九州大学山岳部 ブログ 「QUAC blog」

日々の活動、部員の声etc... QUACの日記です。

野北クライミング

2021年10月31日 | トレーニング
こんにちは。
2年の竹田です。

昨日10月30日、野北の岩場に行きました。1年のMにとっては初の野北。彼にとって初の野北は山岳部での思い出の中でも最も衝撃性の高いものとなることでしょう。ちなみに私はそうです。前置きなんぞない。ささっと内容に入ります。

参加者は部員7人全員。トレーニングは私の5分ほどの遅刻と(参加した皆さんごめんなさい)松林の懸垂下降のレクチャーと合わせて9:15に開始しました。懸垂下降のとりつきに着いたのは9:35、2年のAが懸垂下降の準備に入ります。A(2年)→M(1年)→T(2年)→S(2年)→Y(2年)→A(1年)→K(3年)の順に岩場を降りました。初めて本格的な懸垂下降をした1年のMの感想は「怖かった」でしたが、1~2分ほどで降りきったことから問題ないと思います。新入部員の難関の1つはクリアです。先輩としてはうれしい限りですが私の感情は複雑です。詳しくはちょうど1年前の野北クライミングの記事参照のこと。ここでの反省点はシングルのザイルは1、2番目の人が持っておくことでしょうか。ザイルをかけるが少々遅れました。

10:00過ぎにクライミングが開始されました。最初は2年のY、A、Tがそれぞれ大ハングの下、2段ハングの上、ルンゼの上にリードでザイルを掛けました。途中で帯状ハングの上にもザイルを掛けました。次に各部員の挑戦した主なルートを解説します。

3年のKは主に下級生の指導にあたっていましたが、途中でルンぜ右側壁(5.10a)をクリアしていました。Mが小ハング横クラックに苦戦していた時は近くまで登って教えたり、実際に登って見せたりしていました。来年指導する側に立つ私にとっては参考になりました。最終的にMはクライミングに成功。双方ともお見事です。

2年のAは主に2段ハング(5.10a)に挑戦していました。すでにクリア済みでは?と思っていましたが、将来リードをするため分析していたようです。それからMにクライミングを教えてもいました。

同年のYは2段ハングや帯状ハングダイレクト(5.10b)に挑戦していました。帯状ハングという名を私は初めて知ったのでもしかしたら違うのかもしれません。結果の成否は私が確認していないだけでわかりません。

同年のSは左の凹角(おうかく)(5.8)と小ハング横クラック(5.7)に挑戦し、クリアしていました。先々週に油山川の岩場のワイドクラックと銀河鉄道をクリアしていることも含め、着々と実力をつけているように思えます。ほぼ同時期に入部した私としてはうかうかしてられないです。

1年のAは2段ハング(5.10a)、帯状ハングダイレクト(5.10b)に挑戦していました。Aは私と共に2段ハングの攻略に徹底していたのですが、Aは1つ目のハング上部に手を置くことはできているのですが足がうまくかからず乗り越せないという具合です。ちなみに2段ハングの進捗は私より彼のほうが上です。くやしい。

1年のMはルンゼ(5.6)、2段ハング右横クラック(5.8)、小ハング横クラック(5.7)に挑戦しました。ルンゼは一回目で、小ハング横クラックは2回目にクリアしていました。残りの成否は未確認。

私はルンゼのリード、左の凹角、小ハング(5.10a)、2段ハング(複数回)に挑戦しました。ルンゼと左の凹角は難なくクリアしましたが、小ハングは複数回のトライでのクリア、2段ハングに至っては一つ目のハングすら乗り越えていないざまです。ただ、今回のトレーニングで左の凹角のリードへの挑戦も見えてきたし、2段ハングも一つ目のハングの上部に存在すると言われ続けていたガバをようやく確認することができたので、まずまずの成果を収めることができたのではないかと思っています。

※ほかにも私が確認していないだけであるかもしれません。どうかご容赦を。

その他のイベントとしましては、トレーニングの途中で別パーティと出会いました。その方々からは懸垂下降ポイントの付近で大きなスズメバチの巣を確認したから注意するようにと教えていただきました。さらには確認のためにか(その方々は懸垂下降ポイントにいて少し声が聞き取りづらかった)わざわざ懸垂下降で降りて伝えてくださりました。ちなみに教えてくださったスズメバチの巣の場所は我々が通らないところにあるので本ブログを読んでくださっています愛読者の皆様、ご安心ください。教えてくださった方々、本当にありがとうございました。

それから海で潜り漁業を行っている人たちも見かけました。野北の岩場では船を見ることはままありますが、実際に人が泳いでいるのを見るのは初めてでした。

トレーニングを終え、撤収は16:00に行われました。登り返しの順番はY(2年)→M(1年)→S(2年)→A(2年)→T(2年)→A(1年)→K(3年)です。1年のMにとってはビレイ無しかつ荷物を背負ってのクライミングは、フリクションノット(巻き結び)で安全確保をしていたとしても恐怖でしかなかったでしょう。しかし前半の2年3人のフォローもあって無事登り返すことができました。そのころ私はというと、途中でクラックに登山靴が挟まって、なかなか抜けず情けない悲鳴をあげていました。結局は後ろのA(1年)の助けもあって抜け出すことに成功しました。

新入生を伴っての野北クライミングはその内容の性質上、ほぼ毎回阿鼻叫喚になることが多いのですが、今回は特に大きな騒ぎが起こることなくトレーニングを終えることができました。来週は背振全山縦走。1年のMは参加しないものの、上級生でも難易度が高く、さらには負傷を負わせる魔境の山域と伝え聞いております。しかし来たる冬合宿を成功に収めるべく、果敢に邁進してきたいと思います。以上をもって本ブログを占めくくらせていただきます。

p.s.ブログ書くのに2時間かかるってマジ?明々後日危険物の試験なんだが。


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雷山歩荷+水デポ

2021年10月25日 | トレーニング
お久しぶりです。
2年の青木です。

最近、落とし物が多い。
先々週の土曜日、宗像でのOB山行から帰って、自分のアタックザックを覗いたところ、「荷物が足りない!」
何と、スペアの眼鏡がないです。
一緒に防水していた文庫本もない。
古本屋で出会って、冬合宿でも読もうと楽しみにしてたのに。
これはマズイ。何より、眼鏡は日常生活における必需品。やばいぞやばいぞ。

落とした場所に当たりを付けてJRに問い合わせすれど、該当なし。
数日置いてもう一度問い合わせても、該当なし。
部員の荷物に紛れてるかも、と聞いてみても、見つからずorz

そんな中、ふとGoogleで「交番 落とし物」と検索すると、”落とし物・忘れ物検索システム”なるものを発見。
一縷の望みをかけて、眼鏡で検索します。
しかし、該当なし。
クソッ。
諦められない。ダメで元々。文庫本の方で検索します。カチカチ。

そしたら、、、ありました。
ふー。
文庫本と眼鏡ケースの落とし物として登録されていたようで。
試してみるもんだな。よかった~~

ただ、宗像まで取りに行かねばならないそう。
まあ、仕方がない。今回は宗像だからまだまし。これが仮に松本だったら、到底無理だった。
普段鈍行の旅をする我々の場合、合宿の道中で落とせば回収は絶望的。
以後、気を付けないと。




さて、前置きが長くなりました。ごめんなさい🙇
本題に入ります。




先週末、後期に入って初めての歩荷に行きました。
場所は雷山です。
2年のSは来れなかったので総勢6名。
7月から入部した1年のMは人生初歩荷です。

因みに、話が少し遡りますが、彼の初練習は宝満若杉だったりします(笑)
しかも、初めてが宝満若杉になった部員は、2年のSに次いで2人目です。
コロナで、入部時期がバラバラになってるからかな。
空身とは言え、完走してくれて頼もしい限りです。

話を先週の歩荷に戻します。

各自で水を汲んで、歩荷開始。
「今日は雷山山頂まで」と決めていたので、少し負荷を増やしました。
ペース遅めですが、順調に登っていきます。
この時期は気温が下がり始めて、歩荷に最適な気候。
火照った身体を秋の風が冷やしてくれます。
気持ちいい。

上宮では、黒い毛並みの中型犬をつれた外国人のパーティに遭遇。
かっけぇな~。

その後もひいひい言いながら登っていると、いつの間にか山頂へ。
毎度のことですね。
歩いていたら、じきに着く。

空は見事な秋晴れ。
最近、冬のどんよりした空ばかりだったので、ちょっと感動。
お久しぶりです、青空。


さて、今日は脊振全山縦走に備えて水のデポをしに来ました。なので、ここでポリタンクは降ろします。

M君は雷山初登頂ということで、証拠写真もここで撮りました。
山頂にいる他のパーティに撮ってもらえないかと辺りを見回すと、さっきの外国人パーティが近くに。
前を素通りして他のパーティに声かけるのはな~と思っていると、パーティの一人に東洋系の顔立ちの方が。
イケるんじゃね?
「すみません、写真撮っていただいてもよろしいですか。」
キョトンとされました。
さすがにダメか。

えーっと、なんて言おうか。Could y... 
めんどくさいな。単語で行くか。
「Pho」「Picture?」
もはや口にせずとも伝わっちゃいました。
「Yes!Picture!」
そんなわけで、交渉成立。

「Here」と言いながら撮り方を軽く実演して準備完了。
綺麗な写真を撮って頂きました。
ポーズをとる前の、何気ない瞬間まで撮ってくれる粋なサービス付き。
ありがとうございました。



ひとしきり休憩したら、水をデポするために雷山避難小屋へ。
避難小屋までの下り坂は相変わらず展望がいい。
開けた草原をテクテク歩きます。



雷山避難小屋に着くと、張り紙がありました。
なんでも、ヒマラヤを目指して頻繁に脊振全山に取り組んでいるパーティーがあるらしいのですが、
小屋にデポしていた食料品や燃料をケースごと盗まれたらしい。
しかも、一度でなく、複数回被害に遭っているとのこと。
酷い。
山域や天候によっては、人命を奪いかねない。
盗った奴は何考えてんだ。

一方でうれしい出来事も。
何となんと、水場がありました!
避難小屋から徒歩3分、水量も豊富。
今度から水のデポいらんやん!
やったぜ!!
実は、小屋までの道も草が刈られて歩きやすくなっていました。
避難小屋を指した新しい表札も発見。
小屋の中も、山と高原地図やPEAKSが置かれて、何だか楽しい空間に。
ありがたや~。

参加予定者全員分の水をデポしたら、次は長野峠まで偵察に行きます。
当日は夜明け前の暗い中行動する上、例年踏み跡が見えにくく迷いがちな区間です。
偵察隊は数人でよかったんですが、何だかんだで全員行くことに。
ここも心なしか一年前より踏み固められて、歩きやすくなっています。
これなら、道迷いのリスクも減るかもな。
油断は禁物だけど。
分岐のようになっていて少し分かりにくい箇所がいくつかあったので、赤テープを巻いていきます。

もう少しで長野峠に着くかもな、という場面で、一年のM君が大きく失速。
どうしたんだと思ったら、なんと彼、歩荷し続けてました。
そういえば、山頂で休憩しているとき、水を降ろすこと伝えてなかった。。。ごめん!
反面、ここまで下りとは言え、空身のペースに歩荷でついて来ていたことに驚きを隠せない。
もしや、相当強いのでは?
20kgだから、まだ何とも言えないのかな。けど今後に期待。ガンバ!

水を降ろして再出発。
しばらく進むとエンジン音が聞こえ始め、長野峠に無事到着。
そこからは林道を辿って雷山の駐車場まで戻りましたとさ。
皆さん、お疲れさまでした。

来週は、学祭期間を使って2泊3日の背振全山縦走。
さらに12月には、1年のM君を交えて英彦山へ強化合宿に行く予定です。
楽しみだ~。
がんばろ。


最後に。
九大山岳部は今でも新入部員募集中です。
毎週水曜日、部室で部会をやっているので、興味があれば是非お越しください。
部室に来てくれれば、その後はどうとでもなります(笑)
ウチの部員、入部経緯はみんなそんな感じ(笑)
詳しくはHP、twitter、インスタで。
山はいいですよ~。
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2021/10/09 油山の岩場

2021年10月18日 | トレーニング
9月のオフも終わり、部のトレーニングが再開しました
さぼりまくりのブログも最近再開しました
来週から部員に投げていくつもりです
今日は10月18日なのですが、昨日から一気に季節が進み毛布出さなきゃと思いつつ、結局出さずに窓を開けたまま寝てまって声がしわしわのYがお届けします

10月9日(土)は晴天で、それ以前も1週間晴天が続いていたので、岩の状態は最高でした
久々に油山へ集合9:10ごろには入山口に部員が揃いました
バイクが2人、自転車が2人、車(!!)で3人、みんな足を持ってます

今年の新入部員1名が初のクライミングで油山ということで、2年部員2人の指導のもと懸垂下降の練習から始まりました
その他の部員は三角柱(5.9)、ワイドクラック(5.8)から登り始め、それぞれ3年主将のK、2年のTがリードをしました
主将は三角柱のリード、銀河鉄道(5.8)のリード、などリードメインで登り、ミニハング(5.10a)をトップロープで登られていたと記憶しています

学部は3年山岳部では1年のAは、日がな一日三角柱と格闘
彼の場合他の部員と身長が大きく違い、リーチが長すぎるので、他部員からのアドバイスは有効ではないと思われます
自分の登り方を開拓していくのでしょう

2年の女子部員Sは、ワイドクラック(5.8)、銀河鉄道(5.8)を完全攻略し、左のマントル(5.8)のマントリングのみ次に持ち越しとなりました

2年の男子部員Aは、懸垂下降指導ののち、凧揚げコーナー(5.10a)、コーナークラック(5.10b)をトップロープで登っていました

2年の男子部員Tは、ワイドクラックのリードの後、三角柱と格闘しましたが次回に課題を残し、銀河鉄道を完登しました

2年の自分は懸垂下降の指導の後、ベビーフェイス(5.9)、モンキーフェイス(5.10a)、凧揚げコーナー(5.10a)をトップロープで登り、コーナークラックの核心をこえられずに終わりました
5.10aの二本に関してはテンションをかけてもらいながらの登攀だったので、次回はノーテンで登りたいです

1年のMは、懸垂下降を3回繰り返したのち、左のマントルに挑戦しましたが完登はおあずけとなりました
(左のマントルは岩からはがれると支点がルートの右上にあるため右に大きく振られるのですが、自分の初めての油山では10回といわないほどふられ足腰をぶつけたことを思い出し感慨深かったです)
その後銀河鉄道に挑戦し、ルート最後の、支点直下の左右に走るクラックを支えによじ登る部分のみを残せばほぼ完登でした

冬山に向けては体力強化が最優先だと思いますが、岩はやはり楽しいのでやりたいなあとも思います
現場からは以上です

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夏合宿 南アルプス北部隊

2021年10月13日 | 夏合宿
こんにちは!随分お久しぶりの投稿となりました
九大山岳部2年の安平です
8月15日~9月上旬までの夏合宿が終わって1か月
(詳細な行動記録をご覧になりたい方は近日中に九大HPにてアップする報告書をお読みいただけると幸いです)
九大山岳部の合宿の中でも最長となる夏合宿のうちわけについて、
前半8月15日~8月27日には、剱山域周辺で定着合宿を、後半8月28日~9月上旬には6人の部員を2隊に分け、北アルプスは剱~槍縦走隊と南アルプス北部隊でそれぞれ縦走しました

前半の定着合宿、後半の剱~槍隊のブログ更新を同期に投げ、自分は南アルプス北部縦走について勝手に書いていこうと思います

8月27日、室堂バスターミナルから下山し、8月28日、南アルプス北部に尾白渓谷駐車場から入山しました
朝3時起床…アラームではなく外からのライトで目が覚めました
想像以上に登山者が多い…
黒部尾根は日本3大急登に数えられるとのこと
一日で2000m以上標高をあげるのは初めてで、南アルプスのスケールを全身で感じました
天候は快晴!最高!富士山から八ヶ岳、中央アルプスから北アルプスまでが見渡せました
個人的に好きだったのは仙水小屋のテント場で、森林の中に秘密基地のようにこじんまりとした円状の空間が点在しており、心躍りました
晴天であったことも大きいでしょう

翌日は小仙丈ケ岳から続く稜線歩きを楽しみ、仙丈ケ岳を踏みました
仙水小屋を出てから北沢峠に至るまでの序盤、川沿いは暗いと迷うかもしれません
個人的にときめいたのは仙丈ケ岳から伊那荒倉岳までの登山道、森林、それらの空間で、
土はやわらかく、木々は大きく、日差しは強く、生きててよかったなーと思うくらい心地の良い道でした
この日は両俣小屋へ
1982年の台風で建て替えられたのだそうです
猫さんが非常に愛らしい…
また右俣コースから北岳を目指す計画でしたが、小屋主のかたから通行止めになっているという情報を得、急遽、翌日は三峰岳から間ノ岳を先に踏むという計画に変更しました

そして翌日、間ノ岳まで行き、時間をみても北岳までのピストンが可能でしたが、非常に強風だったことと、連日の長時間行動を鑑みて農鳥小屋へ向かいました
農鳥小屋は富士の眺めが最高です
小屋主の親父さんも非常にユニークです
水場は往復20分といえどきれいです
トイレにだけは閉口します…

翌日北岳をピストンし、山頂では1時間半ねばりました
甲斐駒ヶ岳の山頂で大阪のマダムにいただいた煎茶の羊羹、最高。ごちそうさまでした。
翌日9月1日はガスの中、西農鳥岳、農鳥岳を踏み、2時間半まきで奈良田へ下山しました

鳳凰三山、南アルプス南部にも足を踏み入れたいです
登らせていただき、ありがとうございました

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