入院(手術)

いつからだったか思い出せないのですが10数年前から指で押し込まないと肛門が元に戻らなくなっていた。最初は排便の時だけだったのがだんだん重たいものを持ったり、立ち仕事をしたり疲れてくると出てくるようになって来た。
そんなわけで浜松町から近い新橋にあるアルト胃腸肛門クリニックへ行く事に決める。
最初は日帰り手術などもあると聞いて気軽な気持ちで診療を受けたが、診療の結果は甘くなかった。
肛門を締めるクッションが腫れ上がり内痔核が外に出て来ていると言うことで、薬や簡単な手術では治らないこと手術前2〜3週間前に検査をしなければならないこと入院は少なくとも１０日くらいかかるとの診断を受けました。
いろいろ計画を立て5／27から入院をする決意をしました。入院も手術も、学生の頃ラグビーで頭を打って入院依頼初めての体験です。
5／27
入院する病院は辻中病院柏の葉と言う、つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅から3分程の場所にある新しいホテルのようなな病院だった。
入院の手続きをして5階の病棟に迎う。
病棟は四人部屋、1000円で買えるカードで使えるテレビと冷蔵庫が着いているパジャマとタオルのセットは１日650円で使い放題になっている。
看護師さんから入院生活と今後のスケジュールを説明される。担当医師が今日明日と不在のため手術当日の朝説明するとのこと、ちょっと不安になる。
今日から明日の大腸検査のため昼食から制限される。
昼は見事な素うどんだった。
8階にカフェと売店と大浴場スパが用意されている。早速スパに入りに行って温泉気分を味わいリラックスする。
夕食は流動食

スープとお茶とリンゴジュースを噛み締めて味わった。いよいよ明日から絶食！^_^
5／28
朝5：00に目が覚めとりあえず外の見える廊下でヨガをしていたら、看護師さんにビックリされた。
7：00より下剤2リットルを飲み始めます。
200ccを15分かけてまずは5回そしてその後水を500mlその間トイレに5回行って5回目を看護師さんに見せて大腸が綺麗になっていれば、それでok だそうです。いつも便の出はいい方なのですぐに綺麗になっちゃうだろうと高を括っていたら、看護師さんのok が出ず更に下剤と水を飲み続けます。便ははっきり言ってオシッコみたいな感じなのですがたまに便の小さな固まりが出ますおそらくこれが長年溜め込んだ宿便なのだろうと思って下剤2リットルと水2リットルくらいを飲み終えて13回目の便を看護師さんに見せてもok が出ず、直接洗浄をすると言われました。
今度はお尻から直接水を入れそれを出すそうです。700ccくらいを入れトイレで出しもう一回700ccを入れ出してok となりました。
身体が浄化されたって感じ！
やっと内視鏡検査。時刻は午後3：00になっていた。鎮静剤を注射されお尻からカメラが挿入ボーッとしているうちに終わって、から記憶が曖昧な感じ、鎮静剤の影響なのだろう。どんな先生だか覚えていないのだが説明を受けたことは確かで
こんな結果だそうです。
1ミリくらいのポリプが数個2ミリのポリープが1個
憩室がたくさんあることがわかりました。切除の必要はないとのことまずは一安心でした。
この後風呂に入ったような気もするのだけれど記憶が曖昧になっていました。
5／29
いよいよ手術当日この日も朝一でヨガをして
7：00に先生の説明がありました。
堤先生と言う方で看護師さんの話によると名人だそうです。
病棟に戻って手術用のパンツと浴衣のような服に着替え準備をします。
9：00に看護師さんが迎えに来てくれました。
3階の手術室に着くと横向きに寝かされ背中に麻酔の注射を打たれます。その後うつ伏せになりベットの全体が上がり脚側が下がっていきます。
顔は横向きにします。数分もすると下半身の感覚が薄れなんとなくいじられているのはわかるのですが、痛みはまったく感じません。麻酔と言う技術に本当にビックリさせられます。
手術は30分もかからずに終わりました。
自分の切られた部分を見たいと言うと串焼き用の豚のモツのような固まりが三つステンレスのトレーに乗っているのを見せてくれた。
長い付き合いだった自分の分身とのお別れ、なんか申し訳ないような感覚。「見捨ててすみません」と心で唱えてお別れを。
手術後の私は市場のマグロ状態、テレビなどで見るER のシーンさながらに台車に乗せられ執刀医から手術の説明をされる。
3箇所ガッツリ切ってとにかく安静にして下さいとのこと。切った部分は縫わないで肉が盛り上がってくるのを待つそうだ。縫うとその中が菌の温床になってしまう。どうやって手術をするのか、説明を受けてもよくわからなかったのだが。
ようやくここで理解することができた。いらない部分は切り取り、後は自分の体の自己治癒力で治す。よく考えれば非常にシンプルだった。
自分の病室に戻ったのが10時頃看護師さん達は慣れていて難なく自分のベットに寝かせてくれた。
自分の足が空に浮いているような不思議な感覚。足を触ると死体を触っているような感覚だった。
3時間くらい経つとだんだんと感覚が戻り足が動くようになって来た。
鎮痛剤を薬剤師さんがとどけてくれた。

夕方初めてのオシッコへ看護師さん同伴で行く。膀胱派にはいっぱい入っているようなんだけどなぜかほとんど出ない。

いつのまにかの紙おむつ
急に寒気が走り布団を2枚にしてもらう。
体温を測ると38度熱が出て来た。
8：00過ぎ頃看護師さんが解熱剤を持って来て飲む事を強く勧められたが、本当に辛い時でもなかったのでこっそり飲むのをやめた。
5／30
痛みとオシッコが出ないことで寝付けず12時が廻った。
夜中の2：00頃目が覚める自力でトイレまで行き便座に座ると、か細いガスと共に血の塊が便器に花を咲かせ その後ようやくオシッコが少しづつ出てきた。オシッコが出るだけで幸せを感じ、心から安堵の気持ちを感じた。
朝 体温は37、8度 抗生剤と電解質の点滴を受ける事になった。
熱で身体が怠いわけでもなくお尻もそれほど痛いわけでもない状態で２日半ぶりの朝食をいただく。感謝を持って味わってよく噛んで食べる食事は、美味しくご飯は甘く身体に染み渡るようだった。
5/31
久しぶりに空を飛ぶ夢を見た。良く眠れた。
しかし一番の心配はトイレ、先日は、お腹に何も入っていなかったため便は出なかったが昨日3食しっかり味わったものを今日出さなければならない。5：00に目覚めた私は、すぐにトイレへ、
痛みでとても踏ん張ることはできないのだが、泥状の便がタラタラと便器に落ちていく。乙字湯と言う下剤の入った漢方薬のせいなのだろう。
ちょっとホッとしてなんとかオシッコも出す事ができた。
6/1
だんだん感覚が戻って来ているのか肛門の痛みが増して来た。切れている傷の上をモノがズルズルととおりつづけなければならない。排水管を使いながら直さなければならない。
痛みで肛門の筋肉が緊張しているとオシッコも出なくなる。これが結構辛い。
それでも風呂の許可が出たので8階にあるスパに行く、とにかくお尻を何度も洗ってお湯に浸かる。
痛みが癒えて心地よい泡が身体を通り抜け痛みで緊張していた身体がリラックスしていく。生きてて幸せ！
6/2.3
痛みで踏ん張る事が出来ず常に便が少しづつでつづけ、オシッコはたまっているんだけれども出すことができない。トイレの中で立ち上がったり座ったり、前かがみになったりお腹を手で押しまわしたり、痛みの中でもがきながら少し多めに便が出てオシッコが出るとホッとしてしばらくリラックスできる。ドクターは「ドンドン食べて出してください。」と言う出さないと恐らく傷が癒着して肛門がない狭くなるのだろう。
コーヒーも少しなら飲んでもいいと言われ、利尿効果を期待して8階のカフェへ行ってみた。
カミさんの好きなモンブランも注文してみた。
この一瞬の幸せを味わう。

6/4
4：30目が覚めてしばらくしてからトイレへ中腰になってお腹を押すとオシッコが少し出るその後Call me nature 一気にしっかりとした便が私の意志とともに出て来た、ここぞとばかりに踏ん張る肛門を心地よく便が走りかなりの量の便がトイレに落ちた。とにかく嬉しくてこのウンコをしばらく眺めていた。
ただお尻はかなり痛くベットに横になりながら耐えていると、看護師さんから痛み止めを今飲んだ方がいいとアドバイスされ、とにかく飲んでしばらくベットで耐えていた。1時間程して痛みが和らいだ頃、再度トイレへ肛門の筋肉が緩み大量のオシッコが出てきた。思わずガッツポーズ！誇らしい朝を迎えた。^_^


10日間お世話になったトイレ
6/5
前日に退院許可が降りて今日いよいよ退院。
トイレでの痛みは変わらず、声を上げそうになります。それでも傷の具合は大丈夫だという事で退院できることになったが、家まで漏らさずに帰るのが不安だった。とにかくシャワーを浴びて１４日分の薬をもらい会計を済ませて退院！！^_^
国民健康保険の私で約13万円ただ残念なのが入院期間が５月と６月にまたがった事それによって５月分が4万6000円６月分7万4000円になり、月毎である金額を超えるとでる高額医療保険が恐らく対象外だろうとのことだった。
この10日間今まで体験しなかった事を体験できた。そして医師、看護師、医療スタッフの皆様の暖かい介護のがお陰でで退院出来たことに感謝します。