ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

08/07/04 初参加のすずめ二人会「怪談牡丹燈籠」

2008-07-06 22:34:00 | 観劇

昨年のすずめ二人会「真景累ヶ淵」に行かれたさちぎくさんの記事に触発され、谷中の全生庵での怪談噺の二人会があれば一度行ってみたいと思っていたら、今年は「怪談牡丹燈籠」とのこと!芝雀さんのサイトから申し込み、さちぎくさんと待ち合わせして夜の部に行ってきた。
昨年10月歌舞伎座の「怪談牡丹燈籠」で興味を持ち、ちくま文庫の「怪談牡丹燈籠」を木挽堂書店で手に入れて読んである。花組芝居の今年9月の「怪談牡丹燈籠」も観る予定なので、「牡丹燈籠」について深めてしまいそうだ(^^ゞ

以下、当日配布された「本日の番組」に書き足す形で書いていく。
(1)落語:林家彦丸(林家正雀さんの弟子)
仲人を頼まれた八っつぁんがご隠居さんに指南してもらった「高砂や~」を無理して唄ったのはいいが予想と違った展開に困ってしまう噺。
(2)鼎談:平井正修(全生庵住職)・林家正雀・中村芝雀
すずめ二人会で「芝浜」から三遊亭圓朝作の噺を取り上げてきて、昨年の第2回の「真景累ヶ淵」から圓朝所縁の全生庵での開催となったこと、圓朝が師の円生の愛のムチ?を受けたことから創作噺をつくるようになったこと、戒名に「無舌居士」とついていることなど、興味深い内容。仲入りで席を立った時にしっかりと遺影と位牌に手を合わせておいた。
落語家が一人で語るところを二人の掛け合い噺にすると何が違うかという話題も出た。相手がしゃべっていて自分が黙っている間にいろいろ考えることになるのがよかったという。一人で話すことと違う刺激が落語家にもあるという企画だという視点にガッテンした。
(3)「怪談牡丹燈籠-お露新三郎-」林家正雀
当初の予定になかったのに加えていただいて嬉しかった。お露と新三郎の出会い、恋患いで死んだお露がお米に手を引かれてカラ~ンコロ~ンと尋ねてくるようになったあたり。私が読んだ円朝の速記本の内容とはずいぶん違っていたので、やっぱり噺家が自分の言葉で語っていいんだなぁと納得。
(仲入り)→毎年円朝忌の行われる8月に公開される「円朝遺愛の幽霊画コレクション」を特別に見せていただいた。「怪談乳房榎」を題材にした絵はダイレクトに怖そうな描かれ方だったが、円山応挙の幽霊画は柔らかな品のある女性でじっと見ているとだんだん怖くなる感じ。今年は7月なのであきらめていたのに思いもよらずに観ることができてラッキー。
(4)掛け合い噺「怪談牡丹燈籠-お札はがし-」「同-栗橋宿-」林家正雀・中村芝雀
ここは二人ということもあり、歌舞伎の脚本を踏まえているようだった。正雀が伴蔵、芝雀がお峰が基本。
二人とも噺家のような着物姿での掛け合い。芝雀丈は素顔でも噺の中で女形のしぐさと声で違和感なし。正雀師匠は緊張のせいか汗だくの熱演。真面目な人柄がしのばれた。お二人ともくせのない真面目な芸質が似ているのかもしれないと思いながら聞いていた。
二畳くらいの台の上に座布団を並べて噺をしていたが、最後の殺しの場面になると座布団をはずす。立ち上がって狭い中でも立ち回り。左手の襖が何回も開け閉めされていたのが気になっていたら、屏風の後ろに隠れていた幽霊姿のお弟子さんが登場したのでなぁるほど。姿を消したら右手の屏風の上から幽霊手をした芝雀丈。神出鬼没の演出だった(笑)
昨年の仁左衛門・玉三郎の舞台の幕切れは幽霊なしで我に返った伴蔵がお峰の亡骸を抱いて泣きあげる演出だったので、幽霊が出るバージョンは初めてなので面白い。こういう方の演出の歌舞伎も観たくなった。

暗い場面で打ち出しにしないということなのか、台の前に彦丸が出てきて「かっぽれ」を踊る。師匠も加わって明るい雰囲気に戻した。幇間が履いているような赤くて足首まである長い下着姿に、やっぱりお座敷芸でもあったんだなぁと納得。

打ち上げの回でもあり、最後にふたりのトークがあったのもよかった。人相見の白翁堂を芝雀がやると言ってくれたのだが、予定にないアドリブの台詞も言うのであわてて対応したという正雀師匠が可愛かった。やはり3回目が一番よかったということだった。次にくる時もやっぱり夜の部にしようと思った。

お開きになると本堂から帰るお客を正雀師匠・芝雀丈、お弟子さんや奥様、スタッフさんたちでお見送り。アットホームでこういうのもいいなぁとしみじみ。特に最近贔屓度がアップしている芝雀丈、開演前も普通に奥様とお庭を歩いていたりしてこちらも会釈すると返してくださる姿が親しみやすく、なおさら贔屓度アップ(^^ゞ
門までガラスの容器に入った蝋燭が石畳に沿って置かれているのもいい風情。門には写真のような正雀師匠と芝雀丈の名前入り提灯が左右に掲げられていたのもいい感じ。

開演前にはさちぎくさんのご紹介でyukiさんに初めておめもじできたのも嬉しかった。またの機会によろしくお願いしますm(_ _)m
ウィキペディアの「三遊亭 圓朝」の項はこちら


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
特等席! (さちぎく)
2008-07-06 23:13:19
早速感想書かれたんですね。去年は一人でしたが今年はご一緒で楽しかったです。おまけに最前列の特等席!冷房の風が寒いこともありましたが、間近に見られて最高でしたね。芝雀さんの世話のセリフ良いですね。素顔でもやりにくくないとおっしゃっていたのは流石!3回やって、アドリブ入りで、芝居の捨てゼリフ感覚なんだなぁと思いました。ホールではなくお寺の本堂というのも雰囲気があって結構でしたね。
記事にしてこちらのを紹介させて頂きます。
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お目にかかれてよかったです (yuki)
2008-07-07 18:18:15
ぴかちゅうさん、こんにちは!
先日はさちぎくさんにご紹介いただき、お話できて楽しかったです。
ぴかちゅうさんの詳しいレポートを拝見して、忘れていたことをいろいろと思い出しました。終演後お帰りになるお客様ひとりひとりにご挨拶していらした芝雀さん、とても感じが良い方でしたね。
次回もまた見たくなるすずめ二人会でした。
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皆様、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2008-07-07 23:12:24
★さちぎく様
前半の冷房の風は確かに大変でしたね。私は着込んだので寒くはありませんでしたが、目がドライアイになってしまいました(^^ゞ仲入りで風を止めてもらったら一気に特等席になりましたね。
>素顔でもやりにくくないとおっしゃっていたのは流石!......舞台稽古も素顔だからということでなるほどと思いました。衣裳も鬘もつけて顔だけしないというのが一番できないというお話でイメージしたら確かにコワイよなぁとも(笑)
次回はどんな作品に取り組まれるのか楽しみです。
「噂佐菊都風」でのご紹介も有難うございました。せっかくですので、その記事を下記にご紹介させていただきます。
http://www.sachigiku.com/2008/07/post-fad2.html

★yukiさま
さちぎくさんにご紹介いただき、おめもじできてよかったです。yukiさんの「ご機嫌!歌舞伎ライフ」にも初コメントを入れさせていただきました。これからもどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
初参加したすずめ二人会、すごく面白かったです。私も芝雀丈の気取らないお人柄が好ましいと思いました。「すずめ二人会」は今後も要チェックですね。
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