ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

09/01/03 歌舞伎座初日昼の部①玉三郎の「鷺娘」

2009-02-07 23:59:23 | 観劇

玉三郎が公式サイトの「今月のコメント」(2月)で先月の歌舞伎座で踊った「鷺娘」で本公演で踊るのは最後にする気持ちを語っている。昨年の八千代座で「鏡獅子」も踊り納めにしたようだ。
そういうこともあるので歌舞伎座初春歌舞伎初日の昼の部で観た「鷺娘」の感想を簡単ではあるが書いておこうと思う。それも正月疲れで風邪をひいてしまい、ちょうど鼻の症状がひどい日に3日の初日観劇となってしまい、ボーっとしながら観ていたのであまりちゃんとした記事は書けないのだが、イメージを中心に書く。

【鷺娘】(長唄舞踊)
鷺の精=玉三郎
2005年5月の勘三郎襲名披露公演時の「鷺娘」の感想はこちら
シネマ歌舞伎の時の記事はこちら
白い綿帽子をかぶり白い着物に黒いだらりの帯の姿で登場した鷺娘。裾に白い足袋の足先だけが覗く。NHKのプロフェッショナルで初めて知った右足の足袋の中にフェルトを入れているというエピソード。その右足の側面が見えた時に確かに少し段になっているのが見えてしまい、これって大変そうだなぁとしみじみ思った。
今回の引き抜きも後見の弟子たちとの息がぴったりで実に見事。白から赤の町娘姿へ一瞬に変わる見事さ!
「余る色香の恥ずかしや」で引っ込んで紫色の着物で登場。引き抜いて朱鷺色と変わるのも実に美しいと恍惚として見入るばかり。赤と紫の着物には雪柳の模様。色物の時の黒の帯には金や銀で雪模様。
最後にぶっかえって手負いの鷺に変わるのだが、羽毛模様の衣裳も美しく、髪もさばいて狂おしく踊って息絶える。

観劇後に今回は特別に舞台の手前の方にフットライトが2列あったということをブロガーさんの記事で読み、「鷺娘」という舞台装置はシンプルで衣裳の色の変化と最後の雪の中での踊りを美しく見せるためのこだわりの照明だったのだなぁと納得。

それよりもこの数年の玉三郎の異界の者を美しく描き出す世界に浸った目で見ると今回の「鷺娘」はまた別のイメージが湧いてきた。
この舞踊劇、実は最後に地獄の責苦にさいなまれて息絶えていく鷺娘の脳裏に走馬灯のようによぎった思い出なのではないかというイメージ。
恋も知らない純情の白の時代、恋を知りそめし頃の喜びの赤の時代、色恋のせつなさの紫色→朱鷺色の時代、恋への妄執は致命傷の苦しみとなっての断末魔に襲われ、ついには命を散らしていく・・・・・・。

来年4月までの歌舞伎座さよなら公演の最初の月に一ヶ月踊りきっての封印。こうして少しずつ封印する演目も増えていくのだろう。これからもそういう舞台が続くだろうが、しっかりと目に焼き付けながら観ていく決意を固めた次第。
写真は公式サイトより今公演のチラシ画像。
(追記)ネット検索でみつかった「博多座公演」での鷺娘の記事をご紹介。私のイメージもそんなに外れていなかったようだ。

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