ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [28 Oct. '07]

2007年10月28日 | fine arts
台風一過、今日は大変、暖かな良い陽気の一日でした。原宿での"THE 69YOBSTERS"のアーティスト写真撮り (写真: いかつい容貌の奴等ですが、実際は腰が低い、気のいいルード・ボーイ達?! です。) の前に一軒、美術展へ。

川瀬巴水 旅情詩人と呼ばれた版画絵師 - 没後50年 (前) @大田区郷土博物館
この展示には、いたく感激しました。大田区に住み、縁のある大正・昭和期に活躍した版画絵師の川瀬巴水氏、没後50年の回顧展です。本当に素晴らしい展示で、展示されている作品数が多く、また版下絵や摺りの行程が解る「木版畫順序摺」、試摺、版木など珍しいものも多く、大変、見応えがありました。摺りを34回も重ねた作品、色の上に色を重ねる手法はそれまでの浮世絵にはあまり使われておらず、これだけ版を重ねることによって深みのある色彩が表現出来たのです。その色彩は木版画ながら洋画の様であり、水彩・油彩・パステル画の様にも見える程です。そして水彩で描かれた版下絵も美しく、巴水氏の画家としての高い才能が伺えます。またその版下絵に対する版画が版下絵にほぼ同じに見える様に仕上がっているのが驚きです。巴水氏の作品は江戸時代の浮世絵版画を踏襲しいろいろな絵画の要素を加味し作り上げた木版画のひとつの完成形、究極の形と言えるのではないのでしょうか。それは巴水氏の絵はもちろん素晴らしい上に彫師、摺師の腕前も最高の技術、そして版元も含め巴水氏の創作意識を良く理解していたからこそ成し得たものだと思います。巴水氏を良く知ることの出来る、とても興味深い展示でした。巴水氏ファン、浮世絵や版画好きの方はもちろん、興味のある方は是非、お薦めの展示です。しかも入場無料です!! 自分は後期展示が超楽しみです。

↓ 大田区郷土博物館 ↓
http://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/hakubutsukan/kyoudohakubutsukan/index.html


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