ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/05/26 第34回俳優祭「白雪姫」レポ!

2007-05-26 23:59:39 | 観劇
日本俳優協会主催の「俳優祭」に初めて行ってきた(夜の部)!明日は文楽の通し観劇なので「白雪姫」に絞って書く。
協会サイトの「第34回俳優祭」の記事
【白雪姫】
上記のサイトで予習したことのメモ。
「白雪姫」の初演は今から32年前の第16回俳優祭(昭和50年=1975年)。当時まだ若手だった菊五郎(脚本)、團十郎(美術)、初代辰之助(振付)、梅玉(演出)という製作チームによる創作。
主なキャストの変遷は以下の通り。初演→昭和58年の再演→平成9年の再々演→今回の4演目
白雪姫:六代目歌右衛門→同→雀右衛門→玉三郎
王子:先代幸四郎→二代目松緑→当代幸四郎→同
お妃実ハ魔女が勘三郎→同→團十郎→同
昭和58年の再演時、お妃と鏡の精は先代勘三郎と勘九郎の親子共演となってあまりの可笑しさに今も語り草になっているという。

今回の配役は以下の通り。
白雪姫=玉三郎  王子様=幸四郎  
お妃実ハ魔女=團十郎  鏡の精=海老蔵
7人の童=吉右衛門、仁左衛門、梅玉、左團次、段四郎、秀太郎、波乃久里子
動物たち=(クマ)橋之助、(シカ)染五郎、(タヌキ)松緑、(ウサギ)菊之助、(キツネ)愛之助、(リス)勘太郎、(サル)右近、(イノシシ)獅童
小鳥=時蔵、芝雀、扇雀、福助、孝太郎、七之助、高麗蔵、門之助
狩人=彦三郎  北千住観音=菊五郎

過去の上演歴を踏まえるとキャストの関係もなぁるほどである。
玉三郎の白雪姫は赤姫姿で美しく、冒頭には亡き母を偲んで形見の琴を弾く場面もあり、未見の「阿古屋」を観たくなった。そこから箏曲社中の演奏にもつながっていく。長唄連中、竹本連中も出てとにかく豪華な舞台。
團十郎の継母のお妃は「先代萩」の八汐のような拵え。大きな鏡に向かってつっころぶと同様の拵えの海老蔵もつっころんで鏡の後ろに出てくるという登場。幕も何もないのだから登場に仕掛けがいらなくていい(ガッテン)。顔の拵えは海老蔵は更科姫風で八汐風ではない。「白雪姫の方が千倍も万倍も美しい」という答えをお妃が何度も何度も繰り返すと鏡の精が「くどい」と言って笑いをとる。さらに鏡に向かってのいろいろな仕草で團十郎の後を必死に海老蔵が対照になぞる様が可笑しい。鏡を拭いた懐紙を客席に投げるサービスあり。
狩人の彦三郎に森の奥に連れてこられ、命は助けられた白雪姫。気を失っているところを動物たちが7人の童の家に運んでいく。何人かで本当に持ち上げて運んでしまう!(ここで童との幸せな日々が過ぎている)
花道から7人の童の帰宅場面。仁左衛門を先頭に上記の7人の可愛らしい拵えでの登場に客席が湧く。秀太郎のかむろ姿は女優に勝つ愛らしさ?!。最後にまさかりかついだ赤丸ほっぺと丸めがねの吉右衛門!演舞場の醜女に続く大ウケ!!
童の家では白雪姫が頭に白いてぬぐいを大きくかぶった姿で出迎える。この姿は雀右衛門の何かの舞台写真で見たことあり(六条亭さまの記事で「鎌倉三代記」の時姫と判明。感謝m(_ _)m)。まだまだ未見の演目も多いのでわからないが、いろんな舞台のパロディ満載なのだろう。でっかい三角おにぎりをつくって待っていておにぎりを渡してパクついたりする所作が可愛らしいことこのうえない。
今度こそ自分が一番美しいだろうと言ってもらおうとお妃は久々に鏡の精に問う。ところが白雪姫の生存と所在を聞かされて魔女の本性をあらわしてのぶっかえり。箒とはたきを鏡の精にもらって襟にはたきをさし、箒にまたがっての六方ひっこみというものすごさ~。
白雪姫と魔女の場面はなし。三宝にのせた林檎を持って登場した白雪姫は悩んだ末に食べて倒れる。またまた動物たちが見つけて小鳥たちに飛んでいって童たちにしらせてもらう。みんなが揃って白雪姫が死んだと嘆いているところへ、幸四郎の王子様が花道のスッポンから登場(あれ?人間じゃない扱い?とひとりツッコミ)。七三で青いハンカチを取り出して汗を拭く。本舞台で金の扇子で顔を隠してはにかむ。こういう気障な所作はお似合いである。
そこに奥から現れたのは菊五郎の北千住観音。児雷也のマダムメイクを数段バージョンアップした感じ。手には長い長いつけ爪つき。千手観音をもじっているので後ろに若手が何人もいて光背のように手を広げたり伸ばしたりのパフォーマンス。金粉が降ってくる中を後ろもつけ爪つきの手のパフォーマンスで、最後は1月の国立劇場の化け猫のパラパラパフォーマンスを彷彿とするパラパラに乗っての華麗なショーとなる(かげみつ様に同じ曲と教えていただく。感謝m(_ _)m)。その部分だけスポットが当たっていて、他の舞台の上は暗い中、倒れている白雪姫まで起き上がって北千住観音を出演者まで見て楽しんでいた。
観音のお告げ「北千住~、北千住~、次は南千住~」
ややしばらく後の観音のお告げ「よく寝てるけど、乗り過ごさないでね」
要は姫は死んではいない。眠っているだけだという。観音が去った後で、王子は倒れているのは白雪姫ときき、夢のお告げを思い出し、鏡で生き返らせる。そして求婚。めでたしめでたしの大団円~。

模擬店の時間もめちゃくちゃに舞い上がってしまったが、この「白雪姫」も観にきた甲斐を十二分にかみしめられるものだった。NHKの収録が入っていた(カメラにNHKとあるのをちゃんとチェック)。今回歌舞伎座に来られた方も来られなかった方もTVでしっかり観ていただけます。私も観るのが今から楽しみ(追記:7月オンエアのようです!)。
こうやって書いているだけで脳内再現して楽しめてしまった~。

それではとりあえず、「白雪姫」のレポアップでした。間違いやお気づきの点などがあればどんどんご指摘くださいますようお願い申し上げますm(_ _)m
写真は前出の公式サイトより今回の俳優祭のチラシ画像。
追記
①吉右衛門のまさかりは「関の扉」の関兵衛の持っているものらしい。他の方のレポで気がつく。昼の部では持っていなかったとのこと。昼と夜でいろいろ違うところもあるようだ。
②北千住観音の元ネタについて「くだま記」のharukiさんの記事で知ることができた。ご紹介しておきたい(→こちらへ)

「続・第34回俳優祭レポ!」で前半の舞台と模擬店タイムについて書いたので、あわせてよろしくお願いしますm(_ _)m


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18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (かげみつ)
2007-05-27 08:32:13
初めまして。昼の部を拝見しました。

「白雪姫」で菊五郎さんが踊ったパラパラは、実際に1月の国立劇場で踊った化け猫のパラパラですね~(^^)曲も同じでしたし。
いやあ、菊五郎さんノリノリでしたね。楽しそうだったなぁ。
因みに曲名は「NIGHT OF FIRE」です。

そういえば海老蔵さん、凄く笑いをこらえていた様な…(笑)。
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そうだったのか・・・ (マダムあや)
2007-05-27 11:15:02
3階B席からは見えなかった花道の様子が
お蔭さまでよくわかりました。
ありがとうございました。
やっぱり、1階はいいなぁ。
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羨ましい! (ひとみ)
2007-05-27 17:58:46
レポ、有難うございます。
雀右衛門丈の白雪姫は以前テレビ鑑賞しました。
鏡の場面は爆笑。玉三郎丈等のラインダンス!
福助丈のベルバラ、母上そっくりの扇雀丈のスカーレット・オハラとバトラー、菊五郎丈のマダム等パロディー大好き人間にはたまりません。

「阿古屋」は大阪松竹座で鑑賞しました。出たらお洒落なスーツ姿の右近丈にばったり。テレビ放送ありましたね。玉三郎の琴・三味線・胡弓・歌にはうっとりです。あの衣装・帯で演奏するなんてなんという神業でしょう。
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北千住観音! (さちぎく)
2007-05-27 23:54:20
アハハ!笑っちゃいますね。テレビ見る前から大体予想がつきますね。1階だったんですね、よろしゅうございましたね。
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うらやましい! (花梨)
2007-05-28 00:51:30
こんばんは。今回はすでに他の芝居のチケットを取っていたので、俳優祭はアウト・オブ・眼中だったのですが、こうやってレポとか読むと、行きたかったなぁと思ってしまいます。
しかし童と言いながら、何とでかい人達が揃っているのでしょう…(笑)
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ほんとうに~ (真聖)
2007-05-28 01:21:21
レポアップありがとうございました。

あまりにも豪華過ぎる出演者の皆さまでしたね。
あーーあ、うらやましい。
早くテレビ放映観たくなりました~

こんど劇場でお会いした時に模擬店での収穫モノ是非見せてくださいね。
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昨日は… (六条亭)
2007-05-28 12:56:49
あの大混雑の模擬店のなかで、よくぞ遭遇できたという感じでしたね。こちらこそ失礼しました(^_^;)。

北千住観音のパラパラは、1月の国立の化け猫の時と同じなんですね。まあ、あの面白さはなかなか表現しづらいですから、7月放送予定らしいテレビの特集を期待したいですね。

こちらからTBをうちました。
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酔っ払い (harumichin)
2007-05-28 21:17:48
俳優祭・・酔っ払いぶりを発揮しまくりまして失礼いたしました
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羨ましい (dream)
2007-05-28 23:21:31
俳優祭のレポ、楽しく拝見!
チケットをゲットできなくて凹んでいましたが、
>NHKの収録が入っていた・・・と伺って
テレビ放映があるようなので楽しみにしています。
詳細なレポ・・・ありがとうございました。
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皆様、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2007-05-28 23:51:59

★かげみつ様
パラパラ情報を本当に有難うございました。文中にも追記させていただきました。多分そうじゃないかなぁと思いましたが、一月も一回しか観ていないので自信がなかったのです。菊五郎丈のすました顔してのパロディがもう大好きになってしまって、毎回の公演、楽の夜の部を観ることがくせになりそうです。これからもよろしくお願い申し上げますm(_ _)m
★マダムあや様
ふだんは3階席の常連なので、二度とないチャンスかもと清水の舞台から飛び降りたんです。飛んだら夢の中に行ってしまいました~。
★ひとみ様
雀右衛門丈の白雪姫も可愛かったでしょうね(『私事』を読んでからますます贔屓になっています)。江戸の昔から歌舞伎はパロディを盛り込むことが当たり前になっているようですので、この「白雪姫」もまさにその延長線上にあるんですね。
★さちぎく様
「手」の皆さん、昼の部の方が揃っていたという情報もあります。夜の部は酔っ払ってしたのかもしれないと思いました。TVで私ももう一度しっかり観たいです。
★花梨さま
>童と言いながら、何とでかい人達......だから7人の小人といえないのだそうです。そして吉右衛門、「鬼平」→「釣女」の醜女→今回の「童」ですからね、もうハマリまくりました!
★真聖さま
今回観ることができた私はレポアップする責任を感じまして、眠さと戦いつつ書かせていただきました~。
模擬店タイムの写真がうまく写っていたら是非是非見てくださいね~(^O^)/
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