濃さ日記

娘もすなる日記(ブログ)といふものを父もしてみんとて・・・

あなたの小さなパートナーから大きな愛を!

2007-11-24 00:46:22 | Weblog
ペット大国ジャパン、いつも散歩している公園では、子どもの数よりイヌの数が多く目につくほどで、彼ら&彼女らコンパニオンアニマルは、いまや少子高齢社会の救世主といってもいいだろう。その救世主に栄養たっぷりのサプリメントが与えられたなら、もうイヌに金棒、ネコに小判だ。
ついでに、最新情報をこっそり教えれば、アメリカのさる大富豪の老婦人は、彼女の遺産の一部、約14億円を愛するマルチーズ(写真)に相続して逝去したそうだから、健康に注意して、飼い主以上に長生きすれば、何かいいことがあるに違いないぞ、コネコちゃんにコイヌちゃん!!

──前回のカメの話以来、なぜか身辺が動物づいてきて、アニマル用サプリメントの体験談集(そのキャッチコピーは「あなたの小さなパートナーに大きな愛を!」)の編集まで担当することになった。上の文章はその編集後記であるが、寄せられた体験談の中には、たとえば

今、年老いたリキ(愛犬)に「うちの子で幸せだった?」と問いかけています

という主婦の話や、

コテツ(愛猫)は「お世話になりました」の一言も無く、出ていったきり、再び家に帰ることはありませんでした

という中年男性の話など、ペットとの濃密な交流ぶりを自然体で語ったものが多く、思わず、ウルッとさせられてしまう。
それだけではない。「心臓病の患者さんの不安の軽減や体調の改善のために、犬との短時間のふれあいが効果をもたらし、しかも、その効果は人間とのふれあい以上だ」というのだから、もう他人事ではない。
松浦理英子によれば、愛しい人の飼い犬となり、身を捨てて相手に尽くす女性のことを「献身」ではなく「犬身」と書くそうだから、ついつい、物欲しそうな卑しい目で公園を探し回ることにもなる。
そういえば、一昔前、「家庭の事情」のすきま風が吹き荒れていたとき、小学生だった娘にせがまれて、よく近くの動物公園に一緒に行ったものだ。ヤギにエサを与え、ウサギを抱く、それだけで娘の心は癒され、私の心もまた、動物たちと無心に遊ぶ娘の姿を見て、癒されたのかもしれない。
そんなことまで思い出した後、キャッチコピーの「あなたの小さなパートナーに大きな愛を!」は、

「あなたの小さなパートナーから大きな愛を!」

のほうがより真実味があることに気づいた。再版の際は、ぜひ修正したいと思っている。

かむ トゥギャザー

2007-11-04 14:44:31 | Weblog
「去年、私の足首を咬んだ百歳のオスのゾウガメにもう一度咬まれたくて、今年もガラパゴスに行ってきます!」
と、あるご婦人から連絡が入ってきた。たしかに、その事件は現地のダーウィン研究所でも話題になったようで、証拠写真が残されている。だが、ガラパゴス島で許されるわずか2時間の滞在時間(観光客からの細菌、ウイルスの侵入を予防するため)で、果たして再会は可能なのか、2匹目のドジョウ、ではなくゾウガメ(写真)がいるかどうか、微妙な情勢である。とりあえず、旅立ちの前に「今度は、お土産がわりに咬んだ歯型もしっかり残してきてほしい」とだけは伝言しておいた。
それにしても、百万近くの旅費を貢がせた百歳のゾウガメは立派なものだ。彼に負けないように、日本の中高年男性諸君、またホストクラブの若きイケメン君たちも、がんばろう!

閑話休題。予備校の歯学部用模試問題として「噛むことについて」というテーマを選んでみた。
よく「噛む」ことは、体の諸機能の発達を促すとともに、脳に刺激を与えストレスを軽減し、知能にも良い影響を及ぼす。ところが、歴史上の人物が食べたとされる食事から、食事時間と1食あたりの咀嚼回数を調べた実験(神奈川歯科大学)で、食事がだんだんやわらかくなって、現代では1回の食事にかける時間が11分、咀嚼回数が620回と、卑弥呼の時代の51分3990回から大幅に下がっているという報告がされている。
模試問題を検討した他の講師からも
「ガムを噛むと集中力が増すと言いますが、その前に疲れる…というのは、どうすればよいのでしょうか?」
という相談まで舞い込んできた。栄養分を「噛む」ことよりも、ドリンク剤やサプリメントを飲んで適当に摂取する時代が近づいているのかもしれない。いずれにせよ、「噛む」ことの省力化が、人間の精神生活に影響しないことはないだろう。そういえば、ジェームス三木のエッセイに
「こどもは親を噛み砕いて成長するものである。噛みごたえのない親は、親の資格がないのではないか」
という痛烈な現代親馬鹿批判の一節がある。これは笑い事ではすまされまい。子供の方も子供の方で、親を噛み砕くのは手間ヒマがかかるから、そのかわりにマサカリやノコギリを持ち出して一気に処分する、そんなことだってありえる時代に突入したのだ。だから、せめてスネをかじる程度の力だけはつけるよう、受験生には十分注意を喚起するつもりではいるのだが・・・