前回5月29日掲載記事の続きになりますが今回は天草吟月(仮名)です。前回の花春秋と次回
に残している薩摩錦織に比して最も小ぶりの品種です。
初めて見たのは先輩宅でしたが小ぶりにまとまった株すべてに紅覆輪が回りとても綺麗であった
と強く印象に残っています。それだけに迷わず株分けをお願いし持ち帰って今に至っていますが
何故か我が家では紅覆輪が消えてしまい、それからも紅覆輪が一度も出ていません。その間も
先輩宅のものは相変わらず綺麗な紅覆輪を巻いており我が家との違いがハッキリしないままなので
今もってごらんのとおりの白覆輪・・・のままです。
2019年5月26日撮影
以前、ワンシーズンだけほぼ直射で作ったときもありましたがそれでもアントシアニン色素が現れる
ことなく終わったので、本種もただ単に日をとればいいというものではない様です。 そういえば
先輩宅でも直射で栽培しているわけでもなく我が家との違いといえば我が家は完全自然作、先輩宅は温
室栽培といっても加温しているわけではないのでそんなに変りあるわけでもないだろうし一体何が影響
しているのやら・・・・・こういったことをあれこれ思い、考えるのも風蘭・富貴蘭を趣味とする者
にとっての楽しみ方の一つですかね。
ちなみに、今は「活力剤 → 真水 → 液肥 → 真水 → 活力剤 →」というような順番で一週
間に2回のペースで水を与えています。 で、この前ふと目をやるとまずいことに2鉢で風蘭の根先がか
じられいるのに気がつき、気をつけて見ると2センチ程度の細長い虫の幼虫が根先にはり付き、一所懸命
その根先をかじっているではありませんか。仕方ないなぁ~で済ませられる品種だったので良かったの
ですがこのままでは一大事と直ぐさま消毒を行いました。今の時期はとくに頻繁に目をこらして眺めて
おかないとなにが起こるかわかりません。一大事に至らないようこまめに棚を見回らないとね。
薩摩錦織(九州産としかわかりません。でも、名前から鹿児島産かな?)、花春秋(鹿児島産)、
天草吟月(長崎産)といずれも九州産の3種類を並べてみました。大・中・小で、単品では同じ
ように見えてもこうして並べ撮りするとそれぞれの特徴がハッキリし、三者三様であるのがよく
わかります。
で、まずはそのうちから・・・・・・・
・・・・・・・花春秋です。
2019年5月26日撮影
割子のもう一鉢。
葉縁に紅(アントシアニン)がにじみ出ています。少し日が強いのかも知れませんね。
棚は50%遮光ですが完全に囲っているわけではないので一日の内数時間は直射日光があたる
部分もあります。しかし、この鉢は一応遮光下にあるのでそうそうアントシアニン色素が
出ることがなかったはず。ということはただ単に日が強すぎるというだけではなくその他の
条件もあるのかな。
先輩から赤花覆輪種として株分けしてもらいましたが我が家では花弁の縁を彩ったものの完全な
赤花といえるものは未だ咲いたことがありません。しかし、何年か前ですが先輩のところで見事
に赤花が咲いたものを見せてもらい、びっくりしたのを思い出します。
※ 赤の発色には日取りが大きく関係すると聞いているので、根のしっかりした割子が取れれば
別な環境下において色々と試すのも面白そうです。アントシアン色素が全葉に出るくらいの
環境の発見を目指し、ガンバですね。
散り斑種の人気ですが、全体を通してみればその多くは縞柄種に劣る感じかなでも、
コストパフォーマンス的には結構いけてるように思い、もう少し人気が上げってもいい
のではと思っている。のは私だけ・・・・・
2019年5月25日撮影
棚入れですが、細い縞が1,2本通る程度だったので縞柄種だろうと思い将来を楽しみにと
手にしたのが購入の動機付けでしたが、いざ作を重ねると数年で散り斑柄に様変わりした
宮崎産の散り斑種です。後にやや暗んでいきますが、派手に出た葉が暗んでいく様は結構
きれいなものでそこそこに目を引きます。
これは、福井県の大棚からの株分け。
これは宮崎産。
これも宮崎産。
他の散り斑種に比べ紺の強い葉色をしています。後で気づいたのですが、この株よりもっと綺麗に
派手た柄行きの株がもう一鉢。そちらを記録すべきでしたが何故か後ろの方にしまい込んでいたので
気づきませんでした。もしかすると他にもこんなのがあったんだなんて得する気分にさせてくれる
ような鉢が隠れているかも・・・・・ってなことは、まずないか。
これまで相当に厳しい環境で栽培しても葉や根を傷めることなく順調に生育する強い品種ですが
今回はやや事情が違ったようで、相当根を傷めていました。串を刺しているのは整形ではなく株
に対して根が少なくぐらつくために固定目的での使用です。元一本から増殖し小遣い稼ぎにとい
くつかは手放してしまい、残ったのはこの株立ち一鉢のみ。大事にしないと後がありません。
実は下葉に中透け気味の葉が混じるものの上に来て柄が暗み傾向にある素立ち一本がもう一鉢あ
り、その天葉が上柄(最上気味)に向かいそうな気配が強く出ていたのでこれからも気長に作る
つもりでいたところでしたがそれもオークションに出してしまったので本当に大事な一鉢となっ
てしまいました。
2019/5/18撮影
一応殆どの葉に縞が見られるので枯れさえしなければまず柄が抜けてしまうことはないと思います
が、安心するには最上柄をもう一本手にしたいところです。
本種は銘品中の銘品で歴史も長いためその系統も相当あるようですね。青であってもルビー根を
伸ばす良系統や縞を流すわりには泥根をのばすものなど色々のようです。我が家のものはどちら
かというと残念ながら後者の部類かも知れませんが全くルビー根をださないということではなく
ルビー根も交えます。
これは以前に撮った写真ですがしっかりとルビー根が。
和歌山県からも錦織を筆頭に数々の銘品が世に出ていますが私の地元有田川町からは
山間部が多いにもかかわらず斑入り種は差ほどに排出されておらずどちらかといえば
紅天狗など花物の方が数多く知られているかな。特に私が住んでいる吉備地区では縞
柄種は見聞きしたことがなく以前株分けしてもらった本種が唯一私が知っている品種
です(これって、ただただ世間知らずなだけ多分そうだろうな)。
2019/5/14撮影
3年前、親に3本の小さな子付きで棚入れしたものがこのような結果に。まずまずですね。・・・と
いいたいところですがそこそこに育った株にはこれといった上柄が見当たらずどちらかといえば今に
も柄抜けになってしまうんじゃないかと心配がさきにたつものばかり。最上に向かうと思っていた元
親もやや柄が逃げてきているような感じ。はてさてどうしたものかと思案六法・・・・・してみたと
ころでどうなるものではない。本当に風蘭まかせ(成り行き任せ)の冷や汗趣味ですね。
これが棚入れした元親。
なんとか柄行きは保てているようなんですが今後どう進むのかが気になってきになって・・・。
親についている子は柄が偏ってしまっているので期待薄・・・・・・しか~し・・・・・
・・・無地と諦めていた割子から芽吹いた子の柄が
中々いけそうです。
で、この割子から芽吹いた子も
これもまずまずって感じ(親は先のものと替わらずほぼ無地なのに不思議です)。
ま、いずれにせよ親に替わる保険が手に入ったようなもの。一応は大きな安心がもたらされたと
喜んでいます。
ちなみに本種は青軸・青根に黄縞を流す品種。伸び始めですがきれいな青根が見え始めました。