ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [平成二十年三月三十一日]

2008年03月31日 | fine arts
今日、午前中までの雨と風で桜がどうなるかと思いきや、まだまだ散ってはいませんね。明日からはまた暖かい日が続くそうなのでお花見もまだイケますよ。で、自分は雨が上がってから原チャリで百貨店二軒へ。夜はスカパラのライヴを観に新装オープンの赤坂ブリッツへ行って来ました。

ダニエル・オストが創る花の小宇宙展 於: 西武 池袋本店
ベルギー生れの華道家?! ではないか...、フラワー・アレンヂャー (なのかな?) であるダニエル・オスト氏の作品展です。かなり驚きました。日本の伝統的な生け花的要素が多分に感じられ、そして斬新で奇抜、尚且つ、どの作品も絶妙なバランス、素晴らしいセンス、美しいですね。自分は氏の作風はフラワー・アレンヂメントと言うより生け花だと思います。実際に竹と苔を使用した日本庭園的なインスタレーションもあり和テイストがふんだん取り入れられています。また、どの作品も渋い。華やかさの中に侘寂も感じられます。あと、花器の様に竹や蔦、枝を見立てた造形も巧いです。本当にオリヂナル・スタイルを確立している方だと思いました。

↓ 西武 池袋本店 ↓
https://www2.seibu.co.jp/wsc-customer-app/page/010/dynamic/top/Top

VISIONS 増殖するイメージ 於: 新宿高島屋10階 美術画廊
気鋭若手現代アート作家、廣澤仁氏・元田久治氏・山田純嗣氏、3名の作品展です。現代アートなので自分の興味はと言うと、山田純嗣氏の制作技法にありました。説明をして頂いたのですが、まず作品に使用するためにオブジェを作り、それらを並べて写真を撮ってプリントしたものの上に今度は細い模様の様な銅版画を写真の柄 (?) に合わせて摺っているそうです。現物を見ないとどの様なものか分らないと思いますが、白いインクで摺られた銅版画が美しく、とても雰囲気のある作品の数々でした。山田氏はこの技法を「インタリオ・オン・フォト」と名付けているそうです。他の2名の作家の方、元田久治氏による東京の名所や繁華街の現風景が荒廃している様を描いたリトグラフ作品は、それを見ていろいろと考えさせられることはありますね。そして、繊細な描写は凄い筆致力だと思いました。廣澤仁氏の作品は自分にとっては、う~ん、と言う感じです。

↓ 新宿高島屋 ↓
http://www.takashimaya.co.jp/shinjuku/index.html

今日の和菓子 [平成二十年三月三十日]

2008年03月30日 | japanese sweets
久しぶりに和菓子の紹介です。

どら焼き & うさぎ饅頭 阿佐ケ谷 うさぎや
練馬から中杉通りを通って帰宅したので、久々に阿佐ケ谷の「うさぎや」に寄りました。上野、日本橋、そしてここ阿佐ケ谷と東京に三軒ある「うさぎや」、源は一緒らしく何処も「どら焼き」が名物ですが、それぞれに独立した店舗です。三軒とも美味しいどら焼きで、もちろんですが元は一緒でも味に違いがあります。ここ阿佐ケ谷のうさぎやさんのどら焼きはあんの甘みが一番強く、がわに歯応えが強いと思いますね。今日、一緒に購入した「うさぎ饅頭」は自然薯を使用したがわがもっちりとした食感で美味でした。

どら焼き 170円
うさぎ饅頭 150円

↓ 阿佐ケ谷 うさぎや ↓
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000950127/0002942335/ktop/

今日の美術展 [平成二十年三月三十日]

2008年03月30日 | fine arts
夕方前からの雨、せっかく桜が満開なのに....。自分は原チャリで出掛け雨が降ってくる前にサクッと帰って来ました。(写真は練馬区立美術館前に咲いたしだれ桜。しだれ桜もまた良し、きれいでした。)

芸術家は寿し 画家に長寿が多いわけ 於: 練馬区立美術館
「寿し」で「いのちながし」と読むそうです。当美術館収蔵品から長寿の芸術家にスポットを当て作品を選び集めた展示でした。とりわけ各作家の晩年の作品が展示されている訳でもなく、まぁ、長寿と言うことは置いといて、名作家の方々による良い作品ばかりが並んでいて楽しむことが出来ました。鳥居敏文氏 (享年98歳)、菊池容斎氏 (享年91歳)、奥田元宋氏 (享年91歳) 等の作品が特に良かったと思います。芸術家はきっとストレスが少ない方が多いのでしょう。その分、長寿なのでしょう。その反面、ナイーヴでストイックな方も居て短命で終わる芸術家もすくなくないのでは?!

生誕100年記念 品川工の版画 於: 練馬区立美術館
長寿繋がりで併催されている100歳にして今だ創作活動を行う芸術家、品川工氏による版画作品の展示です。昨日、国際版画美術館で見た恩地孝四郎氏に師事し木版画を学んだ氏の作品の数々は、これまた昨日、八王子市夢美術館で見た城所祥氏の板目版画の如く、色彩が豊かでポップ、いろいろな作風を行っています。近年はシルクスクリーン・プリントを用い制作をしている様ですが、自分は木版画作品の方が好きですね。氏の作品のほとんどが抽象画ですが、外連味なく楽しいと思えるものが多いと感じました。

↓ 練馬区立美術館 ↓
http://www.city.nerima.tokyo.jp/museum/

今日の美術展 [平成二十年三月二十九日]

2008年03月29日 | fine arts
桜満開時ですが夜は風が強く、寒くなりましたね。夜桜見物はちょっと辛いかも。今日は土曜日と言うことで、ちょっと郊外の美術館2軒を訪れました。(写真は前から気になっていた八王子の「エジソン商会」さん。あかりの専門店だそうで目立つ黄色のビル、側面に堂々と書かれた店名と電球のイラストが目を惹きます。ビル自体も昭和感がある造りでなかなかです。そして、お隣のおもちゃ屋「みなもとや」さん2階に嵌められたフレームがお洒落です。)

浮世絵名品展 - 没後150周年記念 広重とその時代 於: 国際版画美術館
まずは浮世絵版画の展示です。歌川広重氏と同時期に活躍した絵師、歌川国貞 (三代豊国) 氏、歌川国芳氏、そして彼等の弟子に当たる歌川重宣 (二代広重) 氏、二代国貞 (四代豊国) 氏、橋本貞秀氏、歌川芳艶氏、月岡芳年氏の作品を展示されています。歌川広重氏は一番の代表作、保永堂版「東海道五十三次」シリーズを筆頭に名作の数々が並び、中でも揃い物「忠臣蔵」は広重氏の真骨頂である風景画とそして人物画が合さった様な浮世絵であり、迫力があって絶妙な構図、緻密な情景描写、見事な作品だと思いました。そこには広重氏が会得した画面が美しく見える構図の技法がふんだんに使用されています。他には国貞 (三代豊国) 氏の完成された浮世絵の美は素晴らしく、歌川芳艶氏の奇抜な風景描写で構図が面白い揃い物「瓢軍談五十四場」が目を惹きました。
収蔵品展示では「畦地梅太郎の世界」が開催されています。畦地氏によるほのぼのとした雰囲気の味のあり、愛を感じる良い版画ばかりでした。中でも「山 - 北アルプス」からの2枚はきれいで清々しい山の絵で、見ていて胸にグッと来るものがありました。

↓ 国際版画美術館 ↓
http://www.city.machida.tokyo.jp/event/shisetsubetsu/hanga/index.html

城所祥展 静影の版画家 於: 八王子市夢美術館
町田から横浜線で八王子へ。城所祥氏の作品展、最終日に滑り込みでしたが、本当に見逃さなくて良かったと思う展示でした。城所祥氏は昭和期に活躍された八王子縁の版画家です。展示を通して感じたのが城所氏の作品の多くが板目版画と言うだけに摺られた画面に於ける板目と色彩が織りなす妙が美しいと言うことです。そして木版画ながらシルクスクリーン・プリントの様な質感、とてもポップな印象で何故かアンディ・ウォホールの作品が自分の頭に浮かびました。具象→抽象→半具象→具象→写実と変化した画風全てに於て、その様に感じましたね。特に晩年の作品は色彩が何とも言えずきれいで自分は好きです。板目版画と並行して作られた木口版画も良い雰囲気で、どの作品もとてもオリヂナリティを感じる素晴らしいものでした。展示内容の良さで図録を購入です。

↓ 八王子市夢美術館 ↓
http://www.yumebi.com/

今日の美術展 [平成二十年三月二十八日]

2008年03月28日 | fine arts
まぁ、やっぱりこの時期は桜ですね。原チャリで走っていると千鳥ケ淵や上野の桜は咲きほこり、かなりの賑わい。そして、写真の様に墨堤の桜もほぼ満開でとてもきれいでした。

小島文美展 精霊蝕 夜想ヴァンパイア・セレクション展 part 3 於: パラポリカ・ビス
1/152/15にも訪れた吸血鬼をモチーフとしたシリーズ展のパート3。今回は小島文美女史の描いた作品展。かなり緻密な筆致、高い画力のイラスト・絵画ばかりです。が、ちょっとテイストが自分には合わないですね。かなり今っぽい、まさにこの様な画風をゴス系と言うのではないでしょうか!? そして少女漫画チックでもあります。自分は前2回の丸尾末広氏や山本タカト氏の作品の様なエログロさ、エグ味があり、ちょっとヤバい感じの画風の方が好み (!?) です。

↓ パラポリカ・ビス ↓
http://www.2minus.com/

「江戸の華 ~ 熱き心・火消と祭」展 於: 江戸東京博物館 常設展示室6階
両国・江戸東京博物館の常設展示内でふたつの企画展が行われているの、それを見て来ました。まずは「江戸の火消と祭」を取り上げた展示です。江戸の火消と江戸の代表的祭りである山王祭と神田祭を当時の錦絵や実際に使用されていた道具や資料とともに紹介・解説しています。火事の多かった江戸に於ける火消達の歴史やその組織、活躍振りが分り、また江戸っ子の楽しみのひとつ、華やかな祭りに関してもいろいろ分り興味深い内容の展示でした。火消の組で使われていた纏いのミニチュアが、グッズ好きの自分は惹かれましたね。

川瀬巴水展 東京風景版画 於: 江戸東京博物館 常設展示室展示室5階第2企画展示室
自分の大好きな木版画家、川瀬巴水氏の展示です。この展示では巴水氏が東京を描いた作品を特集していて、震災後のシリーズ「東京二十景」は水彩で描かれた原画、試摺、完成品が並べて展示されていました。氏が描いたひとつの風景がどの様に完成されたかが分り、これだけ沢山の作品がこの様にして見ることができる機会はなかなか無いのでは、充実した内容の企画展です。原画に近い完成品、かなり修正が加えられた作品まであり、巴水氏がどの様にして制作を行っていたかが分り、とても有意義な展示でしたね。いつ見ても巴水氏により細やかに描かれた情景は素晴らしいです。

↓ 江戸東京博物館 ↓
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/

明治の錦絵 於: 相撲博物館
お隣の両国国技館にある相撲博物館では明治時代に作られた相撲に関する様々な錦絵・浮世絵版画が展示されています。番付から横綱の土俵入りの場面や人気力士の錦絵など、明治期に於ける浮世絵の特徴である鮮やかな色調で摺られた作品は華やかな相撲にピッタリで、見ていて楽しいものでした。明治時代、庶民の大きな娯楽であった相撲の人気が伺える企画展です。

↓ 相撲博物館 ↓
http://www.sumo.or.jp/museum/index.html

雛人形に込められた想い 墨田区に伝わる人形たち 於: すみだ郷土文化資料館
墨堤の辺に建つ、すみだ郷土文化資料館へ廻り、季節的に終りのひな人形展 (今年はあとひとつ、見る予定のひな人形展があります。) を見ました。墨田区の名家に伝わった、主に江戸時代に作られたひな人形の数々、とても豪華で細い細工が施された美しい品々、これらの人形が飾られたひな祭りは本当に楽しかったことでしょう。子供に対する愛を感じます。現在ではなかなかひな人形や端午の節句の五月人形を飾る習慣は薄れてきていると思いますが、この様な日本の年中行事は無くなって欲しくないですね。
ここでは現在、墨堤の桜や花見に因んだ展示も行われています。華やかな場面を描がいた浮世絵版画が多数並んでいて、なかなか楽しめました。中には自分の大好きな「山本や 長命寺桜もち」が描かれている浮世絵もありましたよ。

↓ すみだ郷土文化資料館 ↓
http://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/siryou/kyoudobunka/index.html

今日の美術展 [平成二十年三月二十七日]

2008年03月27日 | fine arts
もう、あちこちで桜が咲きまくってますね。週末にはお花見をされる方が多いと思いますので天気が良いことを願います。今日は暖かかったこともあり、原チャリで北千住まで足を延ばしました。意外と近いです。

假屋崎省吾の世界展 於: 日本橋三越本店 新館7階ギャラリー
まずは日本橋方面から廻りました。テレビでお馴染み華道家の假屋崎省吾氏、華道歴25周年記念のイヴェントです。まぁ、まさにカーリーの人柄 (良くは知りませんが!?) がそのまま出ている様な華やかな作品、そして大きなインスタレーションの数々でした。豊かな感性が表れていると思います。活けてある花もさることながら、カーリー自作の花器がどれもポップでチャーミング、花器を見てても楽しい展示でした。

↓ 日本橋三越本店 ↓
http://www.mitsukoshi.co.jp/shop?EcLogicName=storeinfo.storetopInfo&tenpoCd=10

浜口陽三「ぬくもりのある風景」 於: ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
水天宮方面へ。ここも好きな美術館となりました。浜口陽三氏の版画作品はどれもいつ見てもとても静けさを感じます。心が落ち着きますね。今日、改めて気が付いたのですが浜口氏の作品に使用されているモチーフはちょっと変わって面白いと思います。さくらんぼ、アスパラガス、スイカ、くるみ、毛糸の玉と編み棒、てんとう虫、ぶどう等々、不思議です。今回は浜口氏の数少ない石版画 (リトグラフ) が展示されていたのですが、それらはメゾチント作品とは対照的なポップで明るく、動きや陽を感じさせるものでした。こんな浜口氏の作品も良いものです。あとはメゾチントのうさぎを描いた2点の作品が気に入りました。それと、ここの収蔵品である伊東深水氏等による美人を描いた木版画の数々もやっぱりイイっねぇ~。

↓ ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション ↓
http://www.yamasa.com/musee/

ART ADVANCE ADACHI 2008 於: シアター1010ギャラリー
現在活躍中の現代アート作家12名の作品展示です。しっかり考えられて造り込んだインスタレーションが多く、なかなか面白い内容でした。自分が気に入ったのは小松宏誠氏の作品。暗い空間に何本も直径50mmほどの透明なチューブが立てられ、その中に一枚ある純白の羽根が空気で吹き上げられゆっくりと落ちてくる様を下からライトで照らし出しています。とても美しい光景でした。現代アートでも自分としては珍しく作家個々の別の作品も見てみたいと思う美術展でしたね。
で、写真は「アダチン」。足立区文化芸術振興のキャラクター、日本古来の犬種「狆 (チン)」がモデルで「あだち・アダチン・アートだチン!」だそうです (ダジャレかっ!?)。結構なゆるキャラ、子供に人気でした。

↓ ART ADVANCE ADACHI 2008 ↓
http://www.bon-gout.jp/aaa2008/index.html

淡水翁賞25周年記念「新しい金工の美」 於: 石洞美術館
せっかく北千住まで行ったので前から訪れてみたいと思っていた石洞美術館も見て来ました。ここの美術館ははんだメイカーの千住金属工業のちょっと変わった社屋の一画にあります。理事長の佐藤千尋氏による世界の陶磁器や仏像などのコレクションが収蔵され、「石洞」は氏の雅号が由来だそうです。今回は非金属の販売商社、佐藤商店の創業者、淡水翁・佐藤保氏を記念して創設された若手金属工芸家へ与えられる淡水翁賞が25周年を迎えた記念展示で今までに受賞された44名による作品が展示されていました。様々な金属を用い造られた作品、伝統工芸品からジュエリー、オブジェに至るまで、どれもが手の込んだ細工による見事な匠の技でしたね。凄いです。いろいろな品があって何がどうとは言えませんが、細工の技法の中で金属の表面に異なった金属を嵌め込む「象嵌」と言うものがあり、この技法で作られた作品に自分は魅せられました。多分野に匠の方々が居るものです。

↓ 石洞美術館 ↓
http://sekido-museum.jp/

東京国際アニメフェア2008 於: 東京ビッグサイト
今日は最期に自分には似付かわしくない展示へ。アニメのコンベンションです。知り合いの映像クリエイターが出展しているので誘われ、また何か仕事のキッカケがあればと思い、行ってきました。東京ビッグサイトの広い構内に多数のブースが出され賑わっていました。今日はビジネス・デーだったので人出はそう多くはありませんでしが、週末の一般客の日にはオタクの方々できっとごったがえすのでしょう。アニメは本当に一大産業ですね。これが世の中にとって良いものとなって欲しいです。所詮、アニメはヴァーチャルな世界のものでしかないのですから。ひと通りは見ましたが、まぁ、企業ブースの方にはほとんど興味は無く (あっても手塚プロダクションと竜の子ロダクションぐらい) 、面白くありませんでした。で、知人が出展している"CREATOR'S WORLD"、こちらは新進気鋭の選ばれた映像クリエイターの方々が紹介されているだけあって結構、興味の湧く展示でした。中でも"TANGE FILMS"と言うチームの作品は和テイストでもあり、なかなか自分でも惹かれました。それで、自分の知人は"MATSUMO"と言います。サイト"M's FORMAT"で、その活動がを見ることが出来ますので興味のある方は覗いて見て下さい。下記にURLを載せておきます。

↓ 東京国際アニメフェア2008 ↓
http://www.tokyoanime.jp/ja/index.php

↓ M's FORMAT ↓
http://www.msformat.com/

今日の美術展 [平成二十年三月二十六日]

2008年03月26日 | fine arts
花、特に一斉に咲く桜は本当にありがたいです。別に誰かに何かをされたり、言われたりして咲く訳でもなく、毎年、同じ時期にきれいに咲いてくれて、人の気持ちを和やかにしたり、楽しませてくれるのには感謝です。(写真: 上野のお山も桜が大分、咲いて賑わっていました。今週末はきっとドンチャンと盛り上がることでしょう。)

VOCA展2008 於: 上野の森美術館
多くの現代アートの名作家達を輩出してきた美術展です。この展示を過去にも数回見ていますが、美術関係者が作家を選定し、制作を依頼しているだけにやはり出品作品のクオリティは非常に高いといつも感じ、品格があると思いますね。現代アートながら自分としても結構、気になる作品が多々ありました。「モリノコ / 森迫暁夫氏」シルクスクリーンを用いゴチャゴチャしたポップなイラストをプリントした、まるでテクスチャーの様な作品。「合図のよう, 彼女の名はしらない / 三宮一将氏」静かな雰囲気の絵画。「御影石, 森, カリフラワー / 森本絵利女史」半透明のフィルムにアクリル絵具で細いドットで絵を描いたもの。「山水 / 阪本トクロウ氏」大きな画面に空と湖、そして湖面にスワン船、薄い水色と乳白色が美しいシムプル過ぎて爽快な絵。以上の作品が気に入りました。意欲的な作品が多く、内容の充実度が高い美術展です。

加藤泉 The Riverhead 於: 上野の森美術館ギャラリー
上野の森美術館内のギャラリーでは加藤泉氏の作品展が併催されています。加藤泉氏の作品は以前にも見たことがありましたが、かなり奇妙な人間の姿の絵画と木彫、その全裸の人達はとにかく目を惹きます。全然、かわいくもない (むしろ気持ち悪い?!) のですが、そこはかとなく愛嬌がある様にも思えます。プリミティヴなイメージなのかもしれませんが、かえって自分には人の未来の姿にも見えてしまいますね。

↓ 上野の森美術館 ↓
http://www.ueno-mori.org/top.html

カリスマ挿絵画家 高畠華宵展 於: 弥生美術館
毎度、お馴染みの弥生・竹久夢二美術館へ。ここの開館のきっかけとなった高畠華宵氏の作品を約500点、一挙に公開している展示です。高畠華宵氏は自分も大好きな挿絵画家ですが、その日本画をしっかりと踏襲した画風はいつも本当に凄いと思います。今回は華宵氏の画業と共に作品の題材となった当時の風俗を紹介・解説していて、時代背景などが分り、とても興味深い展示でした。とにかく、その当時の風俗を反映させた挿絵の数々はオシャレであり、美しく、艶っぽい、アイデア豊富な画面、高い画力、素晴らしいです。中でも氏の作品を見ていつも思うのですが、女性を描いた軸物の日本画は最高に良いですね。

夢二と謎の画家・小林かいち展 於: 竹久夢二美術館
こちらは竹久夢二氏と謎に包まれている画家、小林かいち氏の絵葉書や絵封筒の展示です。夢二氏が制作したものは度々、見ているので確認した程度。で、一方、小林かいち氏の作品をこんなにまとめて見たのは初めてで圧巻でした。モダンであり、儚く物憂げ、独特なイメージの意匠による絵葉書・絵封筒は、ある意味、新鮮さを感じ、驚きの美しさです。聖教画的なイラストが多く、何かそこに秘められた危なげな感じもして、琴線に触れる思いでした。そして、また違う明るいイメージのイラストによる京都の風景や舞妓さんを描いた作品も、まさにきれいで良かったですね。前に購入した小林かいち氏の画集を改めて見てみようと思いました。

↓ 弥生美術館・竹久夢二美術館 ↓
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

EVACCA 於: Gallery 5610
何処かでフライヤーを取り面白そうだし、会場が職場から近いこともあって、ちょっと覗いてみました。東京工芸大学主催による若手作家のコンペ「絵馬鹿の絵ばっか EVACCA展」だそうです。これが、どんだけなもんかと思いきやなかなか良い作品が並んでいました。見に来て良かったです。中でも古屋恵子女史による作品、絵自体も面白いのですが画面の不思議な質感が気になりました。それと馬込博明氏の何とも魅かれるキャラクターが描かれた作品も好きです。馬込博明氏は去年「ひとつぼ展」で見て以来、ちょっと気にかかる作家さんですね。

↓ デスカ (Gallery 5610) ↓
http://www.deska.jp/

今日の美術展 [平成二十年三月二十五日]

2008年03月25日 | fine arts
原チャリに乗っていても一向に寒さが気にならなくて嬉しいです。早くカンカンに暑くなって欲しいものです。あちこちと桜が大分、見ごろとなってましたよ。今週末は何処も花見で賑わうのでしょうね。

竹尾ポスターコレクション ベストセレクション04 イラストレーションポスターの巨匠 於: 竹尾見本帖本店

紙の専門商社「竹尾」のショウルームへ。レイモン・サヴィニャック氏、ソール・スタインバーグ氏、ヘンリク・トマシェフスキ氏、アンドレ・フランソワ氏、20世紀を代表するイラストレイター、グラフィック・デザイナー4人によるポスター作品10点のミニ展示です。やっぱり自分もサヴィニャック氏のポップで楽しいイラストは大好きですね。
ところで、毎年行われている竹尾社主催の紙のコンベンション「TAKEO PAPER SHOW 2008」がもうすぐ4/17~20に開催されます。また楽しみです。

↓ 竹尾見本帖 ↓
http://www.takeo.co.jp/web/shop/

↓ TAKEO PAPER SHOW 2008 ↓
http://www.takeo.co.jp/web/event/papershow/2008.html

マキノ映画の軌跡 於: 東京国立近代美術館フィルムセンター展示室
「日本映画の父」と称され、日本映画の発展に大きく貢献した牧野省三氏による映画集団"マキノ"の軌跡を紹介した展示です。明治時代に活躍された方なので、自分は牧野氏の活動を全く知らなかったのですが、今回、展示されていた多くのスチール写真や資料を通して牧野氏と"マキノ"映画の功績が良く分り、とても興味深い展示内容でした。

↓ 東京国立近代美術館フィルムセンター ↓
http://www.momat.go.jp/FC/fc.html

クリエイティブディレクター 箭内道彦の漂流 於: クリエイションギャラリーG8
現在、売れっ子のクリエイティヴ・ディレクター、箭内道彦氏が手掛けた様々な仕事を紹介する展示でした。タワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE」キャンペーンやフリー誌「月刊 風とロック」の編集・発行など、音楽にも密接に関係している方です。確かに今の時代にマッチした素晴らしい仕事をしていると思うし、眼の付け処とかもとても面白い、発想も凄い、ですが....、自分には何故か....!?、って感じなのです。それは、やはり自分がアナクロでアナログな人間だからでしょうか?!

服部公太郎展『物 (もの)』 於: ガーディアン・ガーデン
去年の「ひとつぼ展」でグランプリを受賞した服部公太郎氏の個展です。浴槽にアヒルのヴィニール人形を浮かべ、水道の蛇口から水を人形へかけ流す映像作品は面白かったけど、あとは、う~ん...。

↓ リクルートの2つのギャラリー (クリエイションギャラリーG8 & ガーディアン・ガーデン) ↓
http://rcc.recruit.co.jp/