ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

10/01/26 歌舞伎座千穐楽夜の部(1)雀右衛門不在の「春の寿」

2010-01-28 00:10:55 | 観劇

2008年1月の「けいせい浜真砂」から本興行に姿を見せていなかった雀右衛門。「けいせい浜真砂」は「楼門」の女方向けのバージョン。滝夜叉姫のような拵えの傾城姿で出る亡くなった松緑が晩年に動けなくなっての舞台に「楼門」に石川五右衛門で出たというのを聞いていたので、雀右衛門がこの役で出るというのは、そういうことなんだなぁと思いながら観ていた。鷹が咥えてきた書状の天地を逆に持っての芝居に目もはっきりと見えていないのだろうと思うと見ていてつらかったが、ほんの10分くらいの演目だったが、存在感が素晴らしく、久吉でつきあった吉右衛門と上下に極まった様は実に絵になっていたのを思い出す。
歌舞伎座さよなら公演に初めて出るという「春の寿」。舞踊に出るのは2005年の「豊後道成寺」以来。「豊後道成寺」で踊りきった後、肩で息をしていた姿もせつなかったっけ。

初日から体調不良のために休演ということだったが、19日には出演されたということで千穐楽も大丈夫かと思っていたが、やはりその日だけで休演。その日は「歌舞伎ちゃんねる」の収録日だったらしい。
全く同じ生年月日という小山三も途中休演だったようで、千穐楽にお二人揃って元気な姿を舞台で観ることができるように祈っていたが、残念でならない(小山三は「金冠渡し」でしっかりお姿を見ることができた)。

【春の寿(はるのことぶき)】長唄舞踊
新作ということで、まさに雀右衛門のためにつくられた舞台だった。以下、概要と配役を公式サイトより。
「格調高い王朝風の舞台で、女帝(雀右衛門→休演で代役は魁春)、春の君(梅玉)、花の姫(福助)が雅な舞で、歌舞伎座の初春を寿ぎます。」

筋書にある長唄の歌詞から以下、引用。
「新玉の 春成駒と祝うたる 尽きぬ高砂金銀の 向かい雀の飛び交いて ご贔屓重ぬる京屋結び 目出度かりける年始め」
京屋、高砂屋、成駒屋と三人の屋号をしっかり入れ込んだものになっている。
衣裳も平安王朝風ではあるが、普通の扇を使っての舞いは違和感があった。そうか、檜扇にすると重たいし色の糸の束もついているので捌きが大変なためかもしれないと推測。3人とも普通の扇で揃えていた。後半になって後方の大ゼリで登場する女帝は本当にシンプルな動きだけの振付。さもあろう。
群舞で出てくる若者たちが衣冠束帯でなく、後世の衣裳のようで不自然に思えた。
せっかくの新作だったが、雀右衛門の不在で実に寂しい感じを強く感じてしまった。実に残念(T-T)

1/26千穐楽夜の部(1)勘三郎の「京鹿子娘道成寺」


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