ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

06/01/03 歌舞伎座藤十郎襲名公演昼の部③「奥州安達原」「万才」

2006-01-04 14:35:05 | 観劇
3.奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)
奥州安倍一族源義家もの。あらすじは以下の通り。
安倍貞任により環宮(たまきのみやと読む)が誘拐され、その咎から環宮守役の平直方(段四郎)に切腹の命が下され、その立会いに上使の桂中納言実は安倍貞任(吉右衛門)と源義家(染五郎)が直方邸にきているという設定。貞任の弟・宗任(歌昇)もわざと捕われて邸にいる。そこへ安倍貞任と駆落ちをして今では瞽女に落ちぶれた娘の袖萩(福助)が駆け付け、父母へ許しを乞う。盲いた母を付き添ういたいけな孫娘の姿を見ても武家の慣習で許してやれぬ父と母。父の切腹に際して袖萩も供をしようと自害する。貞任はその親子のやりとりを耳にしてお家再興のために犠牲にした妻子がここにいることを知るが見ぬふりをする。切腹を見届けて立ち去ろうとするところを源義家が本性を見破り、貞任はぶっかえりをみせ、その上で瀕死の袖萩と娘と対面。最後、義家と貞任・宗任は、戦場での再会を約して別れるという時代物のお決まりで幕。

段四郎の直方と吉乃丞の浜汐の父と母の勘当した娘への情の見せ方が一番見応えがあった。歌昇の宗任はハマり役だし、最近ちょっと引き締まったのではないかと嬉しくなる。あと、女の子の子役が台詞も芝居もよかった~。

福助の袖萩は美しいが、泣きを入れながらの台詞がききとりにくい。吉右衛門も台詞がこもってききとりにくいのでちょっと不満。ヘビースモーカーだからいけないのではないかとちょっと意見したくなる。吉右衛門、歌昇と並ぶと染五郎の義家は線の細さが目立ち、いまひとつだった。

時代ものってやっぱり苦手かも。先月の「弁慶上使」はあまりの不条理な話の内容にイライラして楽しめなかったし(T-T)

4.万才(まんざい)
新年を迎えた街角に万才がやって来て初春を寿ぐという内容の御祝儀舞踊(義太夫舞踊)。暗い時代物の口直しといったところかな。
芝翫丈の休演で演者変更し、福助の女方に扇雀の若衆姿の組み合わせ。扇雀のこういう姿は初めて観てけっこういいなあと見惚れていた。

写真は、口上が含まれていた「夕霧名残の正月」の前後に引かれていた坂田藤十郎襲名の祝い幕。左の方に祇園祭の山鉾の絵も見えて関西らしいデザインだ。



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4 コメント

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初めまして☆ (fortheday)
2006-01-07 23:41:11
トラバさせていただきます。

女の子のお芝居、なかなかだなと思って観てました。

着物をかけてあげるところでは涙が。

やっぱり科白聞き取りづらかったのですか。
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forthedayさま (ぴかちゅう)
2006-01-08 00:32:28
TBとコメントをありがとうございましたm(_ _)m

>科白がよく聞こえないし、

私もよく聞こえませんでした。幸四郎・吉右衛門丈の兄弟はおふたりとも存在感は大きいのですが台詞がききとりにくいと思ってます。菊五郎さんが素晴らしすぎるのかな。

そうそう、ぶっかえりはよく見ますが、貞任が元の衣裳に舞台上で戻すのを初めて見て感心しておりました。福助丈は世話物の台詞はいいのですが時代物で泣きが入るとイマイチだと思っています。先月の「重の井」はとてもよかったんですけど。これからもっと伸びてほしいと思って見ております。

これからもよろしくです(^O^)/
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お君 (asari)
2006-01-09 22:11:49
お君役は名子役・山口千春ちゃんです。

一昨年の玉三郎さんの先代萩では、鶴千代君をやっていました。千松は清水大希(当時。笑)君で、素晴らしいコンビでしたよ(^^)



私は今回、奥州安達河原が一番でした。皆さん素晴らしくて満腹満足。吉右衛門丈のカッコ良さにクラクラしちゃいました。

時代物の台詞の聞き取りは、慣れの問題もあるんじゃないですかね?聞き取れても意味わからなーいとかありますけど(^^;
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asariさま (ぴかちゅう)
2006-01-10 01:40:13
>時代物の台詞の聞き取りは、慣れの問題もあるんじゃないですかね...ってその通りだとは思います。でももう少し通っていていただけると有難いです。メリハリつけたしゃべり方だと小声の時にききとれないの(T-T)

夜の部の兄弟の5分間の共演に期待して千穐楽行ってきます。



『贋作・罪と罰』にもTBさせていただきましたので、そちらもよろしく(^O^)/
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