随分良くなって、手のひらがガビ
ガビだったのも、いつの間にか元に戻った。
環境に順応しやすいのか、鈍いのか（おそらく後者）。
カーリングの中継は、消灯時間後も密かに観ていたけど、好不調の波が
ほとんど定期的に来るのに驚いた。
ウ～ン、なんて人間的な。
鉄人みたいなヒトを見ているより、よっぽど感動した。
お疲れ様でした。
祝、銀メダル。
この病院では、病室内でも踵のないスリッパやサンダルはＮＧ。
なので妻からのお下がりであるコンバースを履いていった。
ただ、ず～～っと履き続けているので、もうオシャカかな。
どんなジャンルでも、専門家でない素人が良いと思うモノが
本物であるという、乱暴な私の『門外漢一流理論（？）』。
TVerで、坂本花織のフリーを見た。
とりあえずドーピングに関してはノーコメント。
見ていて、痩せこけたイタイケな子供達がクルクル回るより
２、３回転しか出来なくても坂本の方がずっと見応えがある。
参加の年齢制限をするのはムリっぽい気もするけど、やっぱ
必要なんじゃないかと痛感した。
祝、銅メダル。
入院がこんなに長引くとは思っていなかったので、靴下をコンビニで
買い足さざる得ない。
女性用は色んな種類があるのに、男性用はわずか３種類。
男は靴下を換えないというのが世の定説なのか（そんなわけはない）。
売っているのは、白、黒、グレーの３種類で、圧倒的にグレーの売上が
良く、すぐに在庫がなくなってしまう。
私は、ここ数年、なぜか持ち物は赤色のモノばかりで、持ち込んだＰＣ
携帯端末、ノーマルメガネ、老眼鏡、腕時計、そしてコートもみんな赤。
うら若い看護師さん達が出退勤する時の服装を見ると、ほぼ例外なく
グレー、ベージュ、紺色、深緑等々のくすんだ色ばかり。
どう考えても、私の方が少数派、異端であることは間違いないようだ。
開き直っているのではなく、心底とっても嬉しい。
色彩感覚皆無のジジイとして、死ぬまで突っ走っていこう。
退院後、坊主頭にするのを後押しして貰った（？）、何故かサックスを
吹かされているヴァイオリニストの石田さん。
インタビュー記事を見つけて読んでいたら、自らは感覚で演奏するタイプ
とのこと。
全ての基礎をクリアした後の話なんだろうけど、うらやましい限り。
好き嫌いは別にして、カラヤンやブーニンみたいなある種の天才にしか
出来ない業。
古い音楽を始めた当初、トリルは上の音から、前打音は拍の前に出す等々
モダンの音楽とは真逆の約束事について、全く知識がなかった。
まあ、半世紀近く前だからね、仕方ないけど。
それ以来、演奏と勉強を平行して続けていかないと、恐くて吹けない。
だから、別の音楽、カッコ良ければそれで良しの、極論を言ってしまえば
なんでもアリのジャズに、こんなにも惹かれるのかもしれない。
両方共、はやく吹きたい～～。
日々、朝６時から夜１１時まで、やること（やられること）が少なくない
けど、ヒマな時間は充分ある。
そこで、退院後の坊主計画に向けてイロイロ検索してみると、結構憂鬱に
なる情報が多い。
曰く、髪は１週間で２ミリ伸びるので、毎週手入れをしないとダメ。
そのため、ケチらないでイイバリカンを購入しなければいけない。
まあ、これはいい。
しかし、坊主頭になったからには、ファッションセンスを一段と磨き
よりカッコイイ男を目指さなければ、ただのハゲであるというのは困る。
そんなセンス微塵もないし、カッコ良さなんて全く無縁。
色んなヒトがいるのね。
入院前に手足の爪は切ったけど、これだけ期間が長くなると伸びる。
仕方なくコンビニで爪切り購入。
手の指で困ったのがヒビ割れ。
加湿器等がないので院内は劇乾燥で、手はガビガビになってしまい
右の中指にヒビ割れが出来てしまった。
こんなの生まれてはじめて。
看護師さんに相談すると、それはこの辺りの水のせいだと言う、？？。
水？、聞けば海水のことを指しているらしく、看護師さんもずっと
悩んでいるらしい。
へえ、そうなんだ。
今日で入院５週目突入。
通算、四つの科の先生にお世話になったけど（今は二つ）、２２日の
ＣＴの結果が思わしくなければ、さらに１週間追加入院した方がイイと
いう先生と、飲み薬にして退院してもイイという先生が・・・。
オレが決めていいの？
でも、どうせなら完治後に退院したいので、良きに計らってください。
あ～ぁ、退院は３月か・・・。
看護師さんが検温等で回ってきた時、ムダ話をすることがある。
まあ、とりあえず、私の住処は？で、はじまる事が多い。
二つ北の海辺の街に、１０年ちょい前に東京から都落ちしてきたと
答えると、１００％の方が「い～な～、東京住んでみたい」。
そうなんだ。
何故ですかと聴くと、概ね、「田舎には刺激がない。一度東京で
暮らしてみたい」。
東京での刺激ってナンだろうと一生懸命考えても、イイことはあまり
思い浮かばない。
アタマごなしに否定してもナンなので、モゴモゴ誤魔化しておいた。
都民の皆さん、東京で暮らしてみたいというお嬢さんが、房総の海辺の
街には、こんなにいっぱい居るんですよ。
ウ～ン、何事も経験だけど・・・（ススメないよなぁ）。
妻とラインで話している時、ヨーグルトのことが話題になった。
家では毎朝食べていたのに。激しく食べたい。
入院患者は、入っている病棟を出てはいけないし、家族との面会も
ダメと厳しく言われているのに、なぜか階下のコンビニへ行くことは
許されている（＝何を買ってもイイ？ ＝何を食べてもイイ？）。
コンビニでは、アルコール飲料以外は、フツーに何でも売っている。
その気になれば、弁当もサンドイッチもお菓子も甘い飲み物も食べ放題。
まあ、そんなエゲツナイ患者はいないのかもしれないけど、朝夕に
大量に購入してくる患者さんは少なくない。
ヨーグルトだけ食べさせてもらおうっと。
随分前に入れたアプリ。
最近は万歩計とは言わないらしい。
看護師さんに許可を頂いて、１日２時間は歩くようにしている。
ただ、当たり前だけど、病棟の廊下をそんなに速く歩くわけには
いかないので、２時間歩いても１０キロには到達できない。
地道に続けます。
お隣のＯさんと話して思ったのが、日のヒカリを浴びることが出来ない
のが辛いという事。
ホントだ気が付かなかった、モグラ生活はや３０日弱。
窓からはピーカンの海が見える。
外出たいよ。
