Days of Pieria

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鍼灸&オーラソーマ&冷えとり…光の鍼®︎Pieria

依存と自立2

2007年05月19日 | 鍼灸・東洋医学
KIN246白い水晶の世界の橋渡し(協力 捧げる 普遍化する/死 等しくする 機会)

1年ちょっと前に依存と自立について書いた。実はずっと考え続けている問題である。そして以前、鍼は依存すると効かなくなる、ということを書いたが、私は依存的な患者さんにはとても苦労してしまう。あくまでもその人自身である自然治癒力をサポートするものなのだから、その力をあけ渡して人に治してもらおうと思っている人には鍼でも何でも効くわけがない。その人自身(つまりその人の生き方考え方全て!)を支えられるわけがないし、してはいけない。だからまずは「突き放す」しかない。自分で立ちなさい、自分自身と向き合いなさい!と。

この仕事、お金が儲かるものではないので、継続的に来てくださる方がありがたいのは事実だが、私は効かない鍼を打つくらいだったらお断りしたいのが本音。でもそういうわけにもいかず、いかに依存的な患者さんに自立していただくか?これも修行と思って日々頑張っている。
今回、鍼灸料金の値上げを決めたのも実はその対策の一つなのだ。うちは回数券で継続される方が多く、内容的にもこの地の相場としてもかなり安いという自負があった。それをわかってくださる方々からは、かねがね「お願いだから値上げしてください」と言われていた。自分で言うのもなんだけど渾身の治療をしていることが伝わり、私が倒れやしないかとご心配いただくのだろう。そして安いから依存しやすい、ということもあったようだ。

でも週1回の方にはかなりの値上げ率になってしまうのでショックを受けた方もいらっしゃるようだ。適正価格と思ってはいるが申し訳ないので、例えば月4回を3回にしたところで全く問題はないとご説明する。
でも依存的な方は金銭的負担増に加えて、その緩和のために「あなたの体力だったら月2回にしたって大丈夫ですよ」などと私が申し上げても、喜ぶどころかかえってパニックしてしまう。でも私はあえて言う。「本来鍼は週2回が理想的と言われていますが、人に治してもらおうと思っている以上効きませんから、あなたの依存的なところを考えて言っています。そして冷えとりをしっかりしてさえいれば、基本的に治療は不要なんですよ。」とまで最近ははっきり言う。(珍しい治療室だと思う

普通に依存的な方はここで黙ってしまい、いろいろ考えるようだ。でも依存に加えて、自己と他者の境界線や尊厳まで混乱している方がいらっしゃる。ある患者さんは、
「先生は保障がない仕事だからかわいそうだと思って毎週来ているんだけど」などとのたまった。
私「はぁ!?」
患者さん「だって、大きな会社を辞めてしまって保障がないじゃない」
私(呆)「…確かに私は会社を辞めてこの仕事に入ってもう10年近く経ちますが、会社員でいた時よりも何百倍も幸せで、自分をかわいそうだと思ったことなどただの一度もありませんし、ましてやあなたに保障していただく必要など全くありません。人の心配をしている暇があったら、まずご自分と向き合ってください!」
という展開に。

かわいそうという感情は、自分がある程度安全で優位でなければありえない。でも保障がないことを不安に思っているのはこの人自身であり、断じて私ではない。つまり自分の不安を私に投影して、その世話をすることで代償しようとしており、なおかつ鍼に依存する大義名分にもしているのだ。

ちなみにこの方は何年も前、奥沢に来たばかりの私の就職先を「勝手に」探してくださったことがある!
私になんの相談もなく、
「あそこの病院の事務長さんに口きいておいたから行ってみて。医者の下で働ければ安心でしょ?」
私「!?」当然一悶着。「いつ私がそんなことをお願いしましたか?!ご心配くださるお気持ちだけは有り難いですが、私はどこにも勤める気はありませんし、こんな勝手なことは二度とご勘弁ください!」と思わず怒りをあらわにしたら、びっくりして(あら、人が折角親切にしてあげたのに…)という感じだった。何故私が怒ったのかは全くわからなかったようだ。
でもこの時以来、ご自分が私を世話しようと思っていたのだとしたら申し訳なくもあるが、世に言う「余計なお世話」の典型的な構図である。

この方は会社を定年まで勤務された方なので、所属=保障=安定=幸せという価値観があるのだろう。それは普通のことだが、悪いけれども私はこれらすべてに対してアンチである 大企業に所属した経験があるだけに、今は自分に合ったこの生活を選び取っていることを、何度もこの方にご説明しているのだが、そんな価値観や尊厳は全くご理解いただけないようだ。

そしてこの方はご高齢になって身体の不安を鍼灸で癒すのはいいのだけど、非常な心配性で1週でも抜けると落ち着きがなくなるほど依存的だ。普通にしていればとてもお世話好きのいい方なのだが、人のお世話とご自分の不安や心配とが完全に混同し、混乱している。
(ちなみにすべて第3チャクラの問題。個人的な事例を挙げるのは少々躊躇したが、依存と自立、及び第3チャクラの問題のモデルケースのようにも思えたのであえて挙げた。)

でも、先日この方はオーラソーマのコンサルテーションで、見事にご自分の「依存と自立」「価値と尊厳」の問題と向き合うことを選び取っていらしたのでほっとした。意識の成長に年齢制限などないと私は思っている。自分自身でいるくつろぎを、人の心配や人の世話に置き換えてしまわずに受容できるよう、ご成長を見守りたいと思う。

それにしても一人で治療室をやるような、こんな生活自体が人の心配を誘うらしい…と思うと少し悩むが、変える気はさらさらなく(笑) むしろどんな心配もよせつけないほど楽しくやっていればいいのかもね
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2 コメント

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お仕事が楽しい♪ (とん)
2007-05-25 22:47:26
お仕事が楽しいっていいですよね。
わたしも周囲からあれこれ言われますが、
いま本当に仕事が楽しいです!

以前自分の強みを判断するテストをしたら、
わたしは「適応力」がTOPでした。
自分では意外でしたが、周囲は納得(笑)
案外自分のことはよくわからないもんですね。
返信する
素晴らしい~♪ (pieria)
2007-05-26 11:06:54
同じことをするなら楽しくやらないとね

その楽しさがきっと周囲にも拡がっていきますね。
楽しい波動を沢山発信していってくださ~い
返信する

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